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中国リポート

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 3月13日に四川省成都市に入り、中国卓球協会・西部国際培訓センターで40日の集合訓練を行っている中国男子チーム。これまで女子チームが集合訓練に2回使用している成都の訓練基地だが、男子チームが集合訓練を行うのはこれが初めてだ。
 日本のNTC(ナショナルトレーニングセンター)も簡単には中に入れないが、国家チームの集合訓練も徹底しており、関係者以外は練習場や宿舎には近づけない。一度関係のない人間が偶然練習場に入ってしまったことがあり、劉国梁監督は設備の管理責任者である成都市卓球運動学校の戴天元校長にすぐ抗議したという。「戴さん、練習場の管理は一体どうなってるんですか? 見てください、誰でも入って来られるじゃないですか!」(出典:『騰訊体育』)。朝早くから夜遅くまで、少しでも周りより長く練習したがる選手たちの警備は、骨が折れる仕事だろう。

 以前にもお伝えしたことがあるが、選手たちはドーピングの禁止薬物が含まれた食肉の摂取を避けるため、豚肉や牛肉はすべて北京で検査済みのものを成都まで空輸している。選手たちの旺盛な食欲ですぐになくなってしまうため、週に1回大量に配達されるそうだ。地元で買えば安いものだが、検査と空輸を経たお肉は、相当な高級品ということになる。
 さらに国家体育総局トレーニングセンターに所属する厨師(コック)も帯同し、選手たちの料理を作る。この厨師がまた、猛烈に忙しい。朝5時半から選手たちの朝食の準備を始めて、夜の9時前には夕食を作り終わるのだが、居残り練習をする選手たちが食堂に来るのは22時過ぎになるため、厨師はずっと食堂に残って料理を作り直したり、温めたりしなければならない。選手たちの食事が終わるのは日付が変わる頃、厨師がようやく眠りにつけるのは午前1時頃になるという。

 多くのスタッフの努力によって、恵まれた住環境と練習環境が提供され、しかしその姿は市民からはほとんど目にすることができない。河南省の『大河報』では、そんな集合訓練に明け暮れる選手たちのことを「熊猫軍団(パンダ軍団)」と表現している。成都市にあるパンダの繁殖基地に引っかけたネーミングだが、なかなかうまくいったものだ。

 中国男子チームは明日28日から広東省広州市で行われる2013ワールドチームクラシックに王皓・馬龍・許シン・張継科・王励勤の5名が出場。世界代表4名に、世界戦出場の可能性は低い王励勤という何とも微妙な布陣だ。

photo:選手の安全管理にも気を配る劉国梁監督(右)。ちなみに大好物は「西紅柿炒鶏蛋(トマトと卵の炒め物)」