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速報・現地リポート

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女子ワールドカップ仙台大会

●女子シングルス準々決勝&タイムテーブル

16:00〜 福原愛 vs. P.ゾルヤ(ドイツ)
16:45〜 石川佳純 vs. リュウ・ジャ(オーストリア)
17:30〜 劉詩ウェン(中国) vs. フー・メレク(トルコ)
18:15〜 リー・ジャオ(オランダ) vs. 朱雨玲(中国)

女子シングルス準々決勝の対戦カードは上記のとおり。福原は馮天薇、石川は徐孝元との対戦になるかと思いきや、どちらの試合も世界ランキング下位の選手が勝ち上がってきた。

福原が対戦するゾルヤは、上回転のラリーには抜群に強い。ショートスイングで強烈な回転をかけてくる打球センスは天性のものだ。左右の揺さぶりだけでなく、どこまで前後の揺さぶりを使えるか。石川はリュウ・ジャとのサウスポー対決。あまりパワーのない選手だが、下がっても意外に粘り強く、あまいボールにはフラットに叩く強打もある。サービスから早めに仕掛けたい。

ここまでの大会を見ていると、P.ゾルヤやポータ、エジプトのメシュレフのような上回転のラリーに強い選手が活躍。完全に使用球であるニッタクのボールを味方につけている。一方、カットのリー・ジエやイバンチャン、徐孝元はカットの切れ味や変化でミスを誘うことができず、初戦で姿を消した。観客にとっては、下回転の打ちミスが続出する試合より、上回転のラリーが続く試合のほうが見栄えがする。ボールも大会を盛り上げるにはひと役買っていると言えるだろう。
  • 快調なプレーを見せるゾルヤ。福原も油断できない

  • その強さはいまだ健在、リュウ・ジャ

  • 1回戦で姿を消した徐孝元

  • リー・ジエも、フー・メレクのループドライブからのスマッシュに散る

●第2ステージ(決勝トーナメント)
 
劉詩ウェン(中国) 10、4、−8、3、5 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)

フー・メレク(トルコ) 4、11、11、5 リー・ジエ(オランダ)


リー・ジャオ(オランダ) −10、9、8、7、8 
梁夏銀(韓国)
朱雨玲(中国) -10 、−10、−8、5、8、7,6 ポータ(ハンガリー)

 世界3位の朱雨玲がハンガリーのポータに3−0とリードを奪われたが、そこから盛り返した。また梁夏銀(韓国)はリー・ジャオ(オランダ)に敗れ、1回戦で姿を消した。

 朱雨玲はまさに辛勝だった。第1ゲーム10ー8のゲームポイントから逆転され、第2ゲームも10ー9で3球目バックドライブをイージーミス。第3ゲームから、フォア主体のプレーに切り替えたが、ポータのブロックにつかまった。朱雨玲が7ー8でタイムアウトを取りながら、まったく効果がなく8ー11でゲームを落とし、0ー3になった時は会場もざわめいたが……。

 ハーフロングのバックサービスを出し、「出たら打っていいわよ」という感じで構えるポータ。台上をほとんど省略したようなプレーで、強打されても「待ってました」という感じでブロックし、ラリー戦に持ち込む。両ハンドで上からボールを叩いていくそのプレーが、対中国でまんまとハマッた。打球が直線的なので、試合の後半で朱雨玲にストレートとミドルをうまく攻められ、粘られた時にミスが増えてしまったが、勝利のチャンスは十分にあった。
  • 朱雨玲の表情が曇る。ハードなスケジュールも影響しているようだ

  • プラボール時代になって復活してきたポータ

  • 孔令輝、アドバイスも後手に回った感あり

  • 朱雨玲の担当コーチ・閻森も観客席で厳しい表情

●第2ステージ(決勝トーナメント)
 
石川佳純(日本) 4、6、7、3  イバンチャン(ドイツ)

リュウ・ジャ(オーストリア)
 −9、9、9、5,7 徐孝元(韓国)

 石川はカットのイバンチャン(世界42位)に快勝して、準々決勝に駒を進めた。出足から落ち着いたカット打ちでつけいる隙を与えなかった。「久しぶりにスタートから良い試合ができた。カットマンとはいえ、先手先手を取って、ラリーを短くできた」と石川。
 一方、準々決勝で石川と対戦するだろうと思われていた世界10位の徐孝元が同28位のリュウ・ジャのミスのないカット攻めに屈した。準々決勝で石川はサウスポーとのリュウ・ジャと対戦する。
  • 落ち着いたカット攻略を見せた石川

  • ドイツの壁、イバンチャン

  • 徐のカットをミスのない攻撃で崩したリュウ・ジャ

●第2ステージ(決勝トーナメント)
 
