●用具のこだわり by ゆう

【用具のこだわり】パワフルサウスポー・高杉東志

2016/01/14

愛工大名電高から中央大へ進んだ高杉選手。
男子3回戦では先輩・岡田崚に競り負けたが、力強いフォアハンドで大いに苦しめた。

ラケットは
タマス特注(FL)
フォアのラバーはテナジー05(特厚)
バックのラバーはテナジー64(特厚)

「ラケットはアリレートカーボンです。ブレードはビスカリア、グリップはSK7にしています。中学の時は中国ラバーを使っていて、グルーがなくなって水谷隼に変えました。名電に入ってからはアリレートカーボンですね。球が速いけどミスが多くて、ぼくにとってはZLCは硬いし速い。
 ティモボルALCのあと張継科、そしてビスカリアに変えていきました。アリレートカーボンのラケットでも張継科は柔らかくてティモボルALCは硬い。ビスカリアはその中間のような気がします。それで特注を作りました。

 ラバーはテナジー05と64です。一度、プラスチックになって両面05にしました。セルボールだとブロックもできなかった05がとたんに使いやすくなって良かったんですが、全然勝てなくなってしまった。練習だといいんですよね。何でも止まったんです。でも試合になるとブロックができなくて、64に戻しました。いい感じにバランスが良くなって、やっぱこれだろー!と調子も良くなりました」

オーソドックスな用具だが、紆余曲折を経ている。
テナジーの中でも何を選ぶか、それは小さな違いではあるが、プレーは大きく変わる。
  • 強烈なフォアドライブを放つ高杉

  • スペアラケットはティモボルグリップの特注

  • フォア面

  • バック面

【用具のこだわり】混合複でイッキの表彰台!千葉/平

2016/01/13

4回戦で及川/宋(青森山田高/中国電力)を、準々決勝では坪井/松澤(筑波大/日立化成)を破った千葉悠平/平真由香(埼玉工業大/正智深谷高)。
ふたりにとっては初めての全日本の表彰台。男子の千葉がチャンスを作り、女子の平が決めに行くという通常とは逆のパターンのペアだが、見事にマッチしていた。
彼らの用具に迫った!

千葉悠平選手の用具は
ラケットは水谷隼ZLC(AN)
フォアのラバーはテナジー05(特厚)
バックのラバーはテナジー64(特厚)

「野田学園的な組み合わせです。最初は張継科スーパーZLCを使っていて、硬いなーと思ったから次は水谷隼スーパーZLCに。まだ硬いと感じて今は水谷隼ZLCにしました。少しずつ軟らかいラケットにしています。そしてどんどんボールをつかむ感覚が感じられるようになっていますね。特にプラボールになってからは軟らかいラケットのほうがいいです。ラバーとの相性も良く、威力があってコントロールも利く。
グリップはアナトミックを使っています。FLはなんか、右利き用のような感じがして、一度ANを使ってみたらしっくりきました」

平真由香選手の用具は
ラケットはトルネードキング(FL)
フォアバックともにGFT48(特厚)

「前はスウェーデンカーボンを使っていて、ラケットだけ変えました。自分に力もついてきたので、もっと重いボールを出そうと思ったんです。スウェーデンカーボンはラケットも軽いし、ボールも少し軽い。トップで勝つためには重いボールが必要かなと。ラケットをいろいろ試させてもらって、一番良かったのがトルネードキングでした。
 重量は181gあります。前よりは少し重くなりました。私のドライブは沈むボールが多いんですが、今は伸びるボールが多い。私もボールが伸びて欲しいなーと思っていたので、今のが良いですね」

安定を求めた男子、威力を求めた女子。
ふたりの用具の変遷は、彼らのペアリングそのものだ
  • ナイスコンビネーションで表彰台ゲット

  • 明日はメダルの色をかけて準決勝へ臨む

  • 千葉選手フォア面

  • 千葉選手バック面

  • 平選手フォア面

  • 平選手バック面

【用具のこだわり】猪突猛進のドライブ野郎・葉波啓

2016/01/13

元気印の鶴岡東高勢の中でも体力がみなぎっている葉波。前後左右に縦横無尽に走り回り、どんなボールにも食らいつく。一昨年は1年生ながらインターハイ団体3位入賞の立役者となった。
彼の特徴はどこからでも打てるフォアドライブだ。それを支える用具を聞いた。

