卓球王国2月号 好評発売中!
Tリーグ応援サイトはこちらから!!
サイト内検索
スマホ版に
戻る

トピックス

トップニューストピックス
 5月8〜12日にスロベニア・オトーチェッツでITTFチャレンジ・スロベニアオープンが開催。日本からは男女各7選手が出場し、女子ダブルスで木原美悠・長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/JOCエリートアカデミー/大原学園)が決勝で大藤沙月/芝田沙季(ミキハウスJSC/ミキハウス)をストレートで下し優勝を果たした。長﨑は女子アンダー21でも優勝し、今大会2冠を獲得した。

 男子シングルスでは神巧也(T.T彩たま)が3回戦でカットのフィルス(ドイツ)をゲームオールで下し上位に進出。準決勝では優勝したウェイ・シハオ(クロアチア)に敗れたものの3位入賞を果たした。女子シングルスでは大藤沙月(ミキハウスJSC)が準々決勝で長﨑との同士討ちをゲームオールジュースで制し準決勝へ進出。ペソツカ(ウクライナ)にはストレートで敗れたが3位に入った。女子の優勝はポータ(ハンガリー)。最終の第7ゲームのジュース戦を制してペソツカに勝利し、タイトルを獲得した。

 各種目の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。

■ITTFチャレンジ・スロベニアオープン優勝記録
●男子シングルス優勝:ウェイ・シハオ(クロアチア) 3位:神巧也
●女子シングルス優勝:ポータ(ハンガリー) 3位:大藤沙月
●男子ダブルス優勝:ジョウティ/ツボイ(ブラジル)
●女子ダブルス優勝:木原美悠/長﨑美柚 2位:大藤沙月/芝田沙季
●男子アンダー21優勝:馮翊新(チャイニーズタイペイ) 3位:田原彰悟
●女子アンダー21優勝:長﨑美柚
 5月1〜5日にセルビア・ベオグラードでITTFチャレンジ・セルビアオープンが開催。日本からは男子8選手、女子4選手が参加し、女子シングルスで早田ひな(日本生命)が優勝を果たした。早田は準決勝でミハイロワ(ロシア)をストレートで、決勝では蘇慧音(香港)を4-1で破り優勝。チャレンジシリーズでは今季3勝目をあげた。
 男子シングルスでは田原彰悟と田中佑汰(いずれも愛知工業大)のベスト8が最高成績となった。

 各種目の優勝記録は以下のとおり。

ITTFチャレンジ・セルビアオープン優勝記録
●男子シングルス優勝:ドリンコール(イングランド)
●女子シングルス優勝:早田ひな 
● 男子ダブルス優勝:カルヴァーリョ/ジェラルド(ポルトガル)
● 女子ダブルス優勝:呉穎嵐/蘇慧音(香港)
● 男子アンダー21優勝:デ・ノドレスト(フランス)
● 女子アンダー21優勝:マラニナ(ロシア)
ITTFが試験的にラバーをラケットから剥がして検査。
用具ドーピングに歯止めをかけられるのか


 卓球の世界選手権(個人戦)ブダペスト大会の大会期間中、今後、一部のワールドツアーなどの大会で、新しいラケット・ラバーの検査方法をテストしていくことが決定した。ITTF(国際卓球連盟)の関係者への取材でわかった。
 これまでもラバーの厚さについては事前検査などでチェックしていたが、今回の新しい検査方法では、試合で敗れた選手に対してラケットからラバーをはがし、ラバーの厚さが規定の4mm以内に収まっているか、『ブースター』(補助剤)が使われていないかというチェックが行われる。

 『ブースター』とはラバーに塗り込むオイル系の液体で、『ブースター』を塗ることでラバー全体がほどよく軟らかくなり、弾性が増す。特に中国性の粘着力の強いラバーのように、硬くて強い回転のかかるラバーに塗り、ラバーを思い切り伸ばしながらラケットに貼ると効果は大きい。このブースターは一定時間、効果を発揮する。
 一方、日本製の『テナジー』(バタフライ)のようなテンションの強いラバーに対してはブースターは効果は薄いと言われているが、それでもテンションラバーにブースターを使う選手も後を絶たない。

