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中国リポート

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 9月3日、広東省深セン市を訪問中の国家卓球チームは、広東省政府、不動産業大手の京基集団と合同で「一切為了災区孩子(すべては被災地の子どもたちのために)」と題したチャリティオークションを開催した。

 四川大地震で被害に遭った子どもたちへ、義援金を募る目的で開催されたこのオークションには、北京五輪で金メダルを獲得した馬琳や張怡寧もサイン入りラケットを出品。馬琳のサイン入りラケットには11万元(約165万円)という高値がついた。その他にも男子選手3人、女子選手3人のサイン入りラケット、そして代表6選手全員のサイン入りラケットも出品され、オークションは次第に白熱。6選手全員のサイン入りラケットはなんと120万元(1,800万円)で落札された。落札者は開会式で聖火の最終点火者を務め、宙に舞った「体操王子」こと李寧氏だ。

 そしてオークションのクライマックスは、各国の選手やコーチのサインが入った、北京五輪の決勝で使用された卓球台の出品。60万元からスタートしたプライスは10万元の単位で瞬く間に跳ね上がり、結局330万元(約4,950万円)で「香港の玩具王」として有名な実業家の蔡志明氏が落札した。

 中国卓球チームは世界選手権などのビッグゲームの後で、たびたび今回のようなチャリティオークションを行っており、卓球選手が福祉活動、慈善活動に登場する場面も非常に多い。もちろん、選手一人ひとりが自発的に行っているケースは少ないだろう。しかし、そのような活動を続けていくことが、選手たちの心の中に「国を代表して戦う」意識が育つ一因になるのかもしれない。
 この夜だけで集まった1220万元、1億8千万円あまりの義援金は、四川大地震で大きな被害を受けた甘粛(かんしゅく)省の被災地で、学校の建設費に充てられる予定となっている。

Photo:自身のサイン入りラケット、落札額を「1万元くらい」と予想していた馬琳。実際はその11倍の値段で落札された