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全日本卓球選手権大会

 明日よりスタートする2020年全日本選手権。まずは男子の展望から。昨年度大会で、前人未到のV10を達成した水谷隼(木下グループ)は、優勝インタビューで語ったとおり、今大会のシングルスを欠場。男子シングルスは前回王者不在の中での戦いとなる。

 その中で、実力で頭ひとつ抜き出た存在が張本智和(木下グループ)。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ前回大会は準決勝で涙を呑んだが2年ぶりの頂点を目指す。この1年間でさらに力をつけ、スピーディーな連打にパワーも上昇中。特にフォアの威力は目を見張るものがある。11月の男子ワールドカップでは馬龍(中国)を破り、樊振東(中国)にも肉薄。12月のワールドツアー・グランドファイナルでは宿敵・許シン(中国)を追いつめ、ジャパントップ12でも他を圧倒するプレーで優勝を果たした。東京五輪が控える勝負の2020年、まずは全日本制覇でロケットスタートを切りたいところだ。

 張本を追う1番手は、同じく五輪代表に内定した丹羽孝希(スヴェンソン)。一時期はワールドツアーで初戦敗退を繰り返すなど、低迷したが実力は本物。全日本では優勝した2012年度大会以降、ベスト4が一度だけと上位進出はないが、五輪選考レースの重圧から解き放たれ、センスフルなプレーが炸裂すれば優勝も大いにあり得る。張本とは準決勝での対戦となるが、初戦となる4回戦で今大会にノーシードで臨む松平健太(T.T彩たま)との対戦が予想される。いきなり難敵との対戦となるが、ここを乗り切って快進撃を見せたい。

 12月の世界選手権選考会を制した森薗政崇(BOBSON)は足を使ったオールフォアのスタイルから両ハンドのバランスを重視したスタイルへ変身。伊藤美誠(スターツ)をヒントに取り入れた巻き込みサービスも選考会では光っていた。前回大会終了後、プロに転向し実力を急上昇中、世界ランキング44位の神巧也(T.T彩たま)も注目。第3シードの田添響(木下グループ)のヤマに入ったが、誰が抜け出してもおかしくはないブロック。準優勝した2014年度大会のようなスパークを見せるか。
 今大会はシードを獲得できなかった松平健太もTリーグでは高い実力を見せており、丹羽を沈めて上位に絡む可能性はある。吉村真晴(名古屋ダイハツ)、吉村和弘(東京アート)も爆発力を武器に上位を狙う。昨年度準優勝、今大会第1シードの大島祐哉(木下グループ)は昨秋、背中の手術を受けたばかり。復帰後、Tリーグで数試合に出場したが、どこまで試合勘を戻せるか。
 38歳・吉田海偉(東京アート)も注目。この1年間、団体ではチームのポイントゲッターとして活躍、全日本社会人でも準優勝と健在ぶりを見せた。若手が多いブロックで、熟練のプレーを見せたい。宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)、戸上隼輔(野田学園高)の高3コンビもジュニア最後の全日本で、飛躍のきっかけをつかみたい。
  • さらに力をつけた張本。2年ぶりの優勝なるか

  • 天才・丹羽、久しぶりに全日本で存在感を見せたい

  • 選考会を制した森薗も上位候補

  • 絶好調のお祭り男・神、大阪に咆哮轟かすか