 もともと卓球では1970年代から『スピードグルー』(スピード増強接着剤)が使用され、ラバーを膨らませ、ラバー全体にテンションをかけて弾性を高めることが日常的に行われていた。この『スピードグルー』には人体に有害な揮発性有機溶剤が含まれていたが、2008年にITTFが使用を禁止。その後に、揮発性有機溶剤を含まず、接着力のないブースター(オイル系)が出てきたのだが、「ラバーの後加工(あとかこう)禁止」(ラバーは出荷状態と同質のものでなければいけない)」というルールができて、水溶性接着剤と接着シートのみが許可されている。ブースターの使用は、出荷されたラバーに後加工するために、卓球における「用具ドーピング」とも言われている。

 スピードグルーの禁止当初から、硬い中国製ラバーを使用する選手は、隠れてラバーにブースターを塗っていた。2012年のロンドン五輪後に日本の水谷隼が「ブースター問題を解決してほしい。アンフェアだ」と抗議し、国際大会をボイコットしたこともある。

 しかし、その後も中国ラバー以外のラバーにもブースターを塗る行為が横行し、ボールに威力を出そうとする選手の動きは止まらなかった。検査する際にラバーを剥がすわけではないので、ラケット中心部を薄く削り、ラバーの打球部分のみ規定の4mmよりも厚くして、ボールの威力を出そうとする選手もいると言われてきた。今回の新しい検査方法でラバーを剥がすことになれば、もしラケットに何らかの細工をしていればすぐに発見されるだろう。

新しい検査方法は、中国が標的ではない
「フェアな用具を使う卓球」への変身を目指している


 実際には、人体に無害のオイルで、有機溶剤の検査に引っかからないブースターを使うのがなぜ悪いのか、ブースターの後加工を認めるべきだという議論は以前からある。しかし、後加工を認めてしまえば、卓球の用具は際限なく細工され、用具偏重に陥り、スポーツではなくなってしまうという懸念もある。かつて、粒高ラバーを電子レンジで加熱して後加工していたという、嘘のような本当の話も存在する。

 今後はクロアチアオープン、香港オープン、ワールドチームカップなどで試験的な検査が実施される模様だ。今後、より多くの国際大会や国内大会でも行われるようになれば、ブースターや後加工したラバーを使っている選手に対して、一定の抑止力にはなるだろう。

 特に中国選手は、ブースターがもっとも効果を発揮する中国製ラバーを使っている。今回の検査が中国ラバーそのものに対する抑止力になるとすれば、彼らのプレーにも影響を与えるだろう。ただし、中国選手のほとんどがフォア面に中国ラバーを貼り、バック面に日本製ラバーを貼っている。つまり、彼らは十分に日本製ラバーも使いこなすし、用具だけで勝っているわけではない。その鍛え上げられた身体能力と技術力で勝っていることにも着目しなくてはいけない。

 今回の新しい検査方法は中国選手に対する抑止力を高めるものではなく、「フェアな用具を使う卓球」への変身を目指したものだ。さらに今後、はがしたラバーをガスクロマトグラフィー(化合物の機器検査)にかけ、出荷時のラバーと違う成分を持つラバー(後加工)を使用した選手に厳しいペナルティーを与えるなどのルールを強化していかければ、この後加工問題(用具ドーピング)は解決しないだろう。(今野)
  • 中国選手のラケットに貼られている中国製ラバー。表面が不自然に波打っている

ITTF(国際卓球連盟)より、2019年5月の世界ランキングが発表された。
 日本男子の首位は張本智和・4位、日本女子の首位は石川佳純・6位で、ともに先月と変動はなかった。
 長く故障で戦線離脱してランキングを落としていた馬龍(中国)が、復帰後は徐々にランキングを上げ、先月の11位から今月は5位に浮上している。

