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 欧州の皇帝・ボル(ドイツ)が馬龍(中国)を破り、オフチャロフ(ドイツ)の初優勝で幕を閉じた『2017男子ワールドカップ』。その興奮も冷めやらぬ中、来年の男子ワールドカップの開催地が発表された。なんとフランス・パリにある『ディズニーランド・パリ』がその舞台だ。

 試合が行われるのは、ディズニーランド・パリにあるディズニー・イベントアリーナ。最大で6000人の観客を収容でき、これまでにバスケットボールの試合やコンサートなども行われている。

 大会日程は2018年10月19〜21日。2003・2013年と二度の世界選手権で、センスあふれる演出を見せてきたフランス卓球協会が、「夢の国」を舞台にどのように大会をプロデュースするのか。今から大会開催が待ち遠しい。

※ポスターはフランス卓球協会HPから転載
 10月21・22日の全国映画動員ランキングが興行通信社より発表され、新垣結衣&瑛太がダブル主演を務めた『ミックス。』が初登場で1位に輝いたことがわかった。
 先週末土曜・日曜の2日間で動員数は約18万人、興行収入は約2億3500万円だった。先週末は全国的に天気も悪く、台風も接近していたため出足が心配されたが、この結果は大ヒットと言える!
 ちなみに、パソコンと携帯を使ったweb初日アンケート結果によると、作品の満足度は95.4%とかなり高く、本作品を「人にすすめる」と答えた人も92.9%のハイスコアを記録。また、「誰と来場したか」の問いには、「カップルで(夫婦含む)」が25.0%、「ともだちと」が23.9%の結果になった(提供:東宝(株))。
 スポ根ラブコメという新ジャンルの映画『ミックス。』。不器用でどこか欠点だらけの登場人物たちが、卓球の男女混合ダブルス(=ミックス)を通じて小さな“奇跡”を起こす恋と人生の再生物語。観たあとは気持ちがスッキリすること請け合いだ。
 ちなみに今月号(12月号)では主演の二人(新垣結衣さんと瑛太さん)の独占インタビューを掲載。本誌を読んでから映画を観れば、楽しさ・面白さ倍増すること間違いなし!
 最近、映画を観てないな〜というアナタ、映画はしょっちゅう観ているというキミも、まだ観ていない人は、ぜひご家族、おともだちを誘って、お近くの劇場へ足を運んでみよう。


●全国東宝系にて、全国276スクリーンで公開中
  • (C)2017『ミックス。』製作委員会

 まさにロンドンには「ピンポン発祥の地」としての薫りが漂っていた。
 卓球=テーブルテニスではなく、まさにピンポンだ。
 1900年にイングランドのジェームス・ギブがアメリカでおもちゃのセルロイドボールを見つけ、それをイングランドに持ち帰り、それで食卓のテーブルで打ち合った。
 バトルドアと呼ばれる柄の長いラケット。この表面に羊皮を張った中空のラケットで打ち合うと「ピンポン」という音がした。それまでのコルク球やゴム球とは違う心地よさを見つけた。

 これが卓球の始まり。ピンポンのスタートだ。

 ロンドンのホルボーン駅。ピカデリー線とセントラル線の交わるこの駅から歩いて5分のところにある『バウンス(BOUNCE)』。近くには世界の金融界を動かすCITYがある。
 そんな一等地のとあるビルの地下に入ると異空間が広がる。17台を置き、台の横にはスタンディングでお酒などのドリンクを飲めるカウンターが配され、奥にはレストランもある。何ともカジュアルでハイセンスな作りだ。

 飲むことだけで中に入ることもできるのだが、多くの人は「ピンポン」を楽しみながら一杯やる。友人同士、会社の同僚などと連れだって夕方の6時過ぎくらいから集まってくる。
 狭い空間にイスやソファーがひしめき合うように置かれ、そこに卓球台がぽつんと置かれるような卓球バーとは違う。
 みんなが小さいバケツに入ったボールとラケットを片手に、台に着くやいなや打ち合う。卓球経験者はいない。でも笑いながら声を上げながら楽しんでいる。ウエイターやウエイトレスが10数名はいるだろうか。もちろんカウンターバーにはバーテンダーがずらりと並んだウイスキーやウオッカの瓶の前でシェークするし、次々とビールも運ばれていく。
 週末になると子ども連れの家族で賑わうという。

