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中国リポート

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 8月8日から中国・海南省陵水では、延期になった東京オリンピック・卓球競技と全く同じ開催種目・日程で行われる『備戦東京(ベイジャントンジン)・2020中国卓球チーム・オリンピックエキシビションマッチ』がスタートしている。お伝えするのが遅くなってしまいましたが、8月10日には16ペアが出場した混合ダブルスが決勝まで行われ、最初の金メダルペアが誕生した。

 すでに男女シングルスなどもスタートしているが、まず混合ダブルスの結果からお伝えしましょう。東京五輪出場がほぼ確実視されていた馬龍・許シン・樊振東をはじめ、主力選手が勢揃いした男子に対し、女子は丁寧と劉詩ウェンが故障の影響で欠場、朱雨玲も開幕直前に体調不良によって欠場が発表された。そのため、混合ダブルスの世界チャンピオンペア、許シン/劉詩ウェンは出場できず、許シンのパートナーに選ばれたのは孫穎莎。劉詩ウェンは6月に右ひじの手術を受け、リハビリは順調と伝えられていたが、まだ万全とは言えないようだ。混合ダブルス1回戦から決勝までの結果は下記のとおり。

●混合ダブルス1回戦
樊振東/陳夢 6、−11、7、8、7 曹巍/張瑞
梁靖崑/顧玉ティン −10、7、6、3、−12、8 張煜東/李佳イ
徐晨皓/王芸迪 6、−8、4、−8、12、10 方博/張薔
王楚欽/王曼昱 8、−6、7、10、6 于子洋/木子
許シン/孫穎莎 7、7、−6、6、3 周雨/馮亜蘭
林高遠/孫銘陽 5、1、−8、−11、−9、4、9 劉丁碩/銭天一
薛飛/劉煒珊 −10、−7、4、12、4、7 侯英超/劉斐
周啓豪/陳可 −8、6、7、12、7 趙子豪/陳幸同

●準々決勝
樊振東/陳夢 6、−11、8、4、−7、7 梁靖崑/顧玉ティン
王楚欽/王曼昱 −9、8、8、−4、−1、9、6 徐晨皓/王芸迪
林高遠/孫銘陽 5、−8、−7、8、4、11 周啓豪/陳可
許シン/孫穎莎 −9、5、8、−7、−4、4、4 薛飛/劉煒珊

●準決勝
王楚欽/王曼昱 4、−7、−9、8、8、8 樊振東/陳夢
許シン/孫穎莎 10、−7、6、9、−12、−13、6 林高遠/孫銘陽

●銅メダル決定戦
林高遠/孫銘陽 −4、−2、7、1、13、9 樊振東/陳夢
●決勝
許シン/孫穎莎 −9、6、−8、8、10、9 王楚欽/王曼昱

 優勝したのは許シン/孫穎莎。ほぼ11歳の年の差があるふたりが、苦戦の連続を見事に乗り切った。許シンは「決勝では互いにミスも出たけれど、ぼくと孫穎莎のほうがコミュニケーションを取り、互いに励まし合う場面が多かった。コンビネーションという点でぼくらのほうがより優れていた」とコメントし、ペアリングの良さを認めている。劉詩ウェンに比べると孫穎莎はプレー領域がやや中陣寄りで、ラリーが続きやすいが、男子選手のプレーへの対応力という点では劉詩ウェンを上回るか。

 ちなみに出場した16ペアは、中国代表として東京オリンピックに出場する可能性がある許シン/孫穎莎、樊振東/陳夢を除くと、ほぼすべてのペアが海外の強豪ペアを想定している。公表されていないが、下記のような想定になるだろう。

●右シェーク男子×左シェーク女子(仮想:李尚洙/田志希、フランチスカ/ゾルヤ)
梁靖崑/顧玉ティン、劉丁碩/銭天一、周啓豪/陳可
●左シェーク男子×右シェーク異質女子(仮想:水谷隼/伊藤美誠)
林高遠/孫銘陽、于子洋/木子、曹巍/張瑞
●左シェーク男子×右シェーク女子(仮想:林昀儒/鄭怡静)
王楚欽/王曼昱、周雨/馮亜蘭
●右ペン男子×右シェーク女子(仮想:黄鎮廷/杜凱琹)
趙子豪/陳幸同、薛飛/劉煒珊

 李尚洙/田志希を想定したペアには、李尚洙のような強打者タイプの梁靖崑や劉丁碩、周啓豪を組み合わせ、仮想:水谷隼はテクニックがあって中陣でもプレーできる林高遠や于子洋。なかなかよく考えられている。そして日本ペアを想定した林高遠/孫銘陽が、3位決定戦で樊振東/陳夢を破って銅メダルと、本家に違わぬ実力を見せた。男女シングルス・団体の結果も、引き続きお伝えします。
(写真提供:『ピンパン世界』)
  • 許シンがいればどのペアでも勝てる? 許シン/孫穎莎が優勝

  • 11歳の歳の差ペアを、許シンがリードした

  • 王楚欽/王曼昱は樊振東/陳夢を下して準優勝

  • 「仮想・水谷/伊藤」の林高遠/孫銘陽は大健闘の3位

  • 大型選手の孫銘陽だが、ずっと見ていると美誠ちゃんに……見えてくる?