その他、気になるトップ選手の動向は

   ↓ をクリック
http://world-tt.com/ps_player/worldrank.php
 21日に開幕した世界選手権個人戦、69年ぶりにハンガリーのブダペストで静かに始まったが、来年の東京五輪を前に、ここがアジア勢の決戦の地になることを誰もが想像している。日本選手も中国選手も安定した出足を見せながら、大会のスタートを切っている。
 1926年(昭和1年)に国際卓球連盟が創立され、第1回世界選手権がイングランドのウェンブレーで開催された。その時の創立協会のひとつがハンガリーである。卓球が中国発祥の思っている人も多いのだが、実はイングランドが発祥で、アジアの日本や中国が世界の舞台に立つのは1950年代以降の話なのだ。
 かつてはシド、サバドス、ベルチック、その後、1970年代以降は、ヨニエル、クランパ、ゲルゲリーがハンガリーの全盛時代を築いた。世界卓球界の盟主であり、スウェーデンとともにヨーロッパ卓球の中核だった。

 大きな転換期は1989年。まずはドイツのベルリンの壁の崩壊だ。その後、冷戦は終結し、東欧の民主化が進んでいく中で、古豪ハンガリーも衰退していく。
 そういう中で2007年ザグレブ(クロアチア)、2010年モスクワ(ロシア)に続く、東欧ハンガリーでの開催となった。自国が決して強くはない中、今回よくぞ大会を招致し、開催したものだと思う。ハンガリー選手の活躍で盛り上がることがないと想定される中で、大会を持ってくるのはある意味相当の決意が必要となる。そこに国際卓球連盟創立協会として、かつて世界の覇権を握っていた協会の矜持を垣間見ることができる。

 今、ヨーロッパの卓球界は瀕死の状態になっている。かつて、ハンガリー全盛時代があり、その後、1980年代後半からスウェーデン全盛時代が訪れ、日本は低迷していたものの、そのヨーロッパに中国と韓国、北朝鮮が対抗する時代があった。
 1980年代から2000年にかけての世界の卓球はダイナミックでエキサイティングな時代だった。世界チャンピオンになりえる選手たちがいくつもの国にいた。卓球スタイルも百花斉放で、個性的な選手が多くいた。

 スウェーデン全盛時代に、まずスウェーデンの育成システムや練習方法はほかのヨーロッパの国々が模倣した。スウェーデン選手の創造的なプレーはコピーできなくても、その練習メソッドのコピーによって、個性的だったヨーロッパの国々の卓球がある意味画一化されていった。

 前述した1991年の東欧の自由化が、世界卓球に与えた影響は大きい。それまでハンガリーをはじめ、ユーゴスラビア(のちにセルビアやクロアチアなどに分離)、チェコスロバキア(後にチェコとスロバキアに分離)、ポーランド、ソ連(後のロシアやベラルーシ、ウクライナなど15カ国)などの国々は、卓球選手はステートアマ(国が支えるアマチュア選手)と呼ばれていたが、実施的には職業卓球人(プロフェッショナル)だった。彼らは国のナショナルトレーニングセンターで練習を重ね、生活をしていた。
 それが東欧民主化によって、ステートアマがなくなり、自力での生活を余儀なくされる。それは生活するためにはドイツ・ブンデスリーガやフランスリーグで、プロ選手として生活するということだった。

 それは有望な選手が、自国での訓練を行わないことを意味していた。これによって一気に東欧の卓球のレベルが落ち、世界の卓球の勢力図は、ドイツ、スウェーデン、フランスなどのヨーロッパのわずかな国と、中国、韓国、日本、チャイニーズタイペイ、香港、シンガポールなどのアジアに大きく傾いていく。
 もうひとつ重要なのは指導者の問題だ。それまでは国家公務員として保護されている中でジュニアやシニアを指導していたコーチが、民主化の影響で生活できなくなり、激減したことだ。
 東欧に限らず、ドイツ、スウェーデン、フランスでも良い指導者の枯渇が問題視されており、これがヨーロッパ卓球の地盤低下、低迷の最大の要因かもしれない。

 プロの指導者がいないヨーロッパに対し、日本では、特に女子では選手ひとりにマンツーマンコーチ、専任の練習相手、専任のフィジカルが帯同するのが当たり前となっている。日本選手を支えている経済的バックボーンが日本とヨーロッパの差になって現れているとも言える。

