流行のスピン系テンション。

ラバーがオートマチックに回転をかけてくれる

近年、流行している裏ソフトのほとんどが、“ スピン系” と呼ばれるものだ。
ファスタークG-1 が発売された2010 年は、まさにスピン系の創世記で、各メーカーが次々に発売した。

特に海外メーカーが次々にスピン系テンション裏ソフトを発売。

ドニック……バラクーダ
アンドロ……ヘキサー
ヨーラ……エクスプレス エクスプロード


などがあるが、その多くが廃番となり、その存在は「懐かしい」と感じるだろう。

この時期は技術革新が進み、新しいラバーが次々に発売されていた。
まさにラバーの新陳代謝。市場は活性化していた。

しかし、ニッタクは新陳代謝を行いながらも、『ファスターク』を全面に押し続け、
ニッタクのNo.1 ラバー
という印象をユーザーの心に植え付けた。

今回はファスタークG-1 がなぜ多くの選手に受け入れられているラバーなのかを分析しよう。

ラバー側面図

トップシートは
テンションスピンシート

グリップ感覚に優れたゴム成分と粒形状だ。
硬く粒が詰まったシートは打ち合いで押し負けず、ボールにパワーが伝わりやすい。

粒は太いほうがボールをグリップし、間隔が詰まっているほうが回転がかかる。
つまり、G-1 はスピンを特に重視した設計だ。

そしてスポンジは
ストロングスポンジ

ハードな打球感でありながら、粗気泡の構造でボールをしっかり捉えて押し出し、ボールに更なる威力を生み出す。
中上級者に好まれる47.5 度(ドイツ硬度)にしたことで、強く打ってもエネルギーロスが少ない。


太くて回転をかけるトップシートがボールをつかみ、パワーのあるスポンジがグッと弾き返す。

これがファスタークG-1 のラバー構造だ。

これにより、どんな打球を可能にしたのか。

グラフその1

グラフその2

これは2015 年9 月号で行われた
中級者31 名によるブラインド試打の結果だ

※ブラインド試打
ラバーのモールド・スポンジ色などを隠し、先入観なしで性能を評価してもらった企画

これによると、47.5 度のスポンジのため、硬いを感じる人が60%以上いるが、
そのぶん、スピードと回転量は高評価で、コントロール性能も相当に良い。

52%の人がスピードが速いと感じ、
67%の人が回転がかかると感じている。


試打者はラバーに応じて打ち方を変えられるわけではない。
ラバーの力によって、オートマチックにスピードが速くなり、そして回転量が上がっている。

これがファスタークG-1 が高性能たるゆえんだろう。

次回はロングヒットになった要因について紹介しよう。

第3 回へ続く
文=佐藤祐