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中国リポート

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 2012全国卓球選手権、最後に個人戦の結果をお伝えしましょう。またも大雑把な記録で申し訳ありませんが、個人戦5種目の主な結果は下記のとおり。

★男子シングルス
※馬龍は棄権
●3回戦(ベスト8決定戦)
劉吉康(遼寧省) 4−3 陳杞(江蘇省)
周雨(解放軍) 4−1 馬琳(広東省)
閻安(北京市) 4−3 許シン(上海市)
●準決勝
周雨(解放軍) 6、7、−4、6、−9、8 張継科(山東省)
方博(山東省) 14、−7、5、9、8 ハオ帥(天津市)
●決勝
周雨(解放軍) 2、5、11、−8、8 方博(山東省)

★女子シングルス
※郭躍、李暁霞、丁寧、劉詩ウェン、郭炎は棄権
●3回戦(ベスト8決定戦)
趙岩(江蘇省) 4−3 陳夢(山東省)
●準決勝
曹臻(解放軍) 9、−9、8、4、−8、4 趙岩
楊揚(解放軍) −8、9、9、2、−5、10 范瑛(江蘇省)
●決勝
曹臻 9、10、10、8 楊揚

★男子ダブルス決勝
王励勤/許シン(上海市) キケン 張継科/方博(山東省)
★女子ダブルス決勝
曹臻/木子(解放軍) 11、−6、6、−8、6、−6、9 陳夢/顧玉ティン(山東省)
★混合ダブルス決勝
馬龍/丁寧(北京市) 6、−4、13、−5、3、−10、11 ジャイ一鳴/常晨晨(遼寧省)

 男子シングルスは、丁寧との混合ダブルスで優勝した馬龍が棄権。団体戦の終了後、「ずっと練習量が落ちていたのに加え、試合続きで体に負担がかかっている。シングルスに出るかどうかはコーチと相談する」と語っていたが、大事を取ったようだ。また、女子シングルスに至っては郭躍、李暁霞、丁寧、劉詩ウェン、郭炎と世界団体戦ドルトムント大会の代表5人が揃って棄権。レベルが大幅に低下したが、悲しいかなこれが全国選手権のステータスなのだ。

 混戦の男子シングルスを制したのは、20歳の左シェークドライブ型・周雨。3回戦で馬琳、準決勝で張継科と五輪金メダリストを連破し、決勝ではこれまで分が悪かったという方博に完勝した。「(今回の優勝は)まだスタートラインに立ったに過ぎないよ、これからも試合はたくさんある。ただ、その出発点としては、今日はとても良い日になったと思う」(周雨)。
 周雨はもともと江蘇省の出身だが、江蘇省ではジュニアチームに入ることができず、わずか8歳で河南省濮陽市の中国卓球協会・濮陽卓球実験学校に入学。次第に頭角を現し、2007年10月に国家2軍チーム、2010年12月に国家1軍チーム入りを果たした。同じく2010年に人民解放軍チームの一員となってから、さらに目覚ましい成長ぶりを見せている。

 ……それにしても今回の周雨の優勝、「獅子をまだ起こしてほしくなかった」というのが正直な感想だ。長身を利して、中陣からでも一発で打ち抜く両ハンドのパワー、特にバックドライブの威力はすさまじく、プレーのスケールは先輩の陳杞をはるかにしのぐ。「周雨」と聞くと何だか雨がぼそぼそ降っているみたいだが、そのプレーはまるで暴風雨。アスリートとして申し分ない身体能力と、中国卓球界の顔になりうる精悍なルックス。超級リーグでのプレーも楽しみだ。

 ※周雨対方博の男子単決勝の動画はコチラ(youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=cJpeNLqq5cM&feature=player_embedded

 トップ選手不在の女子シングルスは曹臻が制した。2008・2010年大会では準優勝に終わっていたが、悲願の初優勝。男子ダブルス決勝で、シングルス2回戦の尹航戦で右足を傷めるなど満身創痍だった張継科が棄権したため、女子ダブルスと女子シングルスの決勝が連続して行われる強行軍だったが、見事2冠を達成した。世界団体選手権の代表メンバー5人に次ぐ「No.6」の実力を証明し、女子シングルスの決勝後には「国家チームの主力選手は棄権したけど、トーナメントを見ると実力のある若手が多かった。1試合1試合頑張るだけだと自分に言い聞かせた」と語った。

 …し、しまった。昨日17日に中国超級リーグが開幕してしまいました。開幕戦の結果はまた明日!

photo上:末恐ろしい20歳、周雨(ジョウ・ユ)
photo中:馬龍によく似たタイプの方博は2位
photo下:曹臻、初優勝成る!
(写真は上から10年世界ジュニア、09年世界ジュニア、11年世界選手権)