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中国リポート

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☆☆☆ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 女子第2ステージ第1戦 8.4 ☆☆☆

◎女子準決勝
[北京時博国際 3-0 遼寧鞍鋼]
○張怡寧 5、11、4 常晨晨
○丁寧 -7、3、5、5 郭躍
○張怡寧/彭雪 5、7、-8、8 郭躍/楊楊

[山東魯能-路安集団 3-1 広東珠江怡景湾]
 肖萌 -4、-7、-7 劉詩ウェン○
○李暁霞 8、2、9 周芳芳
○肖萌/李楠 -7、-8、13、6、5 曹幸ニィ/周芳芳
○李暁霞 4、8、-11、6 劉詩ウェン

・女子のプレーオフ(準決勝)第1戦は上記のような結果になった。北京時博国際は郭躍が復帰した遼寧鞍鋼を一蹴し、山東魯能-路安集団は李暁霞が劉詩ウェンとのエース対決を制して、広東珠江怡景湾に先勝した。
 この女子プレーオフの戦況を大きく左右すると思われた郭躍の参戦。しかし、遼寧鞍鋼の谷振江監督曰く、前日の練習を見た時点で、すでに本調子とはほど遠いことがわかっていたそうだ。郭躍は北京時博国際の丁寧から1ゲームを先取したものの、第2ゲーム以降は良いところなく完敗。北京時博国際は続くダブルスに今シーズン2回目となる張怡寧/彭雪ペアを起用して一気に勝負を賭け、遼寧鞍鋼を零封した。
 「今はバックハンドの攻撃力が落ち、フットワークも遅くなっている。早く体の調子を万全にして、チームの勝利に貢献したい。優勝カップを獲得することが私の一番の望みであり、準決勝で負けることなんて想像もしていない」(郭躍/出典『瀋陽日報』)。強気なエースは、果たして第2戦でどこまで復調できるのか。それにしても遼寧鞍鋼、中国でも群を抜いた層の厚さを誇る遼寧省の代表チームでありながら、超級リーグではなぜかタイトルが遠い。

 準決勝のもうひと試合は、山東魯能-路安集団が2番手の彭陸洋を腰痛で欠きながら、ホームの広東珠江怡景湾に3-1で勝利。肖萌/李楠のダブルスが0-2のビハインドから逆転勝利を収め、この勝利に燃えた李暁霞が劉詩ウェンに完勝した。「李暁霞は(第1ステージの)18節で1試合も休むことなく、連日の疲労、そして故障を克服して戦い抜いた。これは容易なことではない。彼女がコートにいる限り、我々のチームの屋台骨は安泰だ」(山東魯能-路安集団・于国鵬監督/出典『新浪体育』)。シーズン途中には不調も伝えられた李暁霞だが、第2ステージに入っていよいよ調子を上げてきたか?

◎女子7~10位決定戦
[八一長安医院 3-1 大同雲崗-雁北賓館]
○曹臻 -11、-11、10、6、9 武楊
 文佳 -7、-2、-8 李暁丹○
○文佳/木子 8、11、-10、3 武楊/李佳
○曹臻 4、-11、11、10 李暁丹

[山西大土河華東理工 3-1 重慶康徳]
○郭炎 7、-7、3、5 賈君
 劉娟 -7、7、-9、8、-8 金キョン娥○
○帖雅娜/劉娟 7、-9、8、9 李茜/麦楽楽
○郭炎 7、6、7 金キョン娥

・女子の7~10位決定戦は、やはり山西大土河華東理工と八一長安医院の優位は揺るがない。ともにエースの曹臻と郭炎がシングルスで2得点を挙げ、チームを勝利へと導いた。大同雲崗-雁北賓館はトップでカット主戦型の武楊が勝っていれば、勝機もあったか。重慶康徳は2番手の賈君がこれでシングルス2勝19敗。残念ながら、超級リーグでも断トツの「負け頭(がしら)」になってしまっている。

Photo上:郭躍、第2戦までにどこまで調子を戻せるか
Photo中:大事な試合でエースの働きを見せた曹臻
Photo下:難敵・金キョン娥に完勝して、チームの勝利を決めた郭炎
★★★ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2ステージ第1戦 8.4 ★★★

◎男子準決勝
[寧波北侖海天 3-0 上海明園-金海洋集団]
○馬龍 6、3、-12、10 王励勤
○呉ハオ 6、-10、-12、10、13 許シン
○呉ハオ 9、-10、9、5 王励勤/高礼澤

[浙商銀行 3-1 山東魯能-中超電纜]
○朱世赫 9、6、5 方博
 馬琳 -1、-9、5、-10 張継科○
○馬琳/張超 11、16、8 柳洋/方博
○朱世赫 8、3、5 張継科

