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中国リポート

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 5月25日、CCTV-5(中国中央電視台・スポーツチャンネル)のテレビ番組『風雲会』に、世界選手権パリ大会(個人戦)を戦い終えた中国女子チームの孔令輝監督が出演。スタジオの観覧席で李暁霞や丁寧ら、女子チームの選手たちが見守る中、司会者の張斌さんと軽妙なトークを繰り広げた。

 「コーチから監督になって、大会中はちゃんと眠れていましたか?」と尋ねられ、「大会の時はいつもよく眠れています。選手時代に比べると、寝る時間はどんどん遅くなってきているけど、眠れないということはないですよ」と答えた孔令輝監督。
 「今回のドローでは、上半分(第1・3シードのブロック)に5人の選手が固まり、下半分(第2・4シードのブロック)には2人の選手しかいなかったので、すこしプレッシャーが大きくなりました。
 第4シードの馮天薇(シンガポール)が下半分にいて、同じブロックには若手の朱雨玲しかいなかった。朱雨玲は過去2回馮天薇に勝っていますが、ビッグゲームで対戦したことはないし、ビッグゲームでの若手選手のメンタルは正確に把握しにくい部分もありますからね。そして、準決勝で馮天薇と当たるのが第2シードの劉詩ウェンという組み合わせ。10年モスクワ大会で負けた相手です。全体で見れば分が良いとはいえ、少なからずプレッシャーがあったことは確かです」(孔令輝監督)。

 結果的に、朱雨玲は4回戦の姜華君(香港)戦でややもたついたものの、準々決勝で馮天薇をストレートで破り、中国女子は今大会もベスト4を独占。女子ダブルスも、タイトルを失った他のダブルス2種目とは違ってベストのペアリングで臨み、盤石の戦いぶりを見せた。「今大会で、将来中国女子の脅威となり得る若手選手はいましたか?」と聞かれ、孔令輝監督はこう答えている。

 「ヨーロッパの若手は伸びが止まっていると言わねばならないでしょう。やはり有望な若手はアジアに集中している。そして若手選手の育成という点では、日本が比較的進んでおり、力も入れています。今年のカタールオープンでは、すでに14歳前後の選手たちを派遣してきている。将来、彼女たちは我々にとって、大きな脅威になる可能性があります」。

 カタールオープンに出場していた14歳前後の選手たちというのは、平野美宇、伊藤美誠、浜本由惟、加藤美優らを指している。日本女子チームの将来を担う「黄金世代」と呼ばれる選手たちにも、中国は油断なく目を配っている。この強さにして、この用心深さ。最強軍団の最強たる所以(ゆえん)だろう。

photo:世界選手権も、個人戦なら枕を高くして眠れた様子の孔令輝監督。来年の団体戦はより難しい戦いとなりそう