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中国リポート

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 10月20〜22日、ベルギー・リエージュで行われた男子ワールドカップ。09年モスクワ大会のサムソノフの優勝を最後に中国選手がタイトルを独占してきたが、今大会はオフチャロフとボルというドイツ勢同士の決勝となり、オフチャロフが初優勝。世界王者の馬龍は、ボルに準決勝で敗れて3位に終わった。

 馬龍が3位決定戦を戦っているのを見て、何とも言えない違和感を感じた。かつて世界選手権では3位が定位置だった時期もあるが、ここ3年ほどはビッグゲームでは確実にタイトルを手にしてきた男だ。ただ、馬龍は全中国運動会の前から抱えていた右腕の故障に加え、ワールドカップ前の練習で腰の故障がぶり返し、練習はほとんどできていなかったという。

 アジアカップから採用された、ABS樹脂製の新しい紅双喜のボールも敗因のひとつに挙げられるが、最大の敗因はやはり調整不足だろう。ベンチに入った王皓コーチは「これだけ大会が多いと、すべての大会に理想的な状態で臨むのは難しい。ベストの調整ができれば、やはり馬龍が世界最高の選手だろう」と語っている。

 一方、微博(マイクロブログ)のアカウントを持ち、中国語でもコメントを発信しているボルは、微博でのこんなコメントが反響を読んでいる。

 「本当に誇りに思っているよ、こんな重要な大会で、中国のトップ選手にふたり続けて勝つことができるなんて。中国のファンの皆さんが、ぼくを許してくれることを願っているよ。今回は決勝で負けても、そんなにショックはなかったね」

 2005年に行われた男子ワールドカップで、王励勤・馬琳・王皓を連破して優勝したのはもう12年も前。ボルという選手の偉大さを改めて感じるが、12年前の開催地も同じベルギー・リエージュだったのは興味深い。まさに中国語で言うところの「福地」、幸運の地なのだ。