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中国リポート

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 7月10日、中国男子チームは集合訓練を行っている福建省厦門市で、五輪代表が主体の「中国一隊(馬龍・張継科・許シン・樊振東)」と若手主体の「中国二隊(崔慶磊・王楚欽・方博)」による五輪団体戦方式のエキシビションマッチを行った。結果は下記のとおり。

 〈中国一隊 4−1 中国二隊〉
○張継科 −14、7、−12、8、8 王楚欽
○馬龍 9、−7、8、3 崔慶磊
○張継科/許シン 10、5、−8、−8、9 王楚欽/方博
 樊振東 −6、8、−13 方博○
○許シン 11、3 王楚欽
※4・5番は3ゲームズマッチ

 このようなエキシビションマッチの場合、「中国二隊」はライバルチームの主力選手を想定した人選が多いが、今回は右シェークドライブの方博と崔慶磊に、左シェークドライブの王楚欽。日本やタイペイを視野に入れつつも、主に「仮想・ドイツ」か。方博はオフチャロフ、王楚欽はボル、崔慶磊はシュテガーというイメージだ。
 試合はトップから白熱。張継科が左シェークドライブ型の王楚欽との大激戦を制した。試合後、劉国梁総監督は「張継科は数日前の部内試合で王楚欽に負けていた。彼はボールに威力があり、(張継科が韓国オープンで敗れた)陳建安ともタイプが似ている。張継科の弱点を的確に突いてくる」とコメントしている。「張継科は頭脳的かつテクニカルなプレーが不足していた。実力差で押し切ろうというプレーになっていた」(劉国梁総監督)。

 2番馬龍は、集合訓練でのルームメイトである崔慶磊に3−1で勝利。張継科と許シンのダブルスは、ゲームカウント2−0の第3ゲーム7−6からゲームオールまで持ち込まれたが、最終ゲーム8−8から何とか振り切り、チームの3−0での勝利を決めた。中国二隊は4番方博が樊振東を破り、一矢を報いている。

 この試合で大いに注目を集めた王楚欽は、吉林省出身で現在は北京市チームに所属する16歳。中国男子の左腕選手は、ダブルスで重用される傾向もあってか、フォアハンド重視でややプレーのバランスを欠く選手が多い中、王楚欽は両ハンドから威力あるドライブが打てるうえ、ボディバランスも素晴らしい。おとなしそうな風貌も含めて、何となく「左の馬龍」と言いたくなる雰囲気なのだが、バックハンドの攻撃力とコースの打ち分けは、同年齢だった頃の馬龍をはるかにしのぐ。
 ……話題が五輪代表から逸れてしまったが、中国男子初のサウスポーの世界王者が誕生するとしたら、この男だろう(言い過ぎですか?)。
  • エキシビションマッチで株を上げた王楚欽(写真は14年世界ジュニア)

  • 張継科、本番以外での不安定さは相変わらず?(写真は16年世界卓球)