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中国リポート

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 3月20日からドイツ・ブレーメンで行われているITTFワールドツアー・ドイツオープン。ワールドツアー最上位の「プラチナ」6大会のひとつで、各国とも主力選手を派遣する中、中国女子は主力メンバーを外し、ベテランと若手を中心に12名をエントリー。そのうち、3名が出場をキャンセルした。王曼昱、馮亜蘭、そして孫銘陽だ。
 この3名のうち、王曼昱は代表選考会で初めて世界選手権の代表権を獲得し、集合訓練に専念。馮亜蘭は代表選考会で右の足首を傷めた。残るひとり、孫銘陽はなぜエントリーを外されたのかというと、今月上旬に行われたITTFワールドツアー・カタールオープンにその原因があるという。

 今年の年明け早々、1月5日に発表された『中国卓球協会・2018年国際大会派遣選手選抜規定』。代表選考基準の部分を主に紹介したが、実は7番目の項目として、「処罰」についての4つの規定が明記されていた。そのひとつ目の規定が「ツアー大会の予選グループを通過できなかった選手、あるいは決勝トーナメントの1回戦で他の協会の選手に敗れた選手は、次のツアー大会にエントリーされていた場合、その大会については出場停止となる」というもの。孫銘陽はカタールオープンの女子シングルスで、日本の橋本帆乃香選手に2−4で敗れてグループ2位となり、予選グループを通過できなかった。そのため、今回でのドイツオープンへのエントリーを外されてしまったのだ。

 ワールドツアーのプラチナ大会はもともと予選リーグからレベルが高いうえ、世界ランキングのシステムが変わってからまだ日が浅く、実力に比べてランキングが低い選手もまだ多くいる。なにしろカタールオープンの予選グループには、五輪&世界女王の丁寧が出ていたくらいなのだ。ひとつでも多く国際大会に出て、実力をアピールしたい中国の若手選手にとって、この処罰規定は大きなプレッシャー。決勝トーナメント1回戦で他協会の選手に敗れるというのも、主力クラスであっても十分にあり得ることだ。
  • カタールオープンでの孫銘陽のプレー(写真提供:ITTF)