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中国リポート

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 今年は10月17日に開幕が予定されている『2012-2013中国卓球クラブ超級リーグ』。前回のオリンピックイヤー、2008年には第1ステージの全18節(全10チームが2回ずつ対戦)を半分の9節に短縮し、その年のうちに閉幕させるという強引な日程だったが、今年は年をまたいで2013年1月27日に閉幕する。

 コロコロ変わるクラブ名と、直前までオープンにされない日程と会場。そして入れ替え戦が終わると1年間休眠状態に入るホームページ。中国の卓球雑誌『ピンパン世界』の辺玉翔記者に問い合わせてみても、メディアの取材申請を含め、「成り行きを見守るしかないでしょう」とのこと。開幕してみたらクラブ数がひとつ減っていた、なんてこともザラだが、それでも「世界最高レベルの国内リーグ」であることだけは疑いの余地はない。

 現在のところ伝わっている、超級リーグに関するニュースを幾つかお伝えしよう。まず、今シーズンは本来なら「摘牌会議(ドラフト会議)」が行われるはずだが、今年から制度が変わり、摘牌会議は終了。選手の希望、そしてクラブ間の協議によって、ある程度自由に移籍ができるようになった。

 現時点で、すでに郭躍(遼寧大連・新衡業上方)が八一解放軍へ、移籍金400万元(約5千万円)の4年契約で移籍。来年は鞍山市で全中国運動会・卓球競技が行われる遼寧省、女子チームの絶対的エースの流出は、卓球競技を盛り上げる上でもマイナスになりそう。常晨晨・文佳の両サウスポーに18歳の李佳イを加えた陣容だが、上位を狙うのは厳しい。
 また、男子では浙商銀行がスポンサー撤退の憂き目にあっている。もともと天津市チームを母体としたクラブだったが、今シーズンは本来の地元である天津市でスポンサーを獲得し、新たなスタートを切る。天津市チームはエース馬琳を残留させることを目指していたが、馬琳は郭躍と同じく400万元の移籍金で江蘇省チームへ移籍した。元祖「優勝請負人」の馬琳、キャリアをスタートした八一工商銀行を振り出しに、これが7つ目の所属クラブとなる。

 昨シーズンの優勝クラブが消滅。プロスポーツの世界では異常事態というほかないが、「やっと優勝できたし、名前も売れたし、もういいか」というのがスポンサーの本音か。超級リーグ、まずはクラブのメンバーと日程発表が待たれる。

photo上:ちなみに馬琳のクラブ遍歴は、八一工商銀行(〜01)→山東魯能(02)→広東全球通(03-04)→陝西銀河国梁(05-06)→寧波北侖海天(07)→浙商銀行(08-09)→寧波北侖海天(10)→浙商銀行(11)→江蘇省チーム
photo下:郭躍、遼寧省チームは4年後の復帰を希望しているが、それまでプレーを続けられるだろうか