・超級リーグ第2ステージ男子に8チームが登場。第1ステージ1~4位のチームは優勝の栄誉を懸けて、また7~10位のチームは超級リーグ残留を懸けて、熱い戦いを繰り広げた。

 男子準決勝の寧波北侖海天と上海明園-金海洋集団は、昨シーズン準決勝の対戦カードの再現。昨シーズンは3試合を戦い、2勝した上海明園-金海洋集団(当時は上海冠生園)が決勝へ駒を進めている。「我々のチームにとってはリベンジマッチだ。選手たちは闘志満々で戦った(寧波北侖海天・劉国棟監督)」。
 熱戦が期待されたこの一戦、蓋を開けてみれば、3-0のストレートで寧波北侖海天が勝利を収める予想外の結果に。トップのエース対決、王励勤に昨年から10連勝中という馬龍は、2ゲームをあっさり先取。第3ゲームは王励勤の反撃に遭い、12-13から王励勤のボールがエッジとなって落としたが、第4ゲームは4-8のビハインドから気合いを入れ直し、12-10で逆転勝利。これで王励勤戦は11連勝となった。
  もっとも、上海にしてみれば、この試合の結果はある程度予想できたはず。本当の波乱は第2ゲームにあった。寧波北侖海天の呉ハオが、格上の許シンに対し、第4ゲーム8-10から2度のマッチポイントをしのぐと、最終ゲームも6-10から大逆転勝ち。なんと9回のマッチポイントを奪われながら粘り抜くという離れ業を演じたのだ。ともに国家チームでは秦志ジェン(01年世界混合複1位)のコーチを受けているふたり。手の内が知れた者同士の対戦だが、9回のマッチポイントをしのいで逆転というのは、ここ数年の超級リーグでもあまり記憶にない。
 ここで試合の大勢は決まり、ダブルスでもナイスコンビの呉ハオ/崔慶磊が即席ペアの王励勤/高礼澤を3-1で下して、寧波北侖海天が先勝。上海としては王励勤/許シンを起用したかったところだが、大逆転を喫した許シンの心理的なダメージを考慮したのかもしれない。これで寧波北侖海天が決勝進出に王手をかけた。
 
 準決勝のもうひと試合は、地力にまさる浙商銀行が山東魯能-中超電纜を撃破。浙商銀行はエース馬琳が敗れたが、助っ人の朱世赫がシングルス2得点。エース級の活躍でチームを救った。世界各国のリーグで中国選手が助っ人としてプレーする中、その「総本山」である超級リーグでの朱世赫の活躍は痛快とも言える。トップでは08年世界ジュニア代表の方博に完勝。中国の若手は、かつては松下浩二、そして今は朱世赫というカットの壁を乗り越えなければ、世界では戦えない。

◎男子7~10位決定戦
[八一工商銀行 3-0 海寧皮革城鵬翔]
○李陟 -13、4、10、6 李平
○王皓 3-2 沙陳斌
○徐克/楊暁夫 4、6、8 沙陳斌/陳剣

[覇州海潤 3-2 江蘇英太青・南体]
 閻安 -8、-4、-7 林晨○
○ジャン健 6、-16、-10、6、12 陳杞
○尚坤/閻安 10、-7、3、8 陳杞/朱江
 ジャン健 -3、-5、-6 林晨○
○尚坤 5、-8、-9、7、6 朱江

・降格の恐怖が迫る7~10位決定戦の結果は上記のとおり。海寧皮革城鵬翔はエース李平がトップで左シェークドライブ型の李陟に敗れてしまい、沙陳斌が王皓から2ゲームを先取するも逆転負け。いよいよ降格の瀬戸際へと追いつめられた。また、陳杞率いる江蘇英太青・南体も、陳杞が単複で2失点と全くの誤算。第2戦でもし敗れるようなことがあれば、名門チームまさかの降格ということになる。

Photo上:9回のマッチポイントを跳ね返した男、呉ハオ
Photo中:朱世赫は方博と張継科を一蹴した
Photo下:陳杞、第二戦ではエースとして結果を残せるか
☆☆☆ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 女子第18節(最終節) 7.29 ☆☆☆

[山東魯能-路安集団 3-1 遼寧鞍鋼]
○李暁霞 8、-5、9、-6、4 常晨晨
 彭陸洋 -11、-8、-9 楊楊○
○彭陸洋/李楠 -10、10、5、4 常晨晨/侯曉旭
○李暁霞 4、5、7 楊楊

[山西大土河華東理工 3-2 大同雲崗-雁北賓館]
○帖雅娜 -9、6、10、4 馮亜蘭
 饒静文 -9、-7、6、-7 李暁丹○
○饒静文/劉娟 3、10、7 馮亜蘭/李佳
 帖雅娜 9、-5、-5、-11 李暁丹○
○劉娟 9、-5、8、7 李佳

