〈その2〉

ザンターは何が変わったのか?

トップシートはどれだけ薄い?

従来品とラザンター

さて、最新技術のトップシートは一体どれくらい薄くなっているのだろうか?
上のイメージ図ではかなり薄いが、実際は??

従来品とラザンター

見ての通り、「ほんの気持ち薄い」くらいだ。
0.2mm ほど薄くなっているというが……0.2mm だぞ。
よく考えろ。0.2mm というのは、1cm の10 分の1 のさらに5 分の1 だ。
高性能カメラで撮影し、2 枚を同列で比べて、やっとほんの少し薄くなっていることをようやく確認できる程度。

今までのラバーとは違う。しかし、それは些細な違いだ。
少しでも食い込みの良さをアップさせることで、スポンジにパワーをうまく伝達する。
小さな違いだが、大きく感覚が違う。
誰が打っても、スピンのかけやすさとスピードの出しやすさは素晴らしいと感じるだろう。

注意しなくてはならないことは、
「回転がかけやすい=回転がかかる」ということではない。
トップシートが薄くなっている分、回転量も最大値は従来の『ラザントパワーグリップ』などに比べてやや落ちている印象がある。

ただ、これは間違った選択肢ではない。
回転を最大限に追い求めた従来のラザントシリーズは硬くて使いにくく、万人が使えるものではなかった。それに比べると『ラザンター』は、回転をかけやすく、使いやすい。
誰もが使いやすい、その中で性能の最大値を追求した間口の広いラバーなのだ。

使い手を選ばないラバーへの進化。
マイナーからメジャーへ。
それがアンドロの英断だったのかもしれない。

第3 回に続く
文=佐藤祐