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平成24年度全日本選手権大会

 「引退を決めて試合に出るのはだめですね。試合中にいろいろ考えてしまうから」と試合後、表情は柔らかいが、目にいっぱいの涙をためて、田勢邦史(協和発酵キリン)は語った。全日本選手権では男子ダブルスと混合ダブルスで優勝を重ね、シングルスでも表彰台に上がった男だ。
「ペン表ソフトのプライドを持って戦いました。大会前の1,2か月前は早くこの大会が終わってほしいと思っていたけど、2,3日前からは卓球を楽しむ子供のようでした。今は寂しいです。でも、いい思い出がたくさんありますから、すっきりとラケットを置きます」。
 長く、日本の卓球界に貢献した男はコートを去った。奇しくもその10分ほど前に同僚の坂本も最後のシングルスを終えた。二人とも、引退後は指導者の道を歩む予定になっている。