[八一長安医院 3-0 重慶康徳]
○曹臻 -10、3、3、4 李茜
○文佳 -3、8、12、7 賈君
○文佳/木子 2、8、7 麦楽楽/李茜

[北京時博国際 3-0 広東珠江怡景湾]
○彭雪 -2、-8、7、6、3 周芳芳
○丁寧 12、3、5 蔡賽
○曹麗思/彭雪 -7、3、7、9 曹幸ニィ/蔡賽

[冀中能源-北大方正 3-2 江蘇中超電纜]
 馮天薇 -7、9、-8、7、-8 范瑛○
○陳晴 -5、6、11、-9、8 張瀟玉
 牛剣鋒/白楊 11、-9、6、-7、-7 張瀟玉/王シュアン○
○陳晴 5、-9、8、5 范瑛
○牛剣鋒 4、9、4 王シュアン

★第1ステージ最終順位
1.  北京時博国際       12勝6敗
2.  広東珠江怡景湾      12勝6敗
3.  山東魯能・路安集団    12勝6敗
4.  遼寧鞍鋼         11勝7敗
[上の4チームはプレーオフ(準決勝)へ]
5.  冀中能源・北大方正    10勝8敗
6.  江蘇中超電纜        9勝9敗
[上の2チームは5・6位で順位確定]
7.  八一長安医院        9勝9敗
8.  山西大土河華東理工     9勝9敗
9.  大同雲崗・雁北賓館    4勝14敗
10.   重慶康徳         2勝16敗
[上の4チームは7~10位決定戦へ]

 2009中国卓球クラブ超級リーグ、女子第18節(最終節)の結果と第1ステージ順位は上記のとおり。3チームが12勝6敗で並び、僅差で北京時博国際が首位となった。
 その北京時博国際と前節で首位に立った広東珠江怡景湾の一戦は、張怡寧と劉詩ウェンという両チームのエースが欠場。すでにプレーオフ出場を決めているため、少しでも休ませたいということだろう。試合はトップで北京時博国際の彭雪が周芳芳に逆転勝ちし、嬉しい超級リーグ初勝利。19歳の若手には勝利が何よりの自信、第2ステージに向けてチームにとっても大きな一勝だ。この勝利に勢いづいた北京時博国際は、ストレートで広東珠江怡景湾を下した。「張怡寧と丁寧が欠場する試合もあったが、我々は4位までに入ることができた。ここまでの戦いには概ね満足している。昨シーズンはタイトルを獲れなかったので、今シーズンはもっと良い成績を収めたい(周樹森監督)」。北京時博国際の優勝へのキーパーソンは丁寧。07年シーズンには、最終節で李暁霞(山東魯能:当時)を破るなど単複2点を挙げ、チームを優勝へ導いている。折り紙付きの強心臓の持ち主だが、膝の故障でしゃがみ込みサービスが使えないことが、どう影響するか。
 山東魯能-路安集団と遼寧鞍鋼の対戦は、李暁霞が2得点を上げた山東魯能・路安集団に軍配。本調子とは言えない李暁霞だが、この2勝でシングルス通算97勝とし、通算100勝まであと3つとした。順当にいけば第2ステージで100勝を達成できそうだ。

 開幕6連勝で今シーズンを盛り上げた冀中能源-北大方正は、惜しくもプレーオフ進出を逃したものの、きっちり超級リーグ残留を決めた。第14節から3試合連続で2-3で競り負けたのが痛かったが、2つのチームが合体した急造チームとしては見事な成績だ。一方、やや期待外れだったのは山西大土河華東理工。フェンスを蹴飛ばして1試合出場停止の処分を受けた郭炎は19勝10敗と及第点の成績だが、饒静文が3勝12敗とブレーキになった。低空飛行が続いた大同雲崗・雁北賓館と重慶康徳は、降格の危機がせまる7~10位決定戦で、厳しい試練の時を迎える。

Photo上:丁寧、第2ステージでの活躍やいかに
Photo中:ようやく調子を上げてきた李暁霞。チームは2連覇を目指す
Photo下:久々の登場、江蘇中超電纜戦で2勝を挙げたペン粒高攻守型・陳晴
★★★ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 男子第18節(最終節) 7.29 ★★★

[浙商銀行 3-0 上海明園-金海洋集団]
○張ユク 8、-7、6、-3、9 王励勤
○馬琳 4、3、12 許シン
○張ユク/張超 4、7、-9、8 許シン/張洋

[寧波北侖海天 3-1 海寧皮革城鵬翔]
 荘智淵 8、-10、9、-9、-8 李平○
○馬龍 7、10、-10、10 陳剣
○呉ハオ/崔慶磊 -10、-2、6、8、10 陳剣/沙陳斌
○馬龍 7、5、9 李平

