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中国リポート

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 中国卓球協会(CTTA)は1月20日、ITTFワールドツアー・ハンガリーオープンに出場していた周雨に対し、国際大会への3カ月の出場停止処分とすることを発表した。担当コーチの馬俊峰も国際大会への1カ月の派遣停止となった。

 すでに国際卓球連盟(ITTF)もニュースで報じたが、周雨はハンガリーオープン・男子シングルス決勝トーナメント1回戦の荘智淵(チャイニーズタイペイ)戦、ゲームカウント2−2の第5ゲームを6−11で落としたあと、副審の目の前でフォア面の粘着ラバーを半分ほど剥がし、スペアラケットへの交換を申し出た。

 しかし、ITTFハンドブックの条項3.4.2.4には「試合中、アクシデントによって使用不能なほど破損した場合を除き、ラケットを交換することはできない」とあり、選手が故意にラケットを破損した場合はスペアラケットへの交換は認められない。また、条項3.5.2.5では「もし選手が試合中、彼もしくは彼女のラケットを破損していないにもかかわらず交換した場合、審判は試合を中断させ、審判長に報告する」と定められており、報告を受けたマルタ・シリー審判長の判断で、アンフェアな行為に及んだ周雨は失格処分となった(他種目への出場は可)。

 この周雨対荘智淵戦の模様はITTFの『itTV』でもストリーミングされたが、周雨は失格処分となったことに対し、両手を広げて審判長に質問を繰り返しており、自らの行為がルールに抵触するという認識はなかったようだ。中国卓球協会の方針転換により、ワールドツアーにはより多くの選手が出場し、チャンスが平等に与えられるようになったが、周雨はチャンスの芽を自ら摘んでしまっただけでなく、3月のカタールオープンにも出場できなくなった。

 精悍(せいかん)なルックスと豪快な両ハンドドライブで、中国でも女性ファンが少なくない周雨。今シーズンはスーパーリーグでも好成績を残しているだけに、今回の処分は残念だ。
  • 周雨、ルールを理解していなかったのだろうか……(写真は17年ジャパン・オープン)