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全日本卓球選手権大会

 続いて女子シングルスの展望を見ていく。女子の優勝戦線を引っ張るのは、現在2連覇中の伊藤美誠(スターツ)。世界ランキングを3位まで上げており、中国選手とも互角の戦いを繰り広げるなど、変幻自在の速攻プレーはこの1年間でさらに凄みを増した。女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスと3種目のエントリーになるが、目の前の1試合1試合に集中しきれる精神力、そして重圧にも動じない鋼の心臓で優勝へ突き進む。3年連続の3冠となれば、男女通じて史上初の快挙。19歳の若き女傑が全日本の歴史に新たな伝説を刻むか。

 伊藤とともに五輪代表に内定している石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)はV奪還を目指す。両者は勝ち上がると準決勝での対戦となる。サービス・レシーブからのフォアドライブは鋭さを増した石川。女子の出場選手の中では「ベテラン」にあたる年齢となったが、プレーはより力強く進化中。平野は五輪シングルス代表を逃した悔しさ、選考レースの重圧から吹っ切れたような怒濤の猛攻が復活し、12月の世界選手権代表選考会を制した。前回大会では石川は早田ひな(日本生命)、平野は木原美悠(JOCエリートアカデミー)と年下に不覚をとったが、今大会は「さすが五輪代表」というプレーを見せたいところだ。

 五輪代表3人以外にも、多士済々の日本女子。昨年度大会では石川を破るなど、圧巻のプレーを見せた早田ひなは今大会第4シード。準決勝まで勝ち上がると伊藤と昨年のリベンジマッチとなる。持ち前の女子選手離れした両ハンドにサービス・レシーブが磨かれ、得点力が向上。このところ爆発力が鳴りを潜めている感があるが、全日本で再び会心のプレーを見せるか。前回大会ベスト8の加藤美優(日本ペイントホールディングス)は、よりアグレッシブなスタイルにパワーアップ。押し引き自在のラリーに加えて、打ち合いにも強くなり、12月の世界選手権選考会では平野と互角の打ち合いを演じた。
 佐藤瞳、芝田沙季、橋本帆乃香のミキハウス3人衆も上位候補。芝田はこの1年、インパクトのある活躍を見せられなかったが粘りと攻撃力の高さで実力をアピールしたい。丁寧(中国)に2連勝するなど、国際大会で強さを見せる佐藤だが、世界選手権選考会時に「海外選手より日本選手のほうがボールをしっかり選んで打ってくる」と同士討ちに課題を見せる。橋本も同様に、カット攻略に定評のある日本選手に勝ち続けるには何かブレークスルーが欲しいところだ。

 前回大会、史上最年少で決勝に進んだ木原美悠、日本女子初の世界ジュニア女王に輝いた長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)とジュニア勢も先輩に割って入りたい。木原のブロックには平野のほか、橋本、加藤、出澤杏佳(大成女子高)、さらに同学年の大藤沙月(ミキハウスJSC)がおり、混戦が予想される。長﨑は勝ち上がるとベスト8決定戦で佐藤との対戦となる。
 故郷・大阪で5年ぶりの表彰台となった森さくら(日本生命)、初のベスト8入りを果たした安藤みなみ(十六銀行)も上位を伺う。安藤はベスト8まで進出すると伊藤との対戦。伊藤を撃破した2016年度大会の再来なるか。成本綾海(中国電力)、野村萌(デンソー)と日本リーガーも意地を見せたい。
  • 史上初の3年連続3冠に挑む伊藤

  • 石川は4年ぶり5度目の栄冠を目指す

  • トップ12では復調を予感させた平野

  • 早田も虎視眈々と上位を伺う