[山東魯能-中超電纜 3-0 覇州海潤]
○張継科 -4、8、9、8 周斌
○江天一 2、8、7 ガオ・ニン
○方博/江天一 7、-6、8、-9、9 閻安/尚坤

[四川全興 3-1 八一工商銀行]
○邱貽可 4、8、-9、-8、4 王皓
○ハオ帥 -7、5、11、3 李陟
 邱貽可/王建軍 -11、6、8、-4、-6 楊暁夫/徐克○
○ハオ帥 -6、9、9、-9、9 王皓

[錦州銀行 3-2 江蘇英太青・南体]
○雷振華 -9、-9、6、10、7 朱江
 徐輝 -5、-8、-9 陳杞○
○徐輝/ジャイ一鳴 8、10、4 朱江/林晨
 雷振華 -6、-4、5、-7 陳杞○
○ジャイ一鳴 8、-7、5、3 林晨

★第1ステージ最終順位
1.  寧波北侖海天       16勝2敗
2.  浙商銀行         14勝4敗
3.  上海明園・金海洋集団   13勝5敗
4.  山東魯能・中超電纜    10勝8敗
[上の4チームはプレーオフ(準決勝)へ]
5.  四川全興          9勝9敗
6.  錦州銀行           9勝9敗
[上の2チームは5・6位で順位確定]
7.  八一工商銀行       8勝10敗
8.  覇州海潤         5勝13敗
9.  江蘇英太青・南体     4勝14敗
10.  海寧皮革城鵬翔      2勝16敗
[上の4チームは7~10位決定戦へ]

 2009中国卓球クラブ超級リーグは、7月29日に第1ステージ・全18節の日程を終了。順位も上記のとおり確定した。
 プレーオフ進出を決めた4チームのうち、寧波北侖海天と山東魯能-中超電纜は下位チームに勝利。寧波北侖海天は1-1で迎えたダブルスが0-2のビハインドから逆転勝ちし、4番馬龍がきっちり締めた。第1ステージが終わってみれば16勝2敗と抜群の成績。馬龍・呉ハオ・崔慶磊という主力メンバーは、他チームと比べるとむしろ見劣りするくらいだが、呉ハオ/崔慶磊のダブルスが12勝2敗と活躍。第12・13節でラストを締めた荘智淵(チャイニーズタイペイ)、陳杞を2度敗った唐鵬(香港)など助っ人選手も貴重な働きを見せた。この寧波北侖海天と、王皓がエースの八一工商銀行、ともにワンマンチームに見える両チームの勝ち星の差は興味深い。「我々は最強のチームではない。全力で戦うだけだ」と語る寧波の名将・劉国棟監督の用兵術、ベンチワークと無関係ではなさそうだ。

 浙商銀行と上海明園-金海洋集団の対戦は、トップの張ユクが王励勤を破った浙商銀行がストレート勝ち。プレーオフでの戦いを視野に入れ、王励勤も全力のプレーではないだろう。一方、7~10位決定戦へ回らないよう全力で戦うべき王皓(八一工商銀行)は、四川全興を相手に痛恨の2失点。今シーズン最も勝たなければならない試合だったのだが…。一方、「王皓相手に2失点することは計算済み(四川全興・陳宏宇監督)」だった四川全興は、嬉しい誤算で超級リーグ残留を確定させた。錦州銀行も江蘇英太青・南体に競り勝ち、6位で超級リーグ残留。寧波北侖海天を破った第15節から4連勝と見事な戦いぶりを見せた。
 超級リーグの第2ステージ、準決勝および7~10位決定戦はすでに8月4日に第1戦が行われている。結果はなるべく早くお伝えします!

Photo上:強い強い馬龍、横浜大会の疲れも見せず突っ走った
Photo中:王励勤を破った張ユク。張超とのダブルスも9勝2敗と活躍
Photo下:どうした王皓、最終戦で痛すぎる2連敗(写真はイメージです…)
☆☆☆ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 女子第17節 7.25 ☆☆☆

[山東魯能-路安集団 3-1 山西大土河華東理工]
 彭陸洋 -12、-10、6、-4 郭炎○
○李暁霞 -10、7、-9、9、8 饒静文
○彭陸洋/李楠 8、-6、6、8 帖雅娜/饒静文
○李暁霞 11、10、-6、8 郭炎

[八一長安医院 3-1 遼寧鞍鋼]
 曹臻 -9、6、-6、-8 常晨晨○
○文佳 -5、12、4、3 侯曉旭
○文佳/木子 8、6、7 常晨晨/楊楊
○曹臻 -3、11、10、4 侯曉旭

[北京時博国際 3-1 大同雲崗-雁北賓館]
○張怡寧 3、8、4 李佳
○丁寧 3、10、10 武楊
 丁寧/彭雪 -4、5、-5、-7 李暁丹/李佳○
○張怡寧 -6、6、-8、7、6 武楊