 日本の強化体制の二つの柱は個人の恵まれた環境と協会のサポートである。常に練習できるナショナルトレーニングセンターの存在も大きい。選手個人の所属チーム(もしくはスポンサー)の強大な経済的バックアップ(特に女子)、そこへの協会の配慮によって、日本の卓球は近年、独特の発展を遂げている。国家チームとして協会が全てを決定し、掌握する中国とは異なる強化方法だ。
 ヨーロッパの衰退と日本の隆盛。時に過剰にも見える日本選手の環境だが、中国や韓国でさえ参考にしようという動きもある。フルタイムのコーチさえ減っているヨーロッパにとって、ひとりの選手に専任のコーチ、専任の練習相手やフィジカルコーチがつくという体制は垂涎の的になっている。

 ヨーロッパ女子は壊滅的な状態であり、男子はボル、オフチャロフというドイツ勢も高齢化する中、有望な若手が出てこない。ヨーロッパが徐々にはあるが弱っていく中、卓球大国の威信を保とうとする中国と、多くのメダリストを輩出してきた韓国の地力、そして日本の素晴らしい環境などを考えると、今や完全に世界卓球の勢力図はアジアを中心に描かれている。

 「卓球がアジアスポーツになる」ことを関係者は指をくわえて眺めるしかないのか。近年、国際卓球連盟はマーケティング先行で卓球のステイタスを上げるために新しい試みを見せているが、卓球はグローバルスポーツとして、実は、内憂外患の時代を迎えている。 (今野)
  • 日本の柱、石川選手。「チーム石川」としての環境は整っている

  • かつてのスター選手、メイスの復活。欧州の若手は枯渇状態

 4月18日より、奈良・ジェイテクトアリーナ奈良で開催されていた第28回日本卓球リーグ選手権 ビッグトーナメント奈良大会が本日終了。昨日は男女ダブルス、今日は男女シングルスの決勝までが行われ、男子は有延大夢(リコー)、女子は宋恵佳(中国電力)がともに2冠に輝いた。

【男子シングルス】
優勝:有延大夢(リコー)
準優勝:笠原弘光(シチズン時計)
3位:平野友樹(協和発酵キリン)、上村慶哉(シチズン時計)

【女子シングルス】
優勝:宋恵佳(中国電力)
準優勝:安藤みなみ(十六銀行)
3位:平侑里香(サンリツ)、平真由香(日立化成)


【男子ダブルス】
優勝:鹿屋良平/有延大夢(リコー)
準優勝:松下海輝/藤村友也(日鉄物流ブレイザーズ)
3位:江藤慧/松下大星(クローバー歯科カスピッズ)、後藤卓也/渡辺裕介(協和発酵キリン)

【女子ダブルス】
優勝:土田美佳/宋恵佳(中国電力)
準優勝:松本優希/平侑里香(サンリツ)
3位:安藤みなみ/徳永美子(十六銀行)、鈴木李茄/近藤早紀(日立化成)

 有延は今日の初戦でいきなり皆川(日野自動車)に2ゲームを先取される苦しい立ち上がりも、徐々に調子を上げて藤村(日鉄物流ブレイザーズ)、高木和(東京アート)らを下して決勝進出。決勝では積極的に先手を奪っての鋭いドライブ速攻、持ち上げさせてのカウンターで笠原のペースに持ち込ませず3-1で優勝を決めた。
 シチズン時計に移籍後、初のゲームとなった笠原は気合いの入ったプレーで準優勝。準々決勝で松平、準決勝で平野と、昨年度まで所属した協和発酵キリンのエース2人を退けるなど存在感を放ったが、優勝には届かず。決勝後はベンチで悔しさをにじませた。

 宋は予選リーグ2位通過からの優勝。準決勝で社会人女王の平(サンリツ)にゲームカウント2-0と追い込まれたが、ここから3ゲーム連取で決勝へ。「相性は良いと思う」という青森山田の後輩・安藤の変化も苦にせず、しっかりとボールを絞ってストレートで圧倒。クールな宋だが、優勝の瞬間は拳を握り、チームメイトからの声援に笑顔を見せた。
 ルーキーの安藤はさすがの実力を見せて決勝に勝ち上がるも、青森山田の先輩に屈しデビュー戦Vはならなかった。しかし、実力者ひしめく中での準優勝は見事。チーム、そして日本リーグを盛り上げる選手となりそうだ。

