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全日本卓球選手権大会

ジュニア2回戦を勝利した福岡乃愛(三田学園高)は、今どき珍しい両面裏ソフトのカットマンだ。
打つ、粘る、変化をつけるという基礎技術はもちろん、いきなり前について反撃したり、ドライブとミート打ちを使い分けるなど、とにかく技が多い。多彩な球種で相手を攻略する「技のデパート」と表現したいプレーは見ていてとてもおもしろい。

兵庫県神戸市育ちで地元の学校へ進学。勉強も卓球もしたいと、中高一貫の三田学園を中学受験した。今は1日2時間の練習と、土日は半日の練習だが、完成度の高いプレーは幼い時の下積みを感じる。
話を聞くと卓球に熱い父の教えで5歳でラケットを握り、小学校1年の時からカットマンへ転向したという。「用具もお父さんが決めてくれてます。これがいいぞ!と勧められるがままです(笑)」

そんな福岡選手の用具は
ラケット:スプラインN2(ダーカー)
ラバー:テナジー05(バタフライ)/ラザンターR42(アンドロ)

「お父さんのチョイスです。ここ2年くらはこの用具で落ち着いています。ラケットは攻撃もしやすくて、そこそこ弾みます。あまり飛ばないラケットだと攻撃が決まらないので、カットとのバランスが良いと思います。
 ラバーはフォア側が特厚でバック側が厚(2.0)です。バックのラバーはテナジーよりも安定して切れます。バックドライブもミートもやりやすいです。掴んで飛ばしている感じがします。
ラザンターはミートがナックルになるので、相手が落としてくれるのもいいです」

両面裏ソフトのカットが希少な理由は実に明確。難しいからだ。バック側は懐深く取ることができないので、精緻な角度と技術力が必須になる。
それでも「裏裏はできることが多いので楽しいです。ひとつ一つのミスは出ちゃうけど、楽しいし、卓球がおもしろい」と福岡。

基礎の力と用具のチョイスを父が支え、ゲーム作りの面白さを噛みしめるように娘がプレーする。
全日本での試合はまさに親子の絆の証だろう。
  • 粘り強い福岡のカット。誘い球もうまい

  • いきなり打ってくるバックドライブは得点力抜群