卓球王国 2021年7月20日 発売 vol.292
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【アーカイブ】平亮太の 「用具観が変わる18の言葉」

<卓球王国別冊『卓球グッズ2018』より>

 

平亮太の

「用具観が変わる18の言葉」

in 2018

 

 

日本一用具にこだわる指導者は、

この人かもしれない。

埼玉・正智深谷高の平亮太監督は、

現役時代から人一倍のこだわりを

用具に注ぎ込んできた。

用具についての質問に対して、展開される本質的な用具論。

珠玉の言葉の数々を紹介しよう。

 

たいら・りょうた ●  1971年9月7日生まれ、鹿児島県出身。朝日中から埼工大深谷高に進み、2年の時にインターハイ優勝。高校3年時に89年世界選手権に出場。早稲田大を経て実業団のびわこ銀行、SC(スーパーサーキット)で選手として活躍した。05年に正智深谷高に赴任し、翌年から男女卓球部監督。女子卓球部はインターハイで3位5回、ベスト8に3回の入賞歴を誇る

 

現役時代、用具には

「メチャクチャ」こだわりました

 

現役時代、用具には非常にこだわっていました。桧単板のペンホルダーを使っていたのですが、ラケットは最初はダーカーの『スピード50』、バタフライと契約してからは『サイプレス-S』や『金擇洙』。一発の威力が出せるように重心がやや先端寄りで、叩いて高い音が出るやや硬めのもの。叩く場所によって音が変わらない、木目が揃っていて弾みも均一なものを選びました。弾みが落ちるので、長くても2年でラケットを替えていましたね。

ラバーは高校1年から『スレイバー』。当時はスピードグルーが使えたので、グルーを塗った回数と重量の変化にも注意しながら、大会では常に3種類の硬度のラバーを4枚くらいずつ準備しました。(平亮太)

 

1

ズバリ、平さんにとって

良い用具とは何ですか?

 

まず重要なのは、打球感ですね。

自分の打球感と、そこからイメージするボールの飛びが一致する用具。

用具は体の一部分としてとらえなければいけない。

打球感とボールの飛びにズレが生じてはいけない。

 

2

良い用具を判断する「打球感」は

どの技術を基準にしますか?

 

フォアで強打した時が打球感の基準ですね。

強打した時の打球感と、飛んでいくボールのイメージが合致すれば、

その感覚を他の技術につなげていける。

インパクトが弱いと打球感はつかめない。

 

3

どういう用具を選んだら良いか、

ひと言でアドバイスするとしたら?

 

当たれば全部入るラケット

……ですけど(笑)、結局大事なのは、

自分でコントロールできるラケット。

威力はトレーニングで体を鍛えれば、自分の力で出していくことができますが、

コントロールを上達させるためには用具が大事。

弾むラケットでコントロールを身につけるのは、すごく難しい。

 

4

威力のあるボールを打ちたくて、

弾む用具を選ぶ選手は多いですよね?

 

卓球がラリーから始まる競技なら、それに適した用具はいくらでもあるんですよ。

でも必ずサービス・レシーブから始まる。

サービス・レシーブを無視したら、用具選びはどんどん間違った方向に行ってしまう。

 

5

平さんも用具に威力を求めすぎて、

失敗した経験はありますか?

 

私も高校生の頃は、決定打の場面ばかり頭に浮かんで、

威力のあるボールを打つことにこだわりすぎていました。

でも決定打をどれだけ打っているか、考えてみたら、そんなにない。

むしろ決定打を引き出すプロセスを考えた時に

コントロール性に重きを置くようになりました

 

6

攻撃と守備、用具選びでは

どちらを重視すべきですか?

 

たとえばトップクラスの選手というのは、実は攻撃力はあまり変わらない。

守った時に差が出ます。

水谷(隼)くんがあれだけ安定してトップにいるのは、

守備力が他の選手よりレベルが高いからです。

大事なのはバランス。

卓球は攻めが50%、守りが50%。

用具選びも、常にその意識が必要です。

攻撃と守備のバランスの良さで長く日本の王座に君臨した水谷

 

 

7

水谷選手は守備力が高いですが、

非常に弾む用具を使います。

弾む特殊素材ラケットは

どうしたら使いこなせますか?

 

弾む特殊素材ラケットを使いこなすにはボールを「吸収する感覚」、

「飛ばさない感覚」を養ってほしい。

ラケットのエッジで球突きをしたり、ボールを弾ませずに受け止めたり、

神経系の発達が著しい子どもの頃に「ボール遊び」をたくさんやってください。

 

8

得意が生きる用具、苦手を補う用具。

どちらを選べばいいですか

 

苦手な技術がやりやすい用具を選べば、得意な技術はカバーできます。

それはグリップなどでも同じ。

私はペンホルダーで、どうしてもバックが課題になるので

バックショートがやりやすいグリップで、

フォアハンドの攻撃的なプレーを心がけました。