 リコー、中国電力にとっては、初のビッグトーナメントでのタイトル獲得。昨シーズン、ファイナル4を初めて制した両チームだが、今年度の日本リーグ最初のゲームでも大きなインパクトを残した。
  • 男子シングルス優勝:有延大夢

  • 女子シングルス優勝:宋恵佳

  • 男女ダブルス優勝ペア

 いよいよ明日4月21日に開幕する『世界卓球2019ブダペスト大会(個人戦)』。
 同大会の模様が、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」にて4月23〜29日の期間中、日本語実況・解説付きでLIVE配信・見逃し配信が行われる。
 さらに、4月25〜28日は全試合Paraviが独占配信することが決定した。
 ParaviでのLIVE配信予定は以下のとおり

【Paravi(パラビ)LIVE配信概要】※日本語実況・解説付き
4月23日(火) 01:00~03:45 (4月22日(月)深夜25:00~27:45)
4月23日(火) 17:00~27:40
4月24日(水) 17:00~27:00 
4月25日(木) 17:00~28:00 ※Paravi独占配信
4月26日(金) 19:00~27:00 ※Paravi独占配信
4月27日(土) 19:00~27:00 ※Paravi独占配信
4月28日(日) 20:30~22:30 ※Paravi独占配信
※アーカイブ配信:LIVE配信終了後、順次配信予定
※大会の進行により、配信時間変更の可能性があります。あらかじめご了承ください。


●動画配信サービス「Paravi」世界卓球視聴ページ
https://www.paravi.jp/title/40440


 
 4月15〜19日にベルギー・スパでITTFジュニアサーキット・ベルギージュニア&カデットオープンが開催。日本からは男子5選手のみ参加し、ジュニア男子ダブルスで篠塚大登/横谷晟(愛工大名電中)が決勝でベルギーペアをゲームオールジュースで下し優勝を果たした。ジュニア男子シングルスでは吉山僚一(愛工大名電中)のベスト16が最高の成績となったが、ジュニア男子団体では日本/ニュージーランドの混成チーム(吉山・柏竹琉/ネイサン・シュ)が準優勝。カデット男子シングルスでは鈴木颯(愛工大名電中)が3位と健闘した。

 大会の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。 

■ベルギージュニア&カデット記録(※日本女子は不参加)
●ジュニア男子シングルス優勝:全開源(中国)
●ジュニア女子シングルス優勝:臧小桐 (中国) 
●ジュニア男子ダブルス優勝:篠塚大登/横谷晟
●ジュニア女子ダブルス優勝:冷雨桐/梁家怡(中国)
● ジュニア男子団体優勝:中国 2位:日本/ニュージーランド混成(吉山僚一・柏竹琉/ネイサン・シュ) 
● ジュニア女子団体優勝:中国 
●カデット男子シングルス優勝:陳垣宇(中国) 3位:鈴木颯
●カデット女子シングルス優勝:徐奕(中国) 
●カデット男子ダブルス優勝:陳垣宇/林詩棟(中国) 
●カデット女子ダブルス優勝:劉如紜/蔡昀恩(チャイニーズタイペイ) 
● カデット男子団体:中国 
● カデット女子団体:中国
● ホープス男子シングルス優勝:サモヒン(ロシア)
●ホープス女子シングルス優勝:葉伊恬(チャイニーズタイペイ)
 スポーツライターの城島充氏が描き上げ、1999年のNumberスポーツノンフィクション新人賞を受賞した『武蔵野のローレライ』の主人公であり、荻村伊智朗氏(故人・元世界チャンピオン、元国際卓球連盟会長)を長く支えた上原久枝さんが4月19日午前に逝去された。
99歳だった。

 ひとりの主婦だった上原さんが、東京の吉祥寺の自宅を改造して作った武蔵野卓球場。この卓球場から後の世界チャンピオン荻村伊智朗が育っていった。また、その後、荻村が主宰する青卓会というクラブチームを上原さんは陰で支えた。