[冀中能源-北大方正 3-1 重慶康徳]
○馮天薇 3、-9、10、9 麦楽楽
○陳晴 7、8、5 賈君
 牛剣鋒/陳晴 5、-6、8、-11、-10 李茜/麦楽楽○
○馮天薇 8、7、-11、3 賈君

[広東珠江怡景湾 3-2 江蘇中超電纜]
 周芳芳 9、-7、-6、8、-4 范瑛○
○劉詩ウェン 10、7、-10、-2、9 張瀟玉
 周芳芳/蔡賽 -6、-4、-7 張瀟玉/王シュアン○
○劉詩ウェン -11、-9、10、8、7 范瑛
○曹幸ニィ 6、-9、5、-6、6 王シュアン

 超級女子17節が終了。広東珠江怡景湾が12勝5敗の成績で初めて首位に立ち、プレーオフ進出が決定。7位に終わった昨シーズンの雪辱を果たした。また、11勝6敗で並んだ3チーム、北京時博国際、山東魯能-路安集団、遼寧鞍鋼も、5位の冀中能源-北大方正と江蘇中超電纜が9勝8敗と星ふたつの差がついたため、最終節を待たずにプレーオフ進出が決定した。

 この第17節、広東珠江怡景湾は選手層の厚い江蘇中超電纜を相手に苦戦。連戦の疲れが見える劉詩ウェンが2番と4番で辛くもゲームオールの勝利を収めたが、ダブルスが張瀟玉/王シュアンに完敗し、厳しい戦いを強いられた。この苦境を救ったのは、ラストに登場した右ペンドライブ型のベテラン・曹幸ニィ。今シーズンはやや影が薄かったが、超級リーグ通算52勝の実力者が「仮想・愛ちゃん」の王シュアンを下し、チームに値千金の一勝をもたらした。
 その他のプレーオフ進出組は、ともにエースの故障や不調を抱えて苦しい戦い。北京時博国際は、3番ダブルスに出場した彭雪がラケットコントロールで失格となり、張怡寧のラケットを借りて出場したダブルスは完敗。「私たちは使っているラケットも違うし、彼女のフォア面は中国ラバーで、私は外国製のラバー。ダブルスで負けたのも、ラケットと無関係ではないと思う」(張怡寧)。4番で張怡寧が第8節で敗れている武楊を振り切り、辛くも勝利を収めたが、もしラストでその彭雪(北京)vs.李暁丹(大同)の対戦になっていたら、北京時博国際の勝機は薄かっただろう。まさに紙一重の勝利だ。
 遼寧鞍鋼は八一長安医院に苦杯。この試合は遼寧鞍鋼の3選手に加え、八一長安医院も文佳・木子が遼寧省の出身という「遼寧省対決」になったが、ダブルスの勝率第1位である木子/文佳ペアを擁する八一長安医院が押し切った。山西大土河華東理工に競り勝った山東魯能-路安集団はフルメンバーで戦えているが、李暁霞の調子が未だに上がり切らず、昨年に比べるとチーム力はややダウンか。

 4チームとも、最終第18節が終了してからプレーオフが始まるまでのわずか6日間の間に、チームの状態を整えなければならない。果たして郭躍のプレーオフでの復帰はあるのか。

Photo上:久々に存在感を見せたベテラン・曹幸ニィ(写真は05年時のプレー)
Photo中:彭雪、エースのラケットでも勝利は遠かった(写真は05年時のプレー)
Photo下:全中国チャンピオンの意地を見せた文佳(写真は07年時のプレー)
★★★ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 男子第17節 7.25 ★★★

[寧波北侖海天 3-1 上海明園-金海洋集団]
○馬龍 9、2、-2、3 許シン
 呉ハオ -6、-6、-3 王励勤○
○呉ハオ/崔慶磊 -8、4、9、-6、6 許シン/張洋
○馬龍 9、6、9 王励勤

[浙商銀行 3-0 山東魯能-中超電纜]
○朱世赫 -8、7、9、7 柳洋
○馬琳 5、12、6 江天一
○馬琳/張超 6、-9、7、7 柳洋/方博

[四川全興 3-0 海寧皮革城鵬翔]
○ハオ帥 8、5、6 陳剣
○邱貽可 8、-10、-4、9、9 侯英超
○邱貽可/王建軍 9、-9、-9、8、1 陳剣/沙陳斌

[覇州海潤 3-1 江蘇英太青・南体]
○ジャン健 -11、11、5、-5、11 林晨
 李静 -8、-7、-8 陳杞○
○李静/尚坤 9、7、9 林晨/朱江
○ジャン健 -4、8、-10、5、8 陳杞

