弱点がなく高い性能。
これは意外にそれほど存在しない

水野コーチ

ヴェンタスを打てば打つほど、「弱点がない」ということに気づく。これはバランスの良さとも言えるが、実はこういうラバーはメーカーはあまり好まないと言う。

なぜなら、
「弱点がない。バランスが良い」
→「目立った特徴がない」

という印象になるからだ。
ウリにできる尖った特徴があったほうが、ユーザーに性能を説明しやすいが、「バランスが良い」では何が良いのか説明しづらいのだ。

だから「バランスが良い」ラバーは実はあまり存在しない。
ヴェンタスは数少ない代表例なのだ。


オールマイティに使えるラバーだが、気になるのは
チキータやカウンターなどの高度な技術

タクティブ渋谷店の水野コーチに使用してもらった。

いかがだろうか?
決して速くはないが、
チキータは余裕をもってネットを越えていく安心感がある。
そしてカウンターは強振しても落ちずに入っている。

「カウンターはラバーの力が大きい。滑ってしまうラバーだとカウンターはできません。落ちないラバーだから強く振っていけるんですよ」(水野コーチ)

水野コーチの技術力もあるが、カウンターは用具に頼る部分が大きい。


自身も使用していたという林コーチは語る。
「ヴェンタスは実は2.0mm が良いんですよ!」

林コーチ

トップコーチならば、MAX(特厚)を使うのが当然と思いがちだが、林コーチは2.0mm(厚)を推す。

「ヴェンタスはトップシートが軟らかく、スポンジもそれほど硬くないから食い込みやすい。だからラケットの感覚が伝わりやすいし、ラケットの硬さを活かせます。
2.0mm のほうが打球時にボールがラケットまで到達しやすいので、ドライブやミート打ちなどもすごくやりやすいし、ボールも走る。
正直、MAX よりも2.0mm のほうが弾む感覚があります。MAX はもう少しつかんでくれますが、球の飛び出しが遅く感じますね。だから私は個人的に2.0mm をオススメします」(林コーチ)


今までは知らなかったラバーかもしれない。
これを機に『ヴェンタス』を再認識していただければ幸いだ。

使えばきっと
あ、意外と良い。やるじゃんヴェンタス」

と納得するはずだ。

〈完〉

文=佐藤祐