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中国リポート

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 オランダ代表としてリオデジャネイロ五輪・卓球競技に出場したリー・ジャオ(中国名:李校)。リオ五輪後の去就については「未定」としていたが、今大会を最後に第一線を退くことを発表した。

 リー・ジャオが現役引退のコメントを発したのは、ちょっと意外なところ。中国・CCTVのリポーターとして中国チームに帯同している李武軍氏の微博(マイクロブログ)だ。スマートフォンで撮影された本人の映像で、リオ五輪後の現役引退、そして引退後はオランダ男子チームの監督を務めることを語っている。男子監督としての契約期間は東京五輪までとのこと。

 今年で43歳のリー・ジャオは、中国・山東省青島市の出身。中国でプレーしていた頃は省チーム止まりで国家チームから声がかからず、21歳で現役引退。出身チームである青島市二体で5年間コーチを務めていたが、プレーヤーとしての夢断ちがたく、1999年にオランダに渡った。

 04年からはオランダ代表として国際大会に出場し、05年世界選手権でベスト8に入って注目を集め、07・11年ヨーロッパ選手権優勝、12年ロンドン五輪ベスト8、15年ヨーロッパ競技大会優勝など数多くの実績を残した。昨年の女子ワールドカップで朱雨玲(中国)を沈めるなど、現役バリバリのシェークドライブ型にも対抗できる、多彩なショートとプッシュ。3球目のパワードライブもコースが厳しく、威力にあふれていた。

 今回のリオ五輪では、シングルスでリュウ・ジャ(オーストリア)に敗れてベスト32、団体もオーストリアに1回戦で敗れたリー・ジャオ。試合中もコートサイドでも表情豊かで、人間的にも魅力的な一面を持っていた。日本女子にとっては怖い選手がひとり減ることになるが、やはり寂しさはある。彼女ならきっと、プレーヤーの苦悩がわかる指導者になれるだろう。低迷するオランダ男子に活力を与えてほしい。
  • まさに名人芸だったバックショート、今年3月の世界選手権団体戦でのプレー

  • リオ五輪で観客からの「自撮り」に気軽に答えるリー・ジャオ(写真提供:ITTF)