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中国リポート

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 少し前のニュースになるが、10月2日、北京体育大学体育館で一風変わった対抗戦が開催された。国家チームの若手選手たちと、9月に行われた「第13回全中国運動会・群衆大会」の30~39歳代で上位に進出した草の根プレーヤーが対戦したのだ。午前中に卓球、午後にバドミントンの対抗戦が行われた会場には、数百人の観客が足を運んだ。

 ちなみに「第13回全中国運動会・群衆大会」は、全中国運動会の期間中の9月1~4日、天津中国民航大学で行われたもの。男女団体および30歳代・40歳代・50歳代・60歳以上の男女シングルス、計10種目が開催された。国家体育総局の苟仲文局長が提唱した、全中国運動会の「八大改革」のひとつだった。成績第一の競技スポーツ大会から脱却し、スポーツを再び大衆の手に、というところ。スポーツ界の現場の力を弱め、自らの影響力を高めようという意図も感じられる。

 ……それはそれとして、この草の根プレーヤーと国家チームの対抗戦は、なかなかユニークな試み。群衆大会の男子30~39歳代で2位の沈鵬さん、同3位の沈建宇さん、女子30~39歳代で優勝した趙磊さん、同2位の孟子チィさんという草の根のツワモノたちは、団体戦を行う前に北京の国家チームの練習場でトップ選手たちと汗を流し、国家チームのコーチから指導を受けてから対抗戦に臨んだ。

 国家チームからは、男子は王楚欽と周愷、女子は王曼昱と孫穎莎が出場。かり出された若手4人、「どれくらい本気でやったらいいんだろう……」と少々戸惑いながらも、男女団体と混合団体の3種目で5−0と完勝したが、随所に好ラリーが展開された。国家体育総局の卓球・バドミントン管理センターの雷軍主任は、この対抗戦の意義について、「草の根の選手と競技スポーツの選手の交流を深め、全中国運動会での改革に引き続き、卓球による国民の健康増進を進めていきたい」と語っている。
  • 結構マジメにプレーしていた周愷(写真は17年全中国運動会)