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中国リポート

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 17日7時30分(日本時間)から行われたリオ五輪・卓球競技の女子団体決勝で、ドイツを3ー0で破って3大会連続の「完全優勝」を果たした中国。トップに出場し、ハン・インのカットを打ち砕いてチームの勝利に貢献した李暁霞が、試合後に自身の微博(マイクロブログ)を更新。これまでもたびたびコメントしていたとおり、今大会限りでの現役引退を宣言した。「天下没有不散的宴席(この世に終わらない宴はないのです)」で始まるこの引退声明の全文を紹介しよう。

 「この世に終わらない宴はないのです。私を育ててくれた国家に感謝していますし、私もその恩に報いるために全力を尽くしてきました。国家チームのメンバーとして、晩節を汚すことなく任務を全うできた。いくつかの心残りはありますが、それは今後のより良い生活のためでしょう。人生はすべてが完璧というわけにはいきません。後悔もまた美しく、私は笑顔でそれと向き合うでしょう。

 私に多くのものをもたらしてくれた卓球に感謝します。(ロンドンからの)4年という時間はあっという間に過ぎました。この4年に経験した非常に多くのことが、私を絶えず成長させてくれた。ひねくれたり、うぬぼれたり、あきらめたり、失望したり……。そして私に多くの負担を強いたのはケガでした。毎日痛みを抱え、心が折れそうになったけど、涙を流しながらじっと耐えるしかなかった。それでも私は、それをくぐり抜けることができた。

 私を苦しめた人もいましたが、ともに成長することができたのだから感謝したいと思います。そして、皆さんからの絶え間ない応援とサポートに感謝したい。李暁霞という選手が、コートの中でも、コートの外でも、ポジティブなエネルギーを送っていたことを、どうか覚えていてください。そしてこの卓球というスポーツに引き続き声援を送り、中国チームのさらなる栄光を願ってください。

追伸:私はひとりの共産党員であり、祖国の栄誉は何よりも重いものです。もしチームが引き続き私を必要としてくれるなら、体が許す限り、そして家族が応援してくれる限り、私はこの栄光あるチームに(コーチとして)戻ることを、断るわけにはいかないでしょう」(李暁霞)


 今後については明言を避けながら、コーチとして国家チームに戻ることも視野に入れた李暁霞。同じ遼寧省鞍山市出身のライバルだった郭躍に比べると遅咲きだったが、トラブル続きで追われるように国家チームを引退した郭躍に比べ、五輪を花道に見事に競技人生を全うして見せた。今年3月の世界選手権団体戦での不安定なプレーから、リオ五輪では心身ともにベストに近い状態に戻してきたプロ根性はさすがだった。
  • 優勝を決め、後輩の丁寧・劉詩ウェンと笑顔を見せる李暁霞(写真中央/提供:ITTF)