 1900年に始まり、1902年に世界中に熱狂的に広がったピンポンの原点がここにあった。当時、週末になると「明日、ピンポンパーティをしませんか」と仲間内にカード(招待状)配られたロンドン。
 人々はこのBOUNCEのようにピンポンを楽しみ、友人たちとの語らいに時が過ぎるのを忘れたのだろう。115年の時空を超えたロンドンのピンポン社交場。
 入り口の看板にはこう書いてあった。
 HOME OF PING PONG。  (今野)

  • 若い女性もいるし、その横ではスタンディングで仕事終わりの一杯を楽しむ人たち

  • 世界の金融を動かすCITYで働く人たちだろうか。シャツを腕まくりして楽しむ

 ベルギーのリエージェで開催された男子ワールドカップはドイツのオフチャロフが、決勝でドイツのボルを4−2で下し、初優勝を飾った。中国選手以外が優勝したのは09年のサムソノフ以来、8年ぶりの快挙となった。
 オフチャロフは初戦から厳しい戦いが続いていたが、最後までメンタルを崩さなかった。一方、ボルは2人の中国選手を見事な逆転勝ちで下すなど、36歳にしていまだ世界のトップクラスにいることを証明した。
 馬龍、林高遠の中国勢は全中国運動会での疲れなのか、それともモチベーションの低下なのか、硬くなったボールの影響なのか、精彩を欠いた大会となった。

●決勝
オフチャロフ(ドイツ) −10、8、7、−9、7、2  ボル(ドイツ)

オフチャロフのコメント
「こうやって優勝できるなんで思わなかった。ぼくの家族、コーチ、ぼくのチームがぼくを支えてくれた。決勝の相手のボルは馬龍、林高遠と強い選手を倒してきた尊敬すべきトップガイ。彼に勝ててとてもうれしい」

●3位決定戦
馬龍(中国) 5、−11、−6、5、7、9  ゴーズィ(フランス)

馬龍のコメント
「今朝の準決勝の敗戦には自分自身が失望したけど、この試合に気持ちを切り替え、100%の集中力で戦った。応援してくれた観客の皆さんありがとう」
  • ボルとのドイツ対決を制したオフチャロフ

  • 自身、初となる世界タイトルを手にした

●決勝トーナメント準決勝(第2ステージ)
オフチャロフ(ドイツ) −6、2、8、−10、−7、4、8 ゴーズィ(フランス)

 オフチャロフはゴーズィのフォアサイドを低く切っていくサービスを多用し、崩していく。このサービスを高めのループでリターンするとオフチャロフの強打を浴びる。そのサービスを意識しすぎると、バックに来るサービスへのリターンが甘くなるゴーズィ。
 4ゲーム目の競り合いで2本のサービスミスは痛かったがゴーズィのメンタルは崩れなかった。ゴーズィのチキータと逆チキータを嫌がるオフチャロフ。
 最終ゲーム5−3オフチャロフリードでチェンジエンド。8−4から9−8までゴーズィ迫ったが、ここでもフォアサイドを切るサービスをミスしたゴーズィ。オフチャロフは11−8で振り切った。


オフチャロフのコメント
「疲れたよ。タフな試合だった。何度もメンタルが崩れそうになったけど、踏みとどまることができた。決勝はドイツ選手同士のグレートな試合だね」
  • 強いメンタルとフィジカルで接戦を切り抜けたオフチャロフ

  • 激戦を終えてお互いをたたえる2人

●決勝トーナメント準決勝(第2ステージ)
ボル(ドイツ) −6、−9、9、−9、7、5、10 馬龍(中国)

