スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 6月20日、四川省成都市で中国オープンが開幕したその日、衝撃的なニュースが流れた。中国卓球協会代表大会・常務委員会の決定により、国家チームの劉国梁総監督が総監督職を退任。中国卓球協会の19人目の副主席(副会長)となることが一斉に伝えられたのだ。2003年に中国男子チームの監督に就任して以来、男子監督および総監督として国家チームの屋台骨を支えてきた劉国梁だが、今回の人事によって指導の第一線から離れることになる。

 同時に国家チームでは、監督1名・コーチ5名からなる国家1軍チームの管理体制を改編。監督職を設けず、男女とも教練組(コーチグループ)を設置して、より「扁平化(フラット)」な管理体制を目指すとしている。中間の管理職をできる限り省くフラットな管理体制は、国家体育総局の苟仲文局長が昨年就任した際、今後の基本方針として示したもの。バドミントンの国家チームでも、20年以上に渡って指導陣の中枢だった李永波総監督が退任。卓球に限らず、他のスポーツの国家チームでも同じような人事が行われている。

 国家チームでは2000年から2003年にかけても、コーチ陣による「教研組」を設置し、男子チームは尹霄、女子チームは李暁東が教研組の「組長」を務めていた時期がある。2003年6月に劉国梁と施之皓が男女チームの監督に就任し、このグループ体制は終わりを告げたが、再びその時代に回帰するのか。そうなれば、女子チームの孔令輝監督の去就はともかく、男子チームの秦志戩監督は「教練組組長」という立場で、選手たちを指導することになるだろう。

 また、孔令輝女子監督の借金スキャンダルの問題については、国家体育総局の卓球・バドミントン管理センターは「党紀に基づいて厳正に処理する」と発表している。この一件と劉国梁総監督の退任は直接的な関係はないが、劉国梁の総監督退任がなぜこのタイミングなのか、という疑問は残る。劉国梁が専任で総監督の座にあったのは、わずか3カ月足らずだった。
  • 世界選手権個人戦ドイツ大会での劉国梁総監督