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中国リポート

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 驚異的な経済成長には陰りが見られるとはいえ、サッカーの超級リーグに大物選手が次々と加入するなど、その威力を発揮している「チャイナマネー」。ロンドン五輪で金メダリストになった選手たちには、サラリーマンには一生かかっても稼げないほどの大金が舞い込む。

 五輪でメダリストになれば、まず国家チームや所属する省・市から多額の報奨金が贈られる。日本でも競技連盟や協会から報奨金が出る仕組みになっているが、中国の場合は大企業がスポンサーにつくため、その総額は日本の比ではない。最も報奨金が手厚い広東省の場合、五輪の金メダリストには報奨金500万元(約6250万円)と高級車1台が贈られるという。
 その他にも、選手個人が企業とスポンサー契約を結んでいれば、そのスポンサーの企業からも報奨金が出るし、地元の企業から報奨金や車、マンションが贈られるケースもある。

 『西安晩報』の記事によれば、ロンドン五輪の卓球男子シングルスで優勝した張継科への報奨金の総額は920万元(約1億1,500万円)に上るという。これは中国のスポーツ選手の中でもトップクラスの数字だ。
 まず国家チームからの報奨金は、国内有数のビール会社である燕京ビール集団がスポンサーとなり、男子シングルスの金メダルに50万元。男子団体は1チームに100万元で、3人に分割される。出身の山東省からは金メダル1枚につき100万元、青島市からも多額の報奨金が贈られ、国・省・市の報奨金の合計額は500万元(約6250万円)に達する。

  さらに張継科には地元青島市の不動産会社から、海沿いの1部屋120平方メートルの高級マンション、およそ300万元相当が贈られている。ただし、こちらはまだ建設中で、セレモニーで大きな鍵のレプリカを受け取っただけだ。
 そして香港の実業家・霍英東(故人)が創設した霍英東体育基金から、金メダリストひとりずつに重さ1キロの純金のメダルと8万ドル(米ドル)の報奨金。香港のアパレルメーカー「金利来 Goldlion」の創業者、曾シェン(うかんむり+先)梓氏の曾シェン梓体育基金から、金メダリストひとりあたりに約40万元。

 ……列挙するだけでため息が出てしまう金額。メダルの有無とメダルの色が、選手たちの人生を変えてしまうのだ。

photo:張継科、文字どおり値千金の金メダルとなった