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 ドイツオープンの期間中に、ITTF(国際卓球連盟)のバイカート会長がドイツ卓球協会やメーカー数社と懇談。話し合いのテーマはITTFの執行委員会とアスリート委員会から年次総会(AGM)に出される予定だった提案について。
 以下が提案事項だった。

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2.4.7 ラケット(ラバーを含む)は人体に危険で不健康なものと考えられる、いかなる物理的、化学的、もしくは他の加工なしで使われることとする。

*根本理由
1 現在の検査方法ではブースターをコントロールすることが不可能である。現行ルールで強制できない
2 ラバーに入る有害物質の問題は,現在のVOCコントロールを行うことで和らげられている
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 これは無害なブースターであれば、使用できるとも受け取れる内容で、ラバーの公認制度を揺るがし、今までのブースター使用という違法行為を容認するもの。この提案に反対の意を表明したメーカーや世界最大のラバー供給会社のESN(ドイツ)の反発の声は日増しに強くなっていた。
 しかもバイカート会長のお膝元、ドイツ協会も新提案に反対を表明した。
 
 提案の撤回となれば、卓球というスポーツがラケットドーピングとも言える違法行為に染まり、ラバー偏重のスポーツになる危険性を水際で防ぐことができる。しかし、次の問題は現在のブースター検査が甘いことで、違法行為をどのように防ぐのかということだ。

 まずは、大会で抜き打ち的に選手のラケットとラバーを検査し、上位者は検査を義務づけること。抜き打ちで検査する時でも、打球音に疑いがあるような選手をピックアップする。さらに、明らかにラバーに後加工したと思われたり、厚さを越えている選手のラバーはガスクロマトグラフィーなどの成分検査で公認品と違う成分が検出された場合は、出場停止処分を下すなどの厳しい処罰を与えることで、違法行為の抑止力となる。
 成分検査をして、後加工を明らかになり、仮に1年間の出場停止、というような処罰がある場合でも選手はブースターを塗るのだろうか。

 確かに抜き打ち検査が現時点で根本的な解決にはならないだろうが、ブースターの行為が合法化され、地方の大会などでもVOC(揮発性有機化合物)系のものを混入されたら、ラケットドーピングは卓球というスポーツに致命的なダメージを与えるのは明らか。
 日本卓球協会はまだこの問題に関する賛否を表明してないが、ITTFの執行委員会とアスリート委員会の提案撤回を待ちたい。 (今野)