岸川聖也が VENTUSを分析「中級者にはリンバー。スティフとエキストラは上級者でも満足できる」

2021.06.18

岸川聖也が

VICTASのVENTUSを分析する。

「中級者にはリンバー、スティフと

エキストラは上級者でも満足できる」

『V>15』はVICTASのフラッグシップモデル（最上級モデル）で、ボールの威力やスピンなど、トップ選手のポテンシャルを最大限引き出せるラバーである。実際アドバイザリースタッフの丹羽孝希、吉村和弘、松平賢二は『V>15 Extra』を使用している。

しかし、もう少しコントロールを重視する選手にオススメするのが『VENTUS』（ヴェンタス）シリーズだ。

VICTASの岸川聖也プロ（世界選手権メダリスト・元五輪代表）が3種類の

『VENTUS Extra』（エクストラ）

『VENTUS Stiff』（スティフ）

『VENTUS Limber』（リンバー）

を打ち比べた。

「ドライブを打つと、リンバーは軟らかいので、ボールも食い込んで打球音も良く安定しているラバーですね。スティフは硬く感じたし、リンバーよりも少し実力のある人が使うラバー。エクストラはさらに硬くて回転もかかるし、強いスイングをしてもラバーが負けずに弧線を描く、上級者向けの良いラバーですね」。

『VENTUS Limber』のスポンジ硬度は40度、『VENTUS Stiff』は45度、『VENTUS Extra』は47・5度の違いがある。（硬度はすべて±3度）

カウンタードライブやバックドライブを打つと、「リンバーは相手の少し回転のかかったボールは難しい。相手の強い回転を打ち返すのは硬いスポンジのスティフとエキストラのほうが向いている。上級者のパワーのあるスイングで相手ボールに負けずにコートに入ってくれる」と岸川プロは語る。

『VENTUS Extra』『VENTUS Stiff』のような硬めのラバーはボールに強く当てるだけのインパクトの強さがあれば、相手ボールにも負けないし、自ら強い回転を作り出すことができる。しかし、中級者がいきなり硬めのラバーを使うとコントロールが難しい。そういう中級者にはむしろスポンジ硬度40度の『VENTUS Limber』のほうが安定する。

台上のストップ、強く切るツッツキ、フリックなどを試してみる。「リンバーは軟らかく球持ちが良いので台上でコントロールできるラバーです。一方、スティフとエキストラは硬いので質の高いボールが打てる。ツッツキやチキータもやりやすいのでトップ選手が使えるラバーです」と岸川プロは語った。

「スティフとエキストラは近いラバーですが、リンバーは軟らかめで少し違うラバーですね。自分のプレースタイルによってこの3種類のラバーを選ぶことができます。ぼくだったらエキストラを使ってみたい。しっかり回転もかかるし、弾みもあるラバーなので使いやすい」（岸川）。

『V>15 Extra』は威力の最大値は高いが、トータルバランスを重視し、かつ上級者のパワーを引き出す『VENTUS』シリーズが、中上級者のもうひとつの選択肢になる。