 ジリジリとボルが追い上げ、最終ゲームにもつれ込む、4−1とボルのリードから、4−5と馬龍が逆転してチェンジエンド。しかし7−5とボルがひっくり返す。8−5、8−6、ここで馬龍がボルのバックへロングサービスでエース8−7。2本連続ロングサービスを出す馬龍、3球目のバックハンドをボルがフォアのネットミスして8−8と並ぶ。
 次にボルの3球目バックドライブが2本連続決まり、ついにマッチポイントを奪う。10−8。馬龍のサービスからのフォアドライブが決まり10−9、ラリー戦で馬龍が取り10−10。次をボルの3球目のバックのループドライブを馬龍がカウンターミスで11−10。最後は馬龍が3球目攻撃をミスして、ボルが劇的な勝利を手にした。
 林高遠と馬龍に対して2試合連続の逆転勝ちを収めた。新たに使われている紅双喜のABS製のプラボールが中国選手の回転量を弱めていると言う関係者もいる。

ボルのコメント
「なんて答えたらいいんだろう。信じられないよ。こんなすごい選手に勝ててハッピーだ。世界選手権の時にも接戦をしていたから、今日は落ち着いてプレーできた。観客の皆さん、サポートをくれてありがとう。ぼくは、この大会をエンジョイしてるよ」

  • 五輪金メダリスト、世界チャンピオンの馬龍が敗れた

  • 崩れないドライブプレーを見せたボル

  • 気合十分、決してあきらめないベテランのボル

  • 馬龍に勝った瞬間のボル

男子ワールドカップ2日目
●決勝トーナメント準々決勝(第2ステージ)
馬龍(中国) 11、9、5、−9、8 丹羽孝希(日本)

 準々決勝、丹羽対世界1位の馬龍の対決。第1ゲーム目、馬龍がリードを奪うも、丹羽は7−7と追いつく。11−11から馬龍が2本連取し、丹羽は大事な1ゲーム目を落とした。
 第2ゲーム、馬龍の1本、2本のリードが縮まらないが、7−7で丹羽が追いついた。9−9から丹羽のサービスだったが、2本落として、9−11で馬龍がゲームを連取。
 第3ゲーム、出足から馬龍がたたみかける。11−5で3ゲーム連取。第4ゲーム、馬龍がリードしていたが後半で丹羽が盛り返し、11−9で取り返した。
 第5ゲーム、流れを引き寄せようとする丹羽が5−1とリード、会場の応援も丹羽の背中を押す。しかし、8−8と追いつかれ、11−8と馬龍が逆転して勝利した。

丹羽のコメント
「4ゲーム目を逆転で取り、5ゲーム目も5−1でリードして流れが来たかと思ったけど、 大事なところで凡ミスが出てしまった。いつもベスト8とかにはいくけど、もうひとつ上に行きたかったので残念です」
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ボル(ドイツ)  −5、−11、9、−9、9、12、11 林高遠(中国)

 欧州の皇帝ボルが1−3と林高遠にゲームをリードされながらも見事な逆転勝ちで会場を熱狂させた。最終ゲーム、10−4とマッチポイントを奪われながらもボルが驚異的な粘りと攻撃で6本連取で10−10に追いつき、最後は13−11で林を沈めた。
「なんてすごい日なんだ。まるでここはぼくのリビングのような場所だよ。あと20分はこの幸福感に浸りたいよ」と試合後、興奮を隠さなかったボル。
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ゴーズィ(フランス)  7、−6、11、−11、9、−7、8  水谷隼(日本)

 出足でゴーズィにゲームを先取されるも余裕が見えた水谷は第2ゲームを取り返し、1−1。しかし、以前よりゴーズィの打球点の高い攻撃と時折見せるハイリスクなカウンターに戸惑う水谷がペースをつかめない。最終ゲームも、ゴーズィに先手を奪われ、4−8とリードを許し、巻き返すことができなかった。

水谷のコメント
「最近こういう感じの試合が多い。アンラッキーなポイントがあるとそこから崩れてしまう。相手にも同じようなアンラッキーなポイントがあったと思うが、相手は崩れなかった。その差が結果になってしまった」

ゴーズィのコメント
「今まで2回やっていて、今回初めて勝った。最初、彼がサービスをいろいろ変えてきて、慣れるのが難しかった。今回の勝利はとても大きな自信になった」
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オフチャロフ(ドイツ) −9、−8、10、9、7、−10、7 シバエフ(ロシア)

