5月18日の超級リーグ女子開幕戦で、金華銀行に3−2で競り勝った微山湖チーム(北京市女子チーム)。ラストでリ・ミョンスン(北朝鮮)が右ペン粒高攻守のカットキラー、周シントンを破る殊勲の星を挙げたのは、昨日お伝えしたとおり。彼女にはコーチと北朝鮮大使館から派遣されたスタッフの2名が帯同するということだったが、帯同するコーチが意外な人物であることが判明した。01年世界選手権大阪大会・女子単3位のキム・ユンミだ。
キム・ユンミはフォア面に裏ソフト、裏面に粒高ラバーを貼る中国式ペン攻守型。粒高での「裏面ショート」は卓球界に衝撃を与えた。01年世界選手権で李菊(中国)らを破ったプレーも語り草だが、中国では02年アジア競技大会決勝の中国対北朝鮮戦で、3番で李楠を破り、北朝鮮の優勝に貢献したことがよく知られている。このアジア競技大会決勝のビデオを見たことのある丁寧が、「ビデオに映っていた人じゃないの?」とすぐに見抜いたという。
05年シーズンには甲Aリーグの吉林省チームに加入し、現在でも簡単な中国語での会話はできるというキム・ユンミ。微山湖の閻永国監督はカタコトの中国語で、キム・ユンミを通じて周シントンの特長をリ・ミョンスンに伝えた。もちろん、キム・ユンミからも「ペン粒高によるカット攻略」のセオリーと対策がリ・ミョンスンに伝えられたに違いない。そうでなければ、カット打ちに驚異的な安定感を誇る周シントンを、初対戦で破るというのは考えにくい。それくらい周シントンのカット打ちはうまい。
超級リーグでベンチに入る資格がないため、観客席からリ・ミョンスンのプレーを見守るキム・ユンミ。あの裏面ショート、エキシビションでいいからもう一度観たいものだ。