[錦州銀行 3-2 八一工商銀行]
 徐輝 -3、9、-12、-9 王皓○
○雷振華 -9、9、11、-8、9 楊暁夫
○徐輝/ジャイ一鳴 8、8、-8、8 楊暁夫/徐克
 雷振華 6、-9、-11、4、-11 王皓○
○ジャイ一鳴 -6、-8、1、8、10 徐克

 上位4チームが激突した、超級リーグ男子第17節。寧波北侖海天、浙商銀行、上海明園-金海洋集団の3チームのプレーオフ進出が決定した。
 寧波北侖海天vs.上海明園-金海洋集団の一戦は、1点ずつ取り合った3番ダブルスで、呉ハオ/崔慶磊が上海ペアをゲームオールで撃破。この勝利によって、呉ハオ/崔慶磊は今シーズン10勝2敗と通算勝利数を2ケタに乗せた。上位チームのダブルスの戦績を見ると、寧波13勝4敗、上海14勝3敗、浙商14勝3敗とやはりダブルスの強さが際立っている。そして4番で馬龍が王励勤をストレートで下し、チームの勝利を決めた。エース対決ではあるが、ここ2年ほどの対戦成績を見れば順当な結果だ。
 昨シーズンの決勝の対戦カードでもあったこの一戦。今シーズンもプレーオフで実現する可能性は十分にある。昨シーズンの決勝では、上海が王励勤/許シンという全中国選手権優勝ペアを起用。スーパーサブ高礼澤が貴重な働きを見せ、上海が超級リーグ昇格から即優勝という快挙を成し遂げた。今シーズンの高礼澤は第12節以降出場がないが、プレーオフではやはり欠かせぬ戦力になりそうだ。
 安定して上位をキープしている浙商銀行は、張継科を欠いた山東魯能-中超電纜を一蹴。絶対的エースの馬琳が健在で、張ユク/張超、馬琳/張超のふたつのダブルスを使い分けられる強みもある。助っ人の朱世赫の存在により、他チームはオーダーに頭を悩ませることだろう。

 その他の試合では、錦州銀行と八一工商銀行が4時間におよぶ死闘を展開。5試合中3試合がゲームオールにもつれ、7時半に始まった試合は11時20分にようやく終了。超級リーグでもまれに見る大激戦となった。
 錦州銀行は2番で雷振華が最終ゲーム3-7のビハインドから逆転、ラストでもジャイ一鳴がゲームカウント0-2から2-2に追いつき、最後は11-10から徐克のサービスをレシーブ強打で攻め、熱戦に終止符を打った。この勝利によって錦州銀行は、最終節で江蘇英太青・南体を下せば6位以上が確定し、自動降格の危険性がある7~10位決定戦を回避することができる(5・6位はそのまま順位確定)。一方、八一工商銀行は昨シーズンに続き、7~10位決定戦へ回る可能性が高くなってきた。楊暁夫/徐克のダブルスが8勝8敗と健闘するなど、明るい兆しも見えたが、まだ王皓のワンマンチームからは抜け切れないようだ。

Photo上:崔慶磊とのペアが今季急成長。ダブルスに強いサウスポー・呉ハオ
Photo中:張超が浙商銀行のダブルスのカギを握る
Photo下:故障を抱えながらも奮闘した、錦州銀行のエース雷振華
 国家2軍(ジュニア)チームのメンバーに、中国人としてはやや耳慣れない名前を持つ選手がふたりいる。ともに北京市チームの所属である張聖伍男(チャン・ションウナン)と韓劉尼斯(ハンリウ・ニィス)だ。張聖伍男は07年世界ジュニア選手権に出場していたので、「変わった名前だな?」とご記憶の方もいるかもしれない。
 超級リーグもお伝えしなければならないところだが、超級の話題がずっと続くのも、筆者としてはちょっと面白くない。さて、どこまでが苗字で、どこまでが名前かも分かりにくいこのふたりが、今回の中国リポートの話題の中心だ。

 まず、張聖伍男くんは苗字が「張」で、名前が「聖伍男」。名前が珍しく3文字なのは、同姓同名を避けるというのがその主な理由だ。中国では今、同姓同名によるさまざまな弊害が社会問題になっているのだ。同じ職場やクラスに同姓同名の人がいる煩雑さを考えると、社会問題というのも決して大げさではないだろう。かく言う卓球王国編集部にも、佐藤佑樹(ゆうき)と佐藤祐(ゆう)という若手のツインエース(?)がいるので、なかなかに紛らわしい。そこで中国公安部は新生児の名前を届け出る際に、名前を2文字以上(姓を含めると3文字以上)にするよう指導を行っている。卓球選手で言うと、「王楠」や「馬琳」は×、「王励勤」や「李暁霞」は○だ。
 張聖伍男くんの苗字「張」は中国で3番目に多い姓で、全土に約8,800万人もいる。さらに「偉」などという名前をつけて「張偉」さんになってしまうと、これが実は中国で一番多い姓名で、約30万人もいるそうだ。しかし、名前を3文字にすれば、少なくとも周囲に同姓同名の人がいる確率はぐっと低くなるだろう。また、名前を3文字以上にした上で、通常は使われないような難しい漢字を使ったり、外国の名前の音訳を当てるケースも増えている。

