スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 10月6〜14日に行われた「2012全国卓球選手権」。詳細な記録が少なくて恐縮ですが、女子団体の結果は以下のとおりとなった。

★女子団体
●準々決勝
〈解放軍 3−1 山東省〉

※李暁霞 1−3 楊揚、李暁霞 2−3 木子
〈遼寧省 3−1 江蘇省〉
〈四川省 3−2 広東省〉
〈北京市 3−1 山西省〉

●準決勝
〈遼寧省 3−2 解放軍〉
〈北京市 3−0 四川省〉

○丁寧 7、5、6 聶維
○郭炎 9、−2、6、−4、8 朱雨玲
○盛丹丹 7、10、9 李茜
●3位決定戦
〈四川省 3−2 解放軍〉


●決勝
〈遼寧省 3−2 北京市〉

 文佳 4、−10、−7、−7 郭炎○
○常晨晨 4、8、7 丁寧
 李佳イ 9、−7、−11、7、−6 盛丹丹○
○文佳 10、9、7 丁寧
○常晨晨 9、−8、−6、6、15 郭炎

 エース郭躍を首の故障で欠いた遼寧省チームが、決勝で優勝候補筆頭の北京市チームとの激戦を制し、下馬評を覆す優勝を果たした。
 男子にも増して、五輪代表の調整不足が際立った女子団体。ロンドン五輪金メダリストの李暁霞は準々決勝の解放軍戦で、格下の楊揚と木子に連敗。世界ランキングを14位まで上げている陳夢もトップで木子にストレート負けを喫し、山東省はベスト8止まりに終わった。広東省もエース劉詩ウェンの2点獲りもむなしく、四川省に敗れている。

 そして決勝は、準決勝ラストで常晨晨が楊揚にストレート勝ちした遼寧省と、実力どおりに決勝へと駒を進めた北京市の対戦。スコアを見てもわかるとおり、北京市のエース丁寧が常晨晨・文佳とのサウスポー対決でまさかのストレート負け。「ロンドン五輪が終わってから、ずっと計画的な練習ができていません。試合ではかなり消耗する感じで、技術や戦術もあまり良くない」と試合後の丁寧。ラスト郭炎は常晨晨に対し、第5ゲーム1−8のビハインドから驚異の粘りで追いつきながら、惜敗した。「全力でプレーしたけど、体調をベストの状態に持ってくることができなかった」(郭炎)。

 王楠が健在だった07年大会以来、5年ぶりの優勝を果たした遼寧省は、超級リーグでの郭躍の移籍が良いカンフル剤になったのかもしれない。特に常晨晨の活躍は目覚ましい。前陣を死守し、両ハンドのカウンターで攻めるプレーは、チームメイトの郭躍や文佳に通じる「遼寧スタイル」だが、ボールタッチが柔らかく、凡ミスは非常に少ない。神戸で行われた04年世界ジュニア決勝で劉詩ウェンを破り、優勝したことは卓球ファンの間でも遠い記憶のかなただろう。
 「練習は非常に真面目にやるが、試合になると力が出せない。メンタルのもろさが出る」。遼寧省女子チームの谷振江・前監督にそう評されていたガラスの左腕は、ここから奇跡の代表復帰を果たせるだろうか。

 それにしても、選手たちのモチベーションが上がらないのを差し引いても、五輪代表クラスがこれほどコロコロとやられてしまうとは……。中国女子の層の厚さには恐れ入るばかりだ。

photo上:大会後、『遼寧晩報』のインタビューに対し、「自分に自信がついたと感じる」と答えた常晨晨
photo下:調整不足を露呈した丁寧、超級リーグの序盤戦も苦しい戦いになりそう