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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

●男子ダブルス1回戦
鈴木俊光/鈴木誠(栃木銀行/大田原市シルバー人材センター) -9、5、3、3 
原口 雅央/木谷颯太(吉野ヶ里クラブ/鳥栖卓球センター)

 男子ダブルス1回戦、第1ゲームを奪いながら、惜しくも全日本を去った中学3年・木谷と社会人・原口のペア。年の差14歳でともに全日本初出場のペアというだけで異色だが、さらに驚きなのが中学3年・木谷の卓球歴。卓球を始めてから今日の試合まで、2年6カ月しか経っていない。
 小学校の時、先生に「卓球やってみれば?」と言われ興味を持った木谷だが、進学した中学校に卓球部はなかった。それでも、母の勧めで中学1年の7月から鳥栖卓球センターで卓球を始めた木谷。そこから週6回、1回2〜3時間の練習を重ね、わずか2年3カ月で佐賀県予選を制して全日本の舞台に立った。競技スタート年齢の低下が著しい卓球界において、衝撃的なニュースだろう。

 木谷を指導する鳥栖卓球センター代表の岡本篤郎さんは木谷の才能をこう語る。
 「卓球を始めてからずっと伸び続けている感じです。言ったことがすぐできるというか、吸収力がすごい。でも一番は何に対しても絶対に手を抜かないところ。それが一番の才能だと思います」
 歳の差14歳コンビ結成のきっかけは原口が昨年2月から鳥栖卓球センターで練習するようになったこと。「何か良い経験をさせてあげられればと思って」(原口)とペアを組んで全日本予選に挑み、見事優勝。ともに初の全日本出場を決めた。

 今日の試合は「緊張していた」と語った木谷だが、原口が「コース取り、相手を見る能力がすごい」と語るように、左腕らしく逆を突くような流しレシーブで展開を作った。随所でフォアドライブも炸裂させたが、惜しくも社会人ペアの丁寧なプレーにかわされ、1試合で全日本を去った。

 今後の目標について聞くと「今回は県予選でダブルスで優勝できたけど、県大会でシングルス優勝がないので、シングルスで優勝して全日本に出たい」と木谷。原口も「なかなか出られる試合ではないので、良い経験になった。今回は残念でしたけど、また2人で出られたら良いなと思います」と答えた。
 まだまだ計り知れないポテンシャルを秘めた佐賀のワンダーボーイ・木谷颯太。さらに成長した姿を、全日本の舞台で見せて欲しい。
  • 回転量のあるドライブが武器の木谷(左)

  • ベンチから木谷を見守った岡本代表(中央)

  • 原口(右)も28歳にして全日本初出場