 一方、韓劉尼斯くんの場合は、また少し事情が異なる。彼の場合は、苗字が「韓劉」で名前が「尼斯」。苗字が二文字の「複姓」なのだ。もともと中国は夫婦別姓で、子どもは父方の姓を名乗るのが一般的だが、中国公安部によって新しく制定された『姓名登記条例』第2章8条には、「公民は父方の姓か、母方の姓のどちらかを名乗るが、父母両方の姓を採用してもよい」と明記されている。韓劉尼斯のお父さんは現在国家女子2軍チームの総監督である韓華、お母さんは劉海燕。父方の姓と母方の姓がドッキングして、「韓劉」という新しい姓が誕生したのだ。ちなみに名前の「尼斯(ニィス)」は、韓華がナショナルチームのコーチを務めていた北アフリカの「突尼斯(トゥーニィス)=チュニジア」にちなんでつけられている。
 日本で言えば佐藤さんと鈴木さんが結婚して「佐藤鈴木」になるようなもので、にわかには信じがたい話。しかし、同姓同名を避けられるうえ、父母両方の血縁関係を示すことができるので、中国でも少しずつ増えている。韓劉尼斯の他にも、北京市女子チームに馬李舒怡、上海市男子チームに楊成博文などの名前が見える。「韓劉」さんと「馬李」さんが結婚したらどうするのか、と誰もが気になるところだが、その問題はまだ表面化していないようだ。

 これから先、あっと驚くような名前の選手が中国から登場してくるかもしれない。先の『姓名登記条例』によれば、姓名は2文字以上6文字以下とされているので(少数民族の特例は除く)、姓が1文字の場合、名前を3文字どころか4文字にするケースも出てきそうだ。願わくば、難読な漢字を多用するのは避けてほしいところだが…。

Photo:07年世界ジュニアベスト16の張聖伍男。中国初の「名前が4文字の世界チャンピオン」まで、まだまだ道のりは遠い
☆☆☆ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 女子第16節 7.22 ☆☆☆

[山東魯能-路安集団 3-2 八一長安医院]
○李暁霞 -7、-5、6、9、9 文佳
 彭陸洋 -9、8、-7、-9 曹臻○
 彭陸洋/李楠 6、-13、-9、-11 文佳/木子○
○李暁霞 10、-5、6、-10、6 曹臻
○李楠 9、-3、9、-9、5 木子

[山西大土河華東理工 3-2 北京時博国際]
 郭炎 -4、-3、-8 張怡寧○
○饒静文 -7、9、-5、7、9 丁寧
 帖雅娜/劉娟 7、-6、-9、6、-9 張怡寧/彭雪○
○郭炎 5、5、8 丁寧
○帖雅娜 4、-10、-9、7、4 彭雪

[遼寧鞍鋼 3-2 冀中能源-北大方正]
○常晨晨 8、7、11 陳晴
 侯曉旭 -12、-9、-11 馮天薇○
 侯曉旭/楊楊 -6、8、-5、-6 牛剣鋒/陳晴○
○常晨晨 10、5、-9、8 馮天薇
○楊楊 6、8、-9、7 白楊

[江蘇中超電纜 3-1 大同雲崗-雁北賓館]
○范瑛 -10、4、6、7 馮亜蘭
 姚彦 -7、-11、-11 李暁丹○
○張瀟玉/王シュアン 7、5、8 馮亜蘭/武楊
○范瑛 12、-7、9、8 李暁丹

[広東珠江怡景湾 3-2 重慶康徳]
○劉詩ウェン 10、9、9 賈君
 曹幸ニィ 9、-5、-7、5、-4 金キョン娥○
 周芳芳/蔡賽 -10、-9、-10 李茜/麦楽楽○
○劉詩ウェン 5、3、11 金キョン娥
○周芳芳 11、5、8 李茜

☆第16節終了時点での順位
1. 広東珠江怡景湾(11勝5敗)・遼寧鞍鋼(11勝5敗)/3. 北京時博国際(10勝6敗)・山東魯能-路安集団(10勝6敗)/5. 江蘇中超電纜(9勝7敗)/6. 冀中能源-北大方正(8勝8敗)・山西大土河華東理工(8勝8敗)/8. 八一工商銀行(7勝9敗)/9. 大同雲崗-雁北賓館(4勝12敗)/10. 重慶康徳(2勝14敗)

