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 卓球の試合をまさに裏方として支える人たちがいる。それは監督やコーチ、フィジカルトレーナーではなく、「食」で選手たちをサポートするJA全農(全国農業協同組合連合会)の取り組みである。
 シンガポールで行われているT2ダイヤモンド。東京五輪を控え、熾烈な五輪代表レースを繰り広げる中、世界ランキングに直結する大会として、選手の精鋭たちが集まっている。
 JA全農は、大会会場の選手ラウンジや関係者・VIPラウンジに、日本産米の「おむすび」や「いなり寿司」を提供して、本大会を「ニッポンの食」でサポートしている。
 また、全農インターナショナルアジア株式会社が中心となり、11月15日~30日の間、シンガポールで飲食店舗を展開する「牛角」や「哲平食堂」と連携し、「ジャパンフードキャンペーン2019」を開催している。
 11月20日に開催された「T2ダイヤモンドシンガポール大会」のメディアカンファレンスで同社の高須博幸代表取締役社長が登壇し、今大会へのサポート内容や「ジャパンフードキャンペーン2019」について説明した。

 スポーツアスリートにとって、大切なのは心技体智。メンタル、テクニック、フィジカル、タクティクス・・・そのフィジカルとメンタルに影響を与えるのが「食」なのだ。
 こういう古いエピソードがある。1973年の世界選手権サラエボ大会。当時、世界の覇権を争っていた日本と中国。当時の団体戦は3人による9シングルスマッチ。もつれると4、5時間越えることも珍しくはなかった。夜に始まった日本対中国の男子団体。劇的な幕切れで中国の勝利。足になまりをつけたように重い足取りでホテルに戻った日本選手団。深夜ということもあり、ホテルのレストランは閉まっている。疲れ切った選手たちは、空腹に耐えながらベッドに滑り込むことしかできなかった。
 一方、中国は選手団付きの料理人を本国から帯同させていたので、激戦の後、温かい食事を取ることができた。その後の個人戦でも中国は勝利を重ねたのは言うまでもない。

 現在は、日本選手団も大きな大会には栄養士を帯同させ、常に力が発揮できる「和食」などを準備している。最近の日本の卓球選手の活躍にはこういう食のサポートが欠かせなくなっている。

 JA全農は香港オープンでは日本選手団をサポートし、ドイツオープン、今回のT2ダイヤモンドでは日本選手団のみならず、世界から集まってくる卓球選手たち、スタッフにおにぎりなどの提供をしている。
 また、今年からはすべてのワールドツアーの前に食材をトレーニングセンターに送り届け、サポートしている。また、子どもたちの全国大会、全日本選手権ホープス・カブ・バンビの部も後援している。 
 日本の卓球選手や大会にはこういう陰のサポーターがいることを忘れてはならない。