 実は、現在、卓球王国の発行・編集人である今野昇、編集スタッフである中川学、営業担当の宮内信也、販売担当の榎並雅子は若い時に武蔵野卓球場で汗を流し、卓球王国を創刊する時も上原さんに叱咤激励された縁がある。上原さんと会っていなければ、四人は卓球の仕事に入ることはなかったかもしれない。また、青卓会は国際交流も盛んに行い、スウェーデンのステラン・ベンクソン(1971年世界チャンピオン)、ウルフ・カールソン(1985年世界ダブルスチャンピオン)も武蔵野卓球場や上原さんにお世話になった。
 故人のご冥福をお祈りする。
 4月21日に開幕する世界選手権ブダペスト大会(個人戦)。
 それに先だって4月13日に、世界選手権日本代表の公開練習と記者会見が行われた。その席上で、マイクを向けられた全日本チャンピオンの水谷隼(木下グループ)は「世界選手権の個人戦はこれが最後です」と多くのメディアの前でそう語った。以前から、「日本代表として東京五輪が自分の最後の大会」と語っていただけに、最後の世界選手権個人戦、と彼が言っても驚きはない。
 しかし、全日本選手権で優勝した直後の「最後の全日本」発言に始まり、ここに来て「最後の世界選手権個人戦」と続いた。それは彼自身の決意表明だったのか、世界戦(個人戦)への決別だったのか……。

 その会見の1時間半前に行われた記者のための囲み取材で、記者の質問は水谷の目のことに集中した。

 「会場にもよるけど、国際大会で暗い中でやる時にはボールはほとんど見えない。18年1月からこんな状態です」と語り始め、15分間の囲み取材のうち、12分間は目のことに質問が集中した。全日本チャンピオンの水谷であれば、もっと卓球に関する質問があってもいいし、本人もそういう質問に誘導すべきではないのか。
 個人的にはそういう水谷を取り巻く雰囲気には辟易している。最後の世界選手権個人戦であれば、その決意や卓球への思いの強さをもっと語ってほしかった。それが全日本チャンピオンとしての矜持ではなかったのか。

 1月に全日本優勝を決めた直後の卓球王国へのインタビューで、彼の目に関するコメントを拾ってみた。
「ボールが見えなかったし、1球のストレスがすごくて、どんなチャンスボールでもミスをしそうだった」「目の病気ではないので原因がわからない。光が反射して、ザワザワした感じでクリアに見えない」 
目が改善されなくて、オリンピックに行くのはしんどくない?
「オリンピックと言うよりは、これからのワールドツアーだと会場が暗くて本当にボールが見えない。手術もしたけど、いまだにボールが見えなくて、これからどうしていいのかわからない」

 全日本選手権で優勝したからこそ、水谷は目のことを正直に語ったのかもしれない。今回の合同の囲み取材でもそうだが、堰を切ったように目のことを語った水谷。今まで言いたくてもそれが言い訳に聞こえてしまうために、言えない苦しみを自ら口に出しているということなのだろう。

 しかし、今のままでは世界選手権でも、水谷が戦ったあとには常に目の質問が集中するだろう。暗い会場でスポットライトが入るようなコートでの見えにくさは、彼だけではなくほかの選手も感じている。それを口に出すかどうかは選手次第。もちろん、その目の不調の苦しみは彼にしかわからない。
「目のことは水谷しかわからないので、彼に寄り添っていくし、できるだけのことはしていく。ただ、なるべく卓球に集中する環境をつくってあげたい」と男子NTの倉嶋洋介監督は語った。

 その通り、今回の世界選手権で水谷は卓球に集中しなければならない。彼が戦う前に目のことが気になって集中力が落ち、最後の世界選手権個人戦で力を発揮できないことが心配だ。最後の世界個人戦で水谷隼という、日本卓球界の顔ともいうべき選手に後悔を残してほしくない。
 ブダペストで水谷が戦うべき相手は二人いる。ひとりはコートの向こうの相手であり、もうひとりは目の問題に逃げ込もうとする水谷自身なのだ。今はただ、ブダペスト大会のプレー環境が、彼にとって良好なものであることを願うばかりだ。(今野)
  • 2月のジャパントップ12でサングラスをかけてプレーする水谷