スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 皆様、大変ご無沙汰を致しました。すでに1カ月あまりに及ぶ集合訓練を終え、大会前の最終調整を行うイギリス・リーズへ到着している国家男女チーム。集合訓練の締めくくりとして行われた、男女チームの「熱身賽(エキシビションマッチ)」の結果をお伝えします。

 7月9~11日に四川省成都市で行われたこのエキシビションマッチ。卓球台からフロアマット、使用球から照明の明るさに至るまで、すべてロンドン五輪本番に合わせる徹底ぶり。エキシビションマッチの時だけでなく、男女チームとも集合訓練の段階から、五輪本番と全く同じ環境で訓練を積んでいる。卓球人には少々違和感のある、スカイブルーのフロアマットにも、すでに対応済みというわけ。前半の2日間でシングルス、最終日に団体を行うタイムテーブルも五輪と同様だ。
 シングルスは男女ともA組とB組のふたつのグループに分け、ふたりの優勝者が誕生した。主な結果は以下のとおり。

★★★ “国酒茅台杯” 中国卓球チーム五輪エキシビションマッチ ★★★

〈男子シングルス〉
[A組]
●1回戦

張継科 4-2 劉イ
閻安 4-1 馬琳
馬龍 4-1 尚坤
●準決勝
張継科 4-2 徐晨皓
馬龍 3、9、5、-8、5 閻安
●決勝 馬龍 9、-10、10、-8、-9、9、9 張継科

[B組]
●1回戦

王皓 4-1 馬特
●準決勝
王励勤 -5、8、9、-5、7、10 王皓
●決勝 許シン 4-1 王励勤

<男子団体>
●準決勝

〈奥運主力隊 3-1 国家四隊〉
※国家四隊の方博/閻安ペアが3-1で張継科/馬龍ペアに勝利
●決勝
〈奥運主力隊 3-0 国家二隊〉

○馬龍 -9、9、-8、7、4 許シン
○王皓 7、-9、5、9 馬琳
○王皓/張継科 8、8、-5、8 王励勤/許シン

 …詳細な記録がなく、なんとも中途半端な記録でスミマセン。
 まず男子シングルスでは、A組の決勝で馬龍と張継科のライバル対決が実現。全くスコアが離れないシーソーゲームとなり、張継科が最終ゲーム2-5から5点連取で7-5と逆転したが、最後の最後でプレーが消極的になった。9-8から馬龍に3点連取を許し、惜敗。最後はフォア前へのサービスに対するレシーブが浮き、馬龍に豪快な3球目シュートドライブで打ち抜かれた。
 「五輪でのプレッシャーは誰にでもあるものだし、心身のバランスを保つことが最も大事。気持ちを静め、雑念を払って試合に向かうだけだよ」と試合後に語った張継科だが、初出場のロッテルダム大会で見せた思い切りの良いプレーが、果たしてロンドンで見せられるのか。五輪の前年に行われた世界選手権の優勝者が、翌年の五輪を制したケースは、男子ではまだない。

 一方、男子シングルスB組で周囲を心配させたのが王皓。近年は圧倒的に分の良かった王励勤に敗れた。女子シングルスでは丁寧と李暁霞が、A・B組でそれぞれ優勝しているため、ロンドン五輪のシングルス代表でタイトルを逃したのは王皓だけ。コートサイドから鋭い視線で試合を見つめた劉国梁監督は「王皓は技術面では問題はないが、大力(王励勤)の状態が素晴らしかった。プレッシャーに打ち勝つメンタルの強さが、まだ王皓には足りない」と述べている。プレーヤーとしては下り坂に差し掛かりつつある王皓、3回目の出場となるロンドン五輪は、まさにラストチャンスだ。

 小さいニュースとしては、五輪2連覇への道が絶たれた馬琳が、今回の集合訓練で82kgから72kgへ、10kgの減量に成功したとのこと。食事を果物メインにした「フルーツダイエット」だそうだが、これはセカンド・ライフのための布石か? 体が軽くなりすぎたせいか、肝心のプレーはまったく冴えがなかった。

Photo上・中:張継科(上)、やはり馬龍(中)は天敵か
Photo下:馬琳、ダイエットは少々遅すぎた…?