ある卓球専門店の方がメーカー展示会で「今回、良い用具ありました?」と聞いてきました。
私が「うーん、正直あんまり……」と答えると
「ヨーラのゴールデンタンゴ、あれは結構すごいかもしれません!」と返答。
その方は関東の名門大学出身で、学生時代は粘着性ラバーを使っていただけに、『ゴールデンタンゴ』の名前は頭に印象的に残っていました。
粘着性テンション系裏ソフト
¥5,800+税
厚さ:MAX・2.0・1.8mm
ゴールデンタンゴは粘着性テンション系なんです。
しかもドイツ製
日本市場にはあまりないジャンル。
VICTASの『VS』シリーズくらいでしょうか。
『VS > 401』はカット用だし、『VS > 402 タブルエキストラ』
はすごく硬い印象でした。
『VS > 402 ダブルエキストラ』のスポンジ硬度は50度。
ゴールデンタンゴはもっと硬い54度
果たして本当に扱えるのか?
ドイツ製で粘着らしさはあるのか?
気になるところでした。
いざ、打ってみると……ビックリ!!
まず弾み……
粘着の中ではトップクラス
粘着ラバーが得意な前陣はもちろん、中陣からでも弾む!
「翔龍」より弾むんじゃないか!?と思うほど弾みます。
次に回転……
面を開いても、被せてもかかる
回転はものすごくかかります。そして相手の台についてからの伸びがすごい。
従来の粘着ラバーはラケット面を開いて打たないと良いボールはいかなったが、『ゴールデンタンゴ』は被せてもかかるのがすごい。
でも開いて打ったほうが粘着らしいボールが出ます。
そしてコントロール性能……
慣れが必要だが、使いこなすまでに時間は要さない
自分から回転をかけるドライブやツッツキなどのコントロールは非常に簡単。
普通のテンション系とあまり変わらないのではと思うくらい。
しかし、ブロックやミートなどフラットに打つ打法は、飛び出しが不安定で慣れが必要。
その飛び方も1カ月も使っていると慣れてきます。
癖を理解するとおもしろい。
硬さは54度だが、感覚的には45度くらい
なぜだ?
スポンジを見てみると……その理由がわかった
用具を好きな人が見れば一目瞭然ですが、
スポンジがいわゆるテナジー系の「気泡系スポンジ」じゃないんです。気泡系スポンジは硬度以上に硬く感じ、重量も重い。
気泡系スポンジは右写真のようにスポンジがスカスカしているように見えます。でもこのスポンジのほうが硬くて重いんです。
ゴールデンタンゴは従来のスピード系スポンジを使い、スピードと飛距離を確保して、トップシートのグリップ力で回転を確保しているという予想です。
トップシートはぶっくり厚い。
専門家の見解だと、基本的にトップシートは厚いほうが回転がかかるそうです。この分厚いトップシートが強烈な回転を作るのです。それを高反発なスポンジで吹っ飛ばす!
考えられた素晴らしいバランスだと思います。
実際、ぼくは素晴らしいラバーだと思いますが、トップ選手が打ったらどうなんだろうと思い、
シチズン時計の森田侑樹選手に試打してもらいました。
シチズンの森田侑樹くんに試打をお願いしました。
— ゆう(卓球王国編集部) (@yu_okoku) 2017年10月10日
この浮き上がる弾道、すごいです pic.twitter.com/W6MvFIpNo6
どうですか?
ボールのスピード、ボールの飛び出し方向、グワッと下からでも攻める弧線
高評価でした。
特にネットインを拾った時にスピードを落とさずに、エグい弧線が出ています。
続いて同じラバーを御内健太郎くんにも打ってもらいました。ペンですが。
— ゆう(卓球王国編集部) (@yu_okoku) 2017年10月10日
さっきとは違う鋭い弾道。 pic.twitter.com/rEw7gyVUjA
続いて御内健太郎選手。ただし、ペンホルダーで打っています。
それでもボールのスピードがすごい。
上からボールをとらえても落ちず、鋭い直線で入っています。
回転のかかった伸び沈みする弧線、鋭く突き刺ささる直線
どちらも打てる粘着らしいラバーで、打ち方次第で化ける
ゴールデンタンゴは
打やすさ、弾みはテンション系で、ボールの質は粘着性、
両者の良いところが融合したラバー
といえるでしょう。
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