私は協会の男子ナショナルチームの指導を行い、渡邊隆司はJOCエリートアカデミーやジュニアナショナルチームの仕事をしていた人間なので、それを民間の木下卓球アカデミーにどうつなげ、どのような組織を作り、「世界一のクラブチーム」にしていくのかを考えています。今後は指導者、チームを支えていくスタッフという人材をどう集めていくのかが課題です。ただし、トップ選手たちや、大事な子どもたちを預かるわけですから、人材は無理に集めるのではなく、慎重に判断していきたいと思っています。
木下卓球アカデミーを男女の育成機関として発展させることが、将来的に日本の卓球界に貢献できることだと思っています。
Tリーグで男女があるのは木下だけです。男子の強化はもちろんですが、男子の選手がいることや、立地的に関東の大学生選手に協力をお願いして練習に招聘できる環境にあるということは、女子の強化にもつなげていけます。木下卓球アカデミーというジュニアチームから、木下マイスター、木下アビエルでプレーする選手を育てていきながら、Tリーグでの活躍、さらには日本代表として世界選手権やオリンピックの舞台に送りだすという、一貫した育成システムが可能になります。
基本的には日本代表クラスのトップ選手に関しては母体優先というよりもナショナルチーム優先にさせたいと考えています。私自身がナショナルチームにいた経験を踏まえ、選手がナショナルチームと母体の間で板挟みになったり、迷いや戸惑いを持つのではなく、強くなることに専念してもらうための方法だと思います。選手が強くなっていくことは木下のチームにとっても、日本の卓球界にとっても良いことです。母体の都合ではなく、「いかに選手を強くするのか」という視点で取り組んでいきたいです。強い選手がより強くなり、日本の卓球界に貢献していくことがひいてはチームにとってもプラスになると考えています。
現時点で、私自身も渡邊も指導者として長くナショナルチームに携わらせて頂きました。我々はトップの選手、ジュニアの指導や管理、JOCエリートアカデミーも経験し、数多くの国際大会やオリンピックを経験しているので、将来の世界での活躍を視野に入れて、子どもたちを指導していけるのは大きなアドバンテージ(優位)だと思っています。
同時に、これから木下アカデミーを中心に、指導者の育成を行っていく必要があります。素質のある子どもを伸ばしていくのは、優秀な指導者なくしてはできません。子どもたちやトップチームの指導ができる人材を木下で発掘し、養成していくことも選手の指導と同時に行なっていきます。
これから木下卓球アカデミーに入ってくる選手を2032年ブリスベン五輪の代表選手に育てると同時に、現在のトップチームの選手たちは24年パリ五輪、28年ロス五輪の代表として送り込んでいく目標があります。Tリーグで完結するのではなく、その先の世界とオリンピックにつなげていくこと。その大舞台で活躍して多くの人に希望と夢を与え、日本の卓球界の発展に大きく貢献することが木下卓球アカデミー、木下グループ卓球部の目標なのです。
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