ラケットはキョウヒョウ皓3(FL)
フォアのラバーはテナジー05(特厚)
バックのラバーはテナジー80(特厚)

杉野森監督によると合うラケットがなくて、試して試して、とにかく試しまくったそうだ。

「ラケットはティモボルZLC→水谷隼→SK7と変えてきました。どんどん弾みを落としています。カーボンが入っていると全部のボールが速くなってしまう。ぼくは速いボールで打っていくタイプだけど、緩急も使いたいし、クセのあるボールも欲しかった。だから木材にしました。特にプラスチックボールになってカーボンが使えなくなりました。全然安定しないんです。全部の打法のスピードが出すぎてしまって、ミスが多くなってしまった。今は入る安定感重視です。
そのあとにインナーフォース系もほとんど試しました。サービス・レシーブは良いんですが、ドライブのボールが伸びない。同じ理由で5枚合板のキョウヒョウ王もダメです。ドライブは入るけど、最後は相手に取られてしまう。決められなかったです。

 そこにたまたまあったキョウヒョウハオ3を使ってみたんです。これが絶妙にバランスが良くて、木材の良さを持ちつつ、決めに行けるボールも打てるラケットでした。カーボンが板の中心に入っていて、センターカーボン。木材の良さを持ちつつ、ドライブもグッと伸びる。これだ!と思いました。表現すると木材とインナーフォースの中間です。5枚合板よりも少し飛んで、インナーフォースよりボールが伸びる。

 ラバーは最初テナジー05が難しくて扱えなくて、64を両面に貼っていました。水谷隼に両面64です。そこから80にして、05にしていきました。段階的に回転を上げて、徐々に慣れていきました。バックも64だったけど、回転を求めるようになって80にしています」

試しまくり、ようやく理想のラケットが見つかった葉波選手。
今月上旬に行われた高体連冬季強化合宿では、16勝2敗の好成績で1位だった。
「その時に使っていたラケットです。冬季合宿で良いプレーをしていたので、全日本もこれでいこうと決めました」(杉野森監督)

普通の指導者ならば「用具なんて気にするな、腕だ!」と言うところだが、監督もともに用具に悩み、選手が納得いくまで試させる。全日本ジュニアはベスト16だったが、一般シングルスは今日も2勝。明日の3回戦に挑む。
  • どこでもフォアで打っていける脚力が自慢

  • 杉野森監督の信頼も厚い

  • フォア面

  • バック面

【用具のこだわり】ブロックスタイル・新宮拓人

2016/01/13

両ハンドをブンブン振る男子卓球の中で、一際目立つブロックプレー。
超前陣に貼りつき、いやらしいほどしつこいブロックで相手が嫌がるコースを的確に攻め、相手が打ちあぐねたら、すかさずカウンターで叩いていく。一昨年のインターハイではベスト16入りをした強豪選手だ。

ラケットはインナーフォースレイヤーZLC(FL)
フォアラバーはテナジー25(特厚)
バックラバーはブルーファイアM1(2.0㎜)

「以前はフォア面はテナジー05を使っていたけど、オーバーミスが多かった。回転はかかるけど、飛んでいってしまう。そこで飛距離を抑えたいと思ってテナジー25にしました。思った通り良いですね。

バックは引っかかりやすさを重視しています。たまたま使っている人がいて、試したら良かったんです。スポンジが硬いM1がいいです。最初はMAXの厚さを貼っていましたが、2.0㎜に変えました。スポンジが厚すぎると滑る感覚がしたんです。2.0㎜にしたら滑らない。

ラケットはテナジー25に合うラケットを探して今のにしています。コントロールしやすくて、使いやすいです」

選手の感覚はそれぞれだ。
厚さを抑えることにより、ラバーが滑らないと感じることもある。
個人的には、テナジー25の使い手が全日本にいることを想像できなかったため、少しうれしい。
  • フォアのカウンター精度は非常に高い

  • 固いバックブロック

  • フォア面

  • バック面

【用具のこだわり】平侑里香は表ソフトを軸にする

2016/01/13

先日の世界選手権選考会ではリーグ2位に入り、見事トーナメントに進んだ平侑里香(サンリツ)。
前陣での早い連打を得意とし、特にバックハンドは安定感と威力を兼ね備えている。