オフチャロフのコメント
「ホッとしたし、すごい試合だったよ。0−2の3ゲーム目を8−10で危なかった。3ゲーム目を取られていたら挽回するのは難しかったね」
  • ベスト4入りを狙った水谷対ゴーズィ戦

  • 3回目にして初めて水谷を倒したゴーズィ

 ワールドカップで水谷に敗れたアルナ(ナイジェリア)。試合後、インタビューを申し込むと快諾。「今日は水谷に完敗。でも、ぼくはリオ五輪の前も荘智淵に完敗して、五輪では完勝したんだ。次が楽しみだ」とコメント。

 その後、自分自身のキャリアを語り始めた。あまりにも素晴らしいインタビューだった。
 「ぼくは7歳で卓球を始めた。どこで? ストリートだよ。2年間、ストリートで卓球を楽しんでた。その後、学校の先生が卓球場に連れていってくれてぼくに卓球の基礎を教えてくれたんだ」

 ストリートで卓球を始めた少年が、その後、五輪代表になり、荘智淵やボルを倒すなど誰が想像できるだろうか。恵まれた環境の中で育っていく日本選手との違いに頭がクラクラした。卓球を愛し、愛されたナイジェリア人がいる。
 クアドリ・アルナ。
 この続きは、本誌のインタビューで。乞うご期待。   (今野)
  • ナイジェリアのアルナ。素晴らしい卓球人だ

男子ワールドカップ2日目
●決勝トーナメント1回戦(第2ステージ)
林高遠(中国)  3、−10、9、5、5    フレイタス(ポルトガル)
ボル(ドイツ)  10、8、5、11    ツボイ(ブラジル)  
水谷隼(日本)  6、7、6、7    アルナ(ナイジェリア)
ゴーズィ(フランス) −9、4、11、9、9   丁祥恩(韓国) 
シバエフ(ロシア)  4、5、11、−10、6 荘智淵(チャイニーズタイペイ)  
オフチャロフ(ドイツ) 4、5,11、−10、6  コウ・レイ(ウクライナ) 

水谷の試合後のコメント
「初めての対戦だったので、しっかり研究してきました。彼はバックハンドとレシーブが得意じゃないので、いかに相手のバックを攻めるかがポイント。その戦術通りに試合ができました。途中で1ゲームとか落としていたらわからなかったと思う。なんとかこのワールドカップでメダルを獲りたい」
  • 仕上がりは上々。アルナにつけいる隙を与えなかった水谷

 卓球王国12月号発売の本日、話題の映画「ミックス。」も全国で公開初日を迎え、主演の新垣結衣、瑛太をはじめ主要出演者が、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(533席)にて舞台挨拶に立った。
 数々の宣伝キャンペーンを行ってきた主演の二人は、初日を迎えた感想を「やっとだな、という感じです。今日から皆さんに観てもらってこの映画が本当の意味で完成するんだなという気がします。」(新垣)、「これだけ多くのお客さんが入っているだけで幸せを感じます。あとはこの映画が歩んで行くだけだなぁと思います。」(瑛太)と語った。
 フォトセッションでは、映画の大ヒットを祈念して、直径30cmものピンポン球型ケーキと、巨大ラケット型クッキーが用意され、新垣から瑛太にファーストバイトを行った。
 最後に新垣は「今日もこうしてすごく楽しい舞台挨拶になって嬉しいです。元気をもらえる映画になったので、是非、皆さんまた観て広めてください」と改めて映画をPR。
 主演の二人はもちろん、出演者の誰もが卓球に対して真摯に取り組んでいて、非常に好感が持てる。クスッと笑えるシーンあり、ホロっとさせるシーンもありのラブコメディ。テンポが良くて、観たあとすがすがしい気持ちになる映画だ。卓球王国としても全面的に応援しているので、大ヒットを期待したい。
 読者の皆さんも、次のお休みに家族や親しい友人と映画館に足を運んでみては? 
                                (文中敬称略)

※ファーストバイト:本来はケーキカットの後で、新郎新婦が切り分けたケーキの一切れを互いに食べさせあって二人の愛情の深さをアピールする演出のこと

写真提供:東宝(株)
  • 初日の舞台挨拶に立った出演者と監督

  • ガッキーから瑛太へ ファーストバイト(!?)