P.ゾルヤ(ドイツ)
 7、8、4、10 馮天薇(シンガポール)
福原愛(日本) 4、−6、3、13、6 メシュレフ(エジプト)



 福原の初戦はエジプトのメシュレフ、世界ランキング116位だが予選リーグで世界19位の杜凱琹(香港)に快勝して実力を見せている。2ゲーム目からメシュレフは福原の前後の揺さぶりに対応する。
 勝負は4ゲーム目。10−7から追いつかれ、14−13でリードしたところでタイムアウト。結局15−13でこのゲームを取り、福原は試合の流れを引き寄せた。4−1で福原は勝利し、午後からの準々決勝ではドイツのゾルヤと対戦する。

 世界ランキング26位のドイツのゾルヤは、同6位の馮天薇(シンガポール)にストレート勝ちを収めた。軸のぶれない両ハンド、回転量の多いドライブで最後まで馮天薇を苦しめた。
  • 福原、要所を締めて4ー1で勝利

  • 今大会、大いにその存在をアピールしたメシュレフ

  • アリ地獄のようなゾルヤの両ハンド。馮天薇を完璧に封じる

昨日のドローに先駆けて、会場では福原愛&劉詩ウェンのショートインタビューが行われた。トップに登場したのはやはり地元出身の福原。「愛ちゃ〜ん!」の歓声も飛ぶ中、「こちらの会場に来るのは初めてですが、赤が基調ですごくきれいな体育館だと思います。私は10歳まで仙台にいたので、仙台では小学校時代の思い出が一番大きいですね。皆さんの前でプレーできることをうれしく思いますし、少しでも皆さんに「成長したな」と思ってもらえるようなプレーをしたい」とコメント。会場からは大きな拍手が送られた。

続いて登場した劉詩ウェンは、仙台の印象について尋ねられ、「愛ちゃんの出身地ということを一番に思い浮かべます。愛ちゃんが牛タンのお店に招待してくれて、牛タンを食べました」とコメント。愛ちゃん、地元・仙台で「ホスト役」もきっちり務めていたのだ。
2006年に中国スーパーリーグの広東佐川急便でチームメイトだったふたり。「スーパーリーグ時代にお互いのことを知るようになった。彼女はいつもかわいいし、面倒見もいい。彼女との関係は今でもすごくいい」という。

「今回の大会で自分のベストのプレーを見せたい。もちろん日本の選手を応援すると想いますが、私の応援もぜひお願いします。実力のある選手ぞろいですが、一戦一戦全力で戦って、最後は優勝を勝ち取りたい」(劉詩ウェン)
  • 地元での愛ちゃん人気はやはり抜群!

  • しっかり観客にもアピールした劉詩ウェン

  • よく笑顔でおしゃべりしているふたり

●10月31日のタイムテーブル
10:00〜 馮天薇(シンガポール) vs. P.ゾルヤ(ドイツ)
10:00〜 福原愛(日本) vs. メシュレフ(エジプト)

10:50〜 石川佳純(日本) vs. イバンチャン(ドイツ)
10:50〜 リュウ・ジャ(オーストリア) vs. 徐孝元(韓国)

11:40〜 劉詩ウェン(中国) vs. 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
11:40〜 フー・メレク(トルコ) vs. リー・ジエ(オランダ)

12:30〜 梁夏銀(韓国) vs. リー・ジャオ(オランダ)
12:30〜 朱雨玲(中国) vs. ポータ(ハンガリー)

16:00〜/17:45〜/17:30〜/18:15〜 準々決勝

日本の福原、石川が登場する大会第2日目。福原は朝一番、10時からの試合でメシュレフ(エジプト)と対戦。予選グループで杜凱琹を下す金星を挙げたメシュレフだが、リー・ジャオ戦ではレシーブと前後の揺さぶりにもろさも見せた。ラリー戦に持ち込まれると厄介だが、その前に勝負をつけられるだろう。

石川はカットのイバンチャンと対戦。昨日2試合を戦っているイバンチャンは、どんどん攻撃の手数が増えていった。石川との試合では、出足から攻撃を多用してくるのではないか。ただ、フォアサイドからはフォアクロス、回り込んだ時はバックストレートへの攻撃がほとんどなので、確実にブロックしたい。そして、そのブロックをイバンチャンがカットしてきたボールに対しても、強引に強打せずにじっくり攻めたい。
公開ドロー(組み合わせ抽選)の終了後、ドローに参加した16名の選手が出席し、記者会見が行われた。しかし、ドローの時間が少々かかりすぎたせいか、会場練習の時間が迫る中、わずか5分足らずで終了。まあ、選手の皆さんはスパッと切り上げたほうがうれしいですよね……。

