スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 世界選手権個人戦デュッセルドルフ大会の中国代表選考会、「地表最強12人(地上最強の12人」直通選抜の男子第2ステージ。第1ステージで代表権を獲得した樊振東の代わりに尚坤、途中棄権した張継科の代わりに周愷が入り、12名で代表権を争った結果、林高遠が代表第2号となった。結果は下記のとおり。

〈男子〉
●予選リーグ
[グループA]◎1回戦

許シン 2ー0 方博
徐晨皓 2ー1 梁靖崑
◎決定戦 許シン 2ー0 徐晨皓
[グループB]◎1回戦
林高遠 2-0 尚坤
閻安 2-1 周啓豪
◎決定戦 林高遠 2-0 閻安
[グループC]◎1回戦
馬龍 2-0 周愷
周雨 2-0 劉丁碩
◎決定戦 周雨 キケン 馬龍

●決勝リーグ
林高遠 8、ー5、9 許シン
許シン 8、ー8、3 周雨
林高遠 5、3 周雨
★林高遠が2人目の代表権獲得!

 グループリーグで4名がトーナメントを行い、優勝候補筆頭だった馬龍がグループC初戦の周愷戦で腰痛を悪化させ、周雨戦を棄権。「最近は試合続きでゆっくり休養が取れず、体重が3kg以上落ちてしまった。周愷戦の第1ゲーム中盤から腰の痛みが悪化して、バックサービスを使って戦ったけど、腰をひねる時には痛みを感じた。(試合後に)しかたなく棄権という決定を下した」(馬龍/出典:『新浪体育』)

 決勝リーグに進出したのは林高遠、許シン、周雨という3名のサウスポー。林高遠が許シンと周雨を連破して代表権を獲得した。1995年3月19日生まれで、もうすぐ22歳になる林高遠。4歳で卓球を始め、同じサウスポーの陳杞(04年アテネ五輪ダブルス優勝)に憧れ、14歳で国家2軍チーム入り。先日も触れたが、10〜12年世界ジュニア2位で、ビッグゲームではあと一歩頂点に届かない「シルバーコレクター」という印象だったが、今回の選考会では鮮烈な活躍を見せた。左腕から繰り出すフォアドライブは、スピードよりも回転量重視で、緩急をつけるのが非常にうまい。

 劉国梁総監督が「彼の出現は、4人の主力選手(馬龍・張継科・許シン・樊振東)による中国男子チームの勢力図を打ち破るものだ。出場権を獲得しただけでなく、チームの絶対的な主力になるチャンスをつかんだ」(出典:『新浪体育』)と賞賛した林高遠の優勝。解説を担当した張怡寧も、「林高遠はまだ若いけれど、まるでベテランのように試合をうまくコントロールできる。技術的にも穴がなく、まだまだ伸びる余地がありますね」とコメントしている。また、中国男子チームが集合訓練を行う際、基本的に選手たちはふたりひと部屋で、チームの誰かと相部屋になるのだが、林高遠のルームメイトは馬龍。「馬龍はぼくに、もっとゆっくりとしたリズムで一本ずつプレーしていけばいい、あわててはいけないと言ってくれた。そのアドバイスがとても大きかった」(出典:ITTF)と語っている。

 シングルスの5枚の出場切符のうち2枚を、樊振東と林高遠が手にした中国男子。残る3枚、馬龍と許シンは確定と言ってよさそうだが、張継科の出場はあるのか。劉国梁総監督曰く、まだコーチ陣でも最終的な結論は出していないという。選手エントリーの最終期限は3月29日、エントリーの修正は4月15日まで認められる。
  • 15年超級リーグプレーオフでの林高遠のプレー