ラケットはフォルティウスFT(FL)
フォアラバーはテナジー05(特厚)
バックラバーはブースターSA(特厚)

「テナジー05は回転もかかるし、伸びも良いです。高校時代は違うラバーを使っていたので、テナジーへの憧れはありました。使ってみるとやっぱりいいですね。

私はバックの表ソフトは譲れないんです。ブースターSAから変えられないです。SAはナックルは出にくいですが、回転がかかる。私は下回転に対してバックドライブで入ってからラリーにつなげるタイプなので、表ソフトでも回転量、滑らないことが第一なんです。
ツッツキでも回転がかかるので、気に入っています。

ラケットはブースターSAに合うものを選んだらフォルティウスFTになりました。かなりしっくりきています。ラケットは小指が当たる部分を深く握りたいので削っています。手が小さいので削らないと小指が滑っちゃうんですよ」

表ソフトという軸を作り、それを他の用具で固めていく。
軸がある選手は用具を選びやすい。
  • バックの回転が命

  • 回転がかかると評判のブースターSA

  • フォアはテナジー05

  • 小指が当たる部分が削ってある

【速報】「スコア速報」「リアル全日本フォト」は随時更新

2016/01/13

 本日は大会3日目、「REAL! TT 速報全日本」はまるで機関銃のように情報をアップしています。
 試合記録は「スコア速報」、全日本の写真は「リアル全日本フォト」をクリックすると見ることができます。随時アップしています。あなたの県のチャンピオンを見つけましょう!

【用具のこだわり】華麗なカット&攻撃・橋本帆乃香

2016/01/12

ジュニア3回戦が始まり、シード選手が登場している。
その中で、天才的なボールタッチと言われる四天王寺高の橋本選手は、その用具選びもまた面白い。

ラケットは剛力スーパーカット(FL)
フォアラバーはキョウヒョウ3ブルースポンジ
バックラバーはフェイントロング3(極薄)

国内正規流通品ではないキョウヒョウ3ブルースポンジについては割愛させていただく。ミキハウスがメーカーから購入しているもので、一般の人では手に入りづらいからだ。

ラケットの剛力スーパーカットは言わずと知れたヘビー級の重量のラケットだ。平均重量105g。通常ならばとても振れないだろう。

「それまで剛力を使っていたんですが、昨年のインターハイの前日に剛力スーパーカットに変えました。まだ製品化される前で、前日の練習で打ってみてと言われて、使ったらボールが剛力よりも深く入った。私よりも周りが『そっちのほうが良い』と言ってくれたので、インターハイ前日だったけど変えました。
 その前は朱世爀を使っていたけど、もっと重いラケットを使いたかった。朱世爀はカットが飛んでしまって、なおかつ少しボールが軽い。そしてラバーを貼った時、全体重量も軽かった。剛力スーパーカットにして、重量が重くなり、ガッチリしました。ボールの飛び方はかなり変わってしまいましたが、球持ちが上がったのでコントロールは良くなりました。打球音も良いです。

 バックは他の粒高を使っていましたが、ツッツキの変化がほしくてフェイントロング3にしています。カットだけではなく、前陣でのツッツキも変化をつけたい。ツッツキに変化がないと強打されてしまう。ツッツキを打たれるということは、自分が前陣にいる時です。それをしのぐのは難しいんです」


華麗なカットプレーを構築する明晰な頭脳。
これから日本を代表するカットマンになるかもしれない彼女の用具は
高い技術をしっかりと受け止める高度な組み合わせだ

【用具のこだわり】東北福祉大の異色ペア

2016/01/12

男子ダブルスで古内薫/木村尚貴(東北福祉大)のペアが初戦を突破。
古内選手は左シェーク両面表ソフト、木村選手は右シェーク両面裏ソフト。両極端だが、打ち合いに強いペアだ。

古内選手の用具
ラケットはSK7(FL)
フォアラバーはブースターHP(特厚)
バックラバーはブースターSA(厚)

「ラバーは長く使っています。フォアは弾みを重視しています。最後はフォアで決めに行くので、特厚にしています。バックは回転のかけやすさと嫌らしさ。相手が嫌うようなブロックで振り回します。両面表ですが、フォアとバックでも球質の差が出せるようにしています。
 ラケットはいろいろ試してSK7が打った感じ、一番弾むし打ちやすかった。高校のOBの人が使っていて、監督に使ってみればと言われたことがきっかけです。
 SK7は廃番になってしまって、予備があと1本しかないので、他を探さないとと思っています」

