●男子シングルス準々決勝
戸上 6、10、9、10 クルチツキ(ポーランド)
モーレゴード(スウェーデン) 6、−6、8、11、9 劉夜泊(中国)
馮翊新(チャイニーズタイペイ) 5、−9、−9、−11、5、8、9 ピカール(フランス)
向鵬(中国) 6、−9、7、−8、7、5 宇田
大会第7日目の最終試合は、男子シングルス準々決勝。戸上がポーランドのクルチツキを破り、初のベスト4進出を決めた!
徐英彬戦という難関を突破した戸上は、出足からエンジン全開。フォアへの瞬間移動のような飛びつきから、バックサイドのボールを回り込んで強打するなど、軽快な動きを見せる。バック対バックでも終始優位に立っていた。2ゲーム目の11−10ではバック対バックで失点してゲームを落としたクルチツキがいら立ちをつのらせ、ボールを叩いて吹っ飛ばし、イエローカードをもらう場面も。
中陣での威力ある両ハンドドライブと、頭脳的なラリー展開で勝ち上がってきたクルチツキだが、フルパワーの戸上の相手ではなかった。リードを許したゲームもあったが、ストレートで戸上が押し切った。
「団体戦で負けたショックは、本当に今まで経験したことないくらい大きかった。シングルスも、初戦からネガティブな気持ちが出てしまった。そういうところを乗り越えられたからこそ、競った場面でも我慢できて、プレーできているんじゃないかと思います。
(2回戦の)徐英彬戦はやりやすい相手。フォアドライブだったり、レシーブの部分では自分のほうが上だと感じているし、ラリーをしていてイヤだなという部分はあまりなかった。相手が中国のエースという意識もなく、団体戦で負けたリベンジをしようと思ってプレーしました。7ゲーム目の最後の場面では、もう壁というか、ひたすらラリーにすればまだチャンスがあると思っていました」(戸上)
団体戦での失意の敗戦から、シングルスでの躍進。この流れ、戸上がシングルス2連覇を決めた8月のインターハイに通じるものがある。「インターハイを思い出さない?」という質問には「正直思いました。あれは本当に良い経験になりました」と応えた戸上。同じ結末を迎えるとしたら……、再び表彰台の頂点に立つのはこの男だ。
一方、惜しかったのは宇田。昨年のシングルス準決勝で敗れた向鵬と、真っ向勝負のラリー戦でゲームカウント2−2。5ゲーム目は6−3とリードして中国ベンチに先にタイムアウトを取らせたが、ここからまさかの7連続失点。このゲームを落とし、宇田の鋭い攻撃を中陣で粘り強くブロックし、反撃に出た向鵬に屈した。プレーヤーとしての成長は、今大会存分に見せつけている宇田。明日の混合複決勝に全力を注いでほしい。