コメントは福原&石川の日本選手ふたりのみ。福原は「少しだけ試合を見ましたが、すごく良い雰囲気の中でみんな試合をしていて、早くコートに立ちたいと思いました」と笑顔でコメント。石川は「ドローが決まって、いよいよ明日から試合が始まるなという感じです。観客の方もたくさん声をかけてくれたし、自分らしいプレーができるよう頑張りたい」と抱負を語った。

うら若き女性が16名も集まると、国籍を超えてなんとも賑やか。最後にITTFプロモーションマネージャーのマット・パウンドから、恒例の「自撮り画像」のリクエスト。姉御肌を見せて、「さあみんな撮るわよ!」とこの場をまとめあげたのがオランダのリー・ジャオ。ドローでも会見でも、この人の周りには常に笑顔が絶えない。メディア対応もキッチリしていて、さすがプロ選手という感じだ。
  • アイ&カスミも和やかな表情

  • リー・ジャオ姐さん、自撮りの仕切りをかって出て…

  • 後列のほうはあまりやる気ないですね

  • 16名が一堂に会するとなかなかの迫力です

 第1ステージの終了後、本戦に出場する16名による公開ドロー(組み合わせ抽選)が行われた。優勝カップに入った番号の書かれたボールを引き、その数字の場所のドローイングされていく仕組みだが、「番号が見えてしまわない?」とちょっと心配になった。

 ドローの結果は写真一番下のとおり。福原は初戦がメシュレフで、準々決勝では馮天薇(シンガポール)との大一番。接戦にもつれることは間違いないだろう。石川はカットのイバンチャンに勝てば、準々決勝でも同じカットの徐孝元(韓国)との対戦が予想される。今大会の使用球、ニッタクの3スターボールは、浮いたカットを上から叩いていく石川のプレーには適しているとみるが…果たして?

 大会最終日に行われるのは、準決勝および3位決定戦のみ。福原&石川、地元開催の大会で、ぜひ大会最終日まで勝ち残ってほしい!
  • 福原は準々決勝で馮天薇、準決勝で劉詩ウェンと当たる組み合わせ

  • 石川はカットとの連戦か?

●第1ステージ・第3試合
[グループ1]
リュウ・ジャ(オーストリア) 6、-4、6、-7、8、6 レイ・ジャンファン(オーストラリア)
[グループ2]
リー・ジャオ(オランダ) 7、5、5、4 メシュレフ(エジプト)
[グループ3]
イバンチャン(ドイツ) 8、5、-11、4、4 チャン・モー(カナダ)
[グループ4]
ポータ(ハンガリー) 6、8、5、-3、8 クマハラ(ブラジル)

第1ステージの全試合が終了し、明日の本戦出場者8名が決定。杜凱琹を破ったメシュレフは、リー・ジャオのサービスに苦しみ、鉄壁のショートを打ち抜けずにストレート負けを喫したが、明日の本戦へ駒を進めた。

そして敗れたとはいえ、よく健闘したのがレイ・ジャンファン。前に落とす粒高ショートと、金属音を発するバックプッシュでリュウ・ジャを振り回し、互角の大熱戦を見せた。会場を訪れている観客の中には、レディースのペンホルダーの選手も多いはず。その健闘に大きな拍手が送られていた。
  • なんとも表情豊かなリー・ジャオ。そのテクニックは驚異

  • どすこいプッシュのレイ・ジャンファン、リュウ・ジャ戦は強かった

●第1ステージ第2試合
[グループ1]
リュウ・ジャ(オーストリア) 7、3、7、8 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
[グループ2]
リー・ジャオ(オランダ) 7、ー3、13、14、4 杜凱琹(香港)
[グループ3]
フー・メレク(トルコ) 8、ー10、9、9、ー7、2 イバンチャン(ドイツ)
[グループ4]
P.ゾルヤ(ドイツ) 13、4、7、7 ポータ(ハンガリー)

第1ステージ、グループリーグの第2試合が終了。グループ3のフー・メレク、グループ4のP.ソルヤが2連勝で明日の第2ステージ進出を決めた。
グループ2の杜凱琹は、メシュレフに続いてリー・ジャオに惜敗し、残念ながら第2ステージ進出ならず。リー・ジャオに対して第3・4ゲームとも6ー10のビハインドから追いつく粘りを見せたのだが、勝負所でのリー・ジャオの攻めは厳しかった。

会場を沸かせたのは、カットのイバンチャン。フー・メレクのミスのないカット打ちに対し、カットだけでは勝てないとフォアドライブを多用し、中陣からでもバックハンドで狙い打った。第3ゲーム9ー6のリードから逆転されたのが痛かった。
  • ポータの両ハンド強打を見事にさばいたゾルヤ

  • リー・ジャオ、まだまだ衰えは見えない

  • 抜群のスイングスピード、フー・メレク

  • イバンチャンは善戦およばず