木村選手の用具
ラケットはルデアックパワー(FL)
ラバーは両面ともオメガ5プロ(MAX)

「ぼくは力がないので、ボールを飛ばせない。だったらラケットを力強いものにして用具で飛ばす。相手と打ち合えるように用具に威力を借りています。オメガ5プロは食い込みが良いので、下がって打ち合っても飛んでくれます。力がなくても良いボールがいく組み合わせです」

両面表でも全日本で勝てる。そして力がなくても全日本で勝てる。
それを証明したふたりだ。
  • 打ち合いに強いふたり

  • ベンチは泣く子も黙る楊玉華さん(世界複3位/全日学4連覇)

  • 古内選手のフォア面

  • 古内選手のバック面

  • 木村選手のフォア面

  • 木村選手のバック面

【用具のこだわり】慶應義塾大の混合ダブルスに聞いた!

2016/01/12

混合ダブルスで惜しい試合をした慶應義塾大ペア。
彼らの用具が気になり、聞いてみた。

男子の三田村凌選手は

ラケットはシルバーALL WOOD(FL)
フォア・バックともにラクザ9(特厚)

「回転がかかって重いボールが出ます。パワーで押し切る卓球なので、威力が出る用具がいいんです。ラクザXも使いましたが直線的になりすぎてしまい、難しかったです。でも9はどんなに強く打っても山なりに飛んでくれるから良いですね。
 5枚合板ですが重量が結構あるので、重いボールが打てます。とにかく威力を出したいんです」

女子の山口愛選手は

ラケットはアコースティック(FL)
フォアラバーはテナジー05(特厚)
バックラバーはテナジー80(特厚)

「ラリータイプなので、自分の手で打っている感覚がほしい。いろいろ試したけど、アコースティックが一番自分の手で打っている感覚がありました。
 パワーがないので、ラバーの力を借りたい。弾んでくれて、コントロールできるラバーを選んでいます。自動的に弾むラバーですが、自分の力も加えやすいです」


男子はパワー重視、女子はコントロール重視の用具選び。
自分のパワーにどれだけ応えてくれるかを用具に求め、
もう一方は自分にパワーをどれだけ与えてくれるかを用具に求めている。
逆の発想は参考になるだろう。
  • パワーとラリーのナイスコンビ

  • 三田村選手の用具(バック面は同じラバーのため省略)

  • 山口選手の用具(フォア面)

  • 山口選手の用具(バック面)

【用具のこだわり】左腕の弾丸ファイター・石山慎

2016/01/11

昨年のインターハイで1年生ながらエースとして躍動した開志国際高の石山慎選手。
左腕から放たれる強烈なドライブは、鋭い弾道でコートに突き刺さる。

ラケットはキョウヒョウ龍(ST)
フォアラバーはテナジー05(特厚)
バックラバーはファスタークGー1(特厚)

「アリレートカーボンが好きで前までティモボルALCを使っていました。ぼくは打ってから決めるわけじゃなくて、カタログなどの性能値を見て決めるタイプ。でもこのキョウヒョウ龍は新潟大の人が使っていて、一度使わせてもらったらティモボルALCに似ているし、もっと破壊力があって相手が取りづらそうでした。すごく高いラケットなので悩みましたが、思い切って買いました。高いのでまだスペアラケットは買えてないから、全日本もこれ1本です。試合中にぶつけたら終わりです。
 ラバーはテナジーが高くなったので両面ともファスタークG-1にしていたんですが、これも新潟大の人に『前のほうがボールが重かったよ』と言われてテナジー05に戻しました。両面は値段が厳しいので、フォアだけですが。
 でもファスタークは森薗さん(明治大)が『チキータがやりやすい』といろんな雑誌とかでコメントしていたので、ぼくもチキータから入るタイプだからこれで行こうと思いました。
 用具を変えるとモチベーションがあがります。気分転換にもなるので、ラケットを変えて良かったと思います。いつかはスペアも買いたいです」

あまり用具にこだわるタイプではないと本人は言う。
しかし、モチベーションがあがる、やる気がでるという最高のカンフル剤になっているのだ。