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 リオ五輪でオフチャロフ(ドイツ・ロンドン五輪メダリスト)を破り、準決勝に進出。メダル決定戦では日本の水谷隼に敗れたものの、40歳という年齢ながら最高のパフォーマンスを見せたブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)が、女子のヨーロッパトップ16優勝者のベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)とともに、昨日、東京・渋谷(渋谷卓球倶楽部)で行われたティバー・三英・卓球王国の共同イベントに参加した。

 これが彼の人間性なのだろう。
 日本の卓球ファンに対して、笑顔でボールを打ち合い、気軽にサインをして、カメラに収まっていた。「こういうイベントはヨーロッパにもあまりないし、ぼくの好きな日本でファンとこれだけ触れあったことはない。楽しい体験だね。このイベントを見ただけでも日本での卓球人気がわかるよ」とコメントしつつ、「今卓球の人気はどのくらいあるんだろ?」「テレビにも卓球はよく出るの?」と質問をしてきた。日本の卓球事情に興味津々だった。

かつてチームメイトだった松下浩二にエールを送る

 Tリーグの松下浩二チェアマンとは、1998年から同じドイツのボルシア・デュッセルドルフのクラブで一緒にプレーし、ヨーロッパチャンピオンズリーグで優勝カップをともに掲げた仲だ。また昨シーズンまでは水谷隼とロシアリーグのオレンブルグでチームメイトとしてプレーしている。
「(松下)コウジは頑張ってるよね。ヨーロッパの選手にとっても日本のTリーグは興味深いリーグだし、みんなが注目している。ぼくが出るかどうか? もちろんリーグには興味はあるよ。フル参戦は難しいかもしれないけど、日本は好きな国だからチャンスがあれば嬉しい」「アジア、とりわけ中国と日本は卓球人気が高いし、世界の中でも注目すべき国になっている。Tリーグはヨーロッパを刺激すると思うよ。それによって世界の卓球界が発展していったら嬉しいね」と語った。

 1993年世界選手権に16歳でデビューし、いきなりベスト16まで進み、「天才サムソノフ」と呼ばれた。1996年にはアトランタ五輪に初出場し、準々決勝で中国の王涛と対戦し、停電による2度の中断がなければ、ひょっとしたら……という大激戦を演じた。その後、1997年世界選手権では4人の中国選手を連破し、決勝に進出したが、もう一人の天才、ワルドナー(スウェーデン)に敗れた。ヨーロッパ選手権では3度、チャンピオンに輝いている。まさに生けるレジェンド。
 2000年の世界選手権では、心臓病に苦しむ子どもの新聞記事を読み、病院を訪れ、お金を寄付するなど、慈善活動も行っている。

 低迷するヨーロッパの卓球を憂慮しながら、世界の卓球の発展に目を向けるサムソノフは、松下浩二チェアマンとTリーグを気にかけていた。
 そして最後に「好きな日本で行われる東京五輪に出場することが今の目標だよ。そしてそれがぼくの最後の国際大会になるかもしれない」と語った。 (今野)
  • リオ五輪でオフチャロフに勝った時のサムソノフ

  • ティバー×三英×卓球王国のイベントでのサムソノフとスッチ