スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 ロンドン五輪の卓球競技が閉幕してすでに1カ月余り。しかし、日本のみならず中国でも、メダリストたちの多忙なスケジュールはまだまだ続いている。

 男子シングルス金メダリストの張継科は、国家卓球チームの奉仕活動や対スポンサーのイベント、山東省体育局の報告会など、様々な行事に引っ張りだこ。やはり金メダリストの人気は絶大で、スポンサーなども必ず「イベントには必ず張継科を来させてくれ」と注文してくるのだそうだ。あまりの忙しさに加え、練習不足で筋肉が落ちたことで体重が3キロも減ってしまったという。
 「確かにすごく疲れてるよ。何かと緊張することも多いしね。でも、ぼくたちには時間の許す限り、スポンサーの要求に応える義務がある。彼らは国家チームに多くのお金を払い、そして支持してくれているわけだから」(張継科/出典『山東新聞網』)。男子ワールドカップは欠場する張継科だが、9月13日以降にようやく練習を再開する予定だそうだ。

 女子シングルス金メダリストの李暁霞も、イベント攻めで1日に飛行機に二回乗る日もあるというから、まるで政治家並みだ。女子団体決勝が終わってから、まだ一度もラケットを握っていない。「イベントや社会活動に参加するのは、練習や試合とは違った疲労感がありますね」(李暁霞)。飛行機の乾燥した機内でのどを傷めることが多く、あちらこちらと連れ回されるため、五輪前から抱えていた右ひざの故障も思わしくないという。張継科と同様、こちらも女子ワールドカップは早々にキャンセルしている。

 今シーズンの中国超級リーグの開幕は10月17日。まだメンバーは正式に発表されていないが、両選手とも所属する山東魯能では絶対的なエース。決して替えの効かない選手だ。昨シーズン、張継科はプレーオフ・準決勝の浙商銀行戦で左ひざを負傷し、途中棄権でチームの敗退が決まってしまっただけに、五輪金メダリストとなっても超級に懸ける思いは強いだろう。李暁霞は超級3連覇を目指すことになるが、男子以上に各クラブの選手層は厚く、油断のできない戦いが続く。

Photo上:張継科、自慢の肉体美もトレーニング不足には勝てない?
Photo下:「早く練習を再開したい」と李暁霞