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中国リポート

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 世界選手権団体戦・広州大会の男子予選グループ、初戦でA.フィリモン(ルーマニア)に1-3で敗れた王励勤。中陣からブンブン振り回してくるフィリモンのバックドライブに、調子が上がり切らないまま敗れた。
 王励勤が世界選手権のシングルスで敗れるのは、実は久しぶりのこと。彼は2003年の世界選手権個人戦・パリ大会準々決勝でシュラガーに敗れて以来、このフィリモン戦まで一度も負けていなかったからだ。王皓が世界選手権の団体戦でいまだ無敗、18連勝中であることは先に述べたが、王励勤の記録はさらにその上を行く。その連勝街道を一気に掲載すると…。

[2004世界選手権団体戦-ドーハ大会] 7勝0敗
 3-0 バリン(フランス)
 3-2 遊澤(日本)
 3-0 陳衛星(オーストリア)
 3-2 シュラガー(オーストリア)
 3-1 柳承敏(韓国)
 3-0 ロスコフ(ドイツ)
 3-1 フェイヤーコナート(ドイツ)
[2005世界選手権個人戦-上海大会] 7勝0敗
 4-1 マゴチ(南アフリカ)
 4-0 スッフ(ポーランド)
 4-0 ベンツェン(デンマーク)
 4-3 李静(中国香港)
 4-2 陳杞(中国)
 4-1 呉尚垠(韓国)
 4-2 馬琳(中国)
[2006世界選手権団体戦-ブレーメン大会] 9勝0敗
 3-0 クリサン(ルーマニア)
 3-0 ハイスター(オランダ)
 3-1 メイス(デンマーク)
 3-0 ルンクイスト(スウェーデン)
 3-0 ボボチーカ(イタリア)
 3-1 エロワ(フランス)
 3-0 ズース(ドイツ)
 3-2 ボル(ドイツ)
 3-2 柳承敏(韓国)
[2007世界選手権個人戦-ザグレブ大会] 7勝0敗
 4-0 江宏傑(チャイニーズタイペイ)
 4-0 P.セイブ(ベルギー)
 4-0 劉松(アルゼンチン)
 4-0 侯英超(中国)
 4-0 ハオ帥(中国)
 4-3 柳承敏(韓国)
 4-3 馬琳(中国)
[2008世界選手権団体戦-広州大会]
×1-3 フィリモン(ルーマニア) →シングルスの連勝ストップ

 なんと04年ドーハ大会から、勝ちも勝ったりシングルス30連勝。…調べてみて初めてわかったことだ。
 かつては「ガラスのハート」の持ち主と言われ、団体戦ではメンバーを外されることも多かった王励勤。01年世界選手権大阪大会では、決勝戦でベンチに入ることすら許されず、観客席からひとり優勝に歓喜するチームメイトを見つめていた。03年世界選手権パリ大会準々決勝のシュラガー戦も、勝利を9割9分手中にしながら、まさかの大逆転負け。そのせいか、世界選手権で3回の優勝を果たしてなお、王励勤のチャンピオンとしての風格は、まだ先輩の劉国梁や孔令輝に及ばない印象がある。しかし、この4年間の世界選手権での成績は、中国男子チームの大エースの名に恥じないものだ。
 彼に足りない最後の1ピース。それはもちろん、北京五輪でのシングルスの金メダルだろう。

 Photo上:01大阪大会では、団体戦での屈辱をバネにシングルス初優勝。試合後のベンチで涙する
Photo中:03パリ大会準々決勝ではシュラガーに失意の逆転負け
Photo下:広州大会ではフィリモンに敗れたものの、その後再び7連勝。自信満々の戦いぶりでチームを優勝へ導いた