 09超級リーグ女子は第16節を終え、広東珠江怡景湾と遼寧鞍鋼が首位に並んだ。
 広東珠江怡景湾の若きエース劉詩ウェンは、相変わらず好調。重慶康徳戦でも、小さな体をフルに使ったパワードライブで、重慶康徳のエース金キョン娥を粉砕している。これで今シーズン27勝目を挙げた劉詩ウェン。18歳にして超級リーグ通算84勝、なんと張怡寧(81勝)や郭躍(83勝)を上回っているのだ。それだけ広東省チームは選手層が薄く、劉詩ウェンに頼らざるを得ないということなのだが、それだけに肩や膝に抱える故障は気がかりだ。張怡寧はかつてインタビューで「超級リーグでずっと張りつめたプレーを続けて、いざビッグゲームという時に目標を達成できなかったら大変です」と語っているが、劉詩ウェンの超級リーグでの奮闘が、彼女の競技生命を縮めることにならないか、一抹の不安がよぎる。

 2位の遼寧鞍鋼は、張怡寧が欠場した第9節から4連敗しながらも、第13節からの4連勝で不死鳥のごとく再浮上。超級リーグ残留が現実的な目標と思われたが、プレーオフ進出は目の前だ。その最大の功労者は2番手の常晨晨(チャン・チェンチェン)。04年に神戸で行われた世界ジュニア選手権で、団体・単・複の3冠王。いつの間にか国家チームでも中堅の位置に収まっていたが、郭躍の不在が眠れる大器を目覚めさせたようだ。彼女の名前「晨晨」の「晨」は中国語で「朝」という意味。彼女に第二の夜明けはやってくるのだろうか。
 その他の試合では、北京時博国際が山西大土河華東理工に痛い逆転負けを喫して首位から転落。前節で2得点の丁寧が逆に2失点を喫したが、4番の郭炎はかつての北京チームのチームメイト、またダブルスパートナーでもあるだけに手の内がすべて知れていたか。山東魯能-路安集団はエース李暁霞が苦しみながらも2得点を挙げ、ラストでベテラン李楠が木子の速攻をかわして勝利を決めた。大同雲崗-雁北賓館と重慶康徳は今節も勝利が遠く、自動降格の2チームを決める7~10位決定戦へ向け、気持ちを切り替えるしかなさそうだ。

Photo上:王国編集部にも熱狂的なファン(1人)を持つ劉詩ウェン。
Photo中:1986年6月20日生まれの23歳、常晨晨
Photo下:05年全中国運動会で、唐娜(唐イェ序)と組んでいた時の李楠。超級では今シーズン初勝利。これがダブルスの写真だと見抜いた人は鋭いです…
★★★ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 男子第16節 7.22 ★★★

[上海明園-金海洋集団 3-0 山東魯能-中超電纜]
○王励勤 9、-6、5、3 方博
○許シン 9、2、10 江天一
○許シン/張洋 8、-7、-8、7、17 方博/柳洋

[寧波北侖海天 3-1 四川全興]
○馬龍 7、-6、4、-7、10 邱貽可
 唐鵬 -8、-7、-7 ハオ帥○
○呉ハオ/崔慶磊 6、8、-7、4 邱貽可/王建軍
○馬龍 6、7、14 ハオ帥

[浙商銀行 3-1 江蘇英太青・南体]
 張ユク 5、-6、-12、10、-11 陳杞○
○馬琳 -3、6、8、6 單明杰
○張超/張ユク 10、-7、9、-4、7 單明杰/林晨
○馬琳 -11、11、8、9 陳杞

[錦州銀行 3-1 海寧皮革城鵬翔]
 雷振華 -6、-9、-8 陳剣○
○徐輝 -5、11、-6、7、8 李平
○徐輝/ジャイ一鳴 5、6、12 宋時超/沙陳斌
○雷振華 7、9、9 李平

[八一工商銀行 3-0 覇州海潤]
○楊暁夫 9、-11、-5、6、8 ジャン健
○王皓 4、5、-11、-9、9 李静
○楊暁夫/徐克 -7、10、-7、10、9 李静/尚坤

★第16節終了時点での順位
1. 寧波北侖海天(14勝2敗)/2. 上海明園-金海洋集団(13勝3敗)/3. 浙商銀行(12勝4敗)/4. 山東魯能-中超電纜(9勝7敗)/5. 八一工商銀行(8勝8敗)/6. 四川全興(7勝9敗)・錦州銀行(7勝9敗)/8. 覇州海潤(4勝12敗)・江蘇英太青・南体(4勝12敗)/10. 海寧皮革城鵬翔(2勝14敗)

 超級リーグ第16節が終了。寧波北侖海天と上海明園-金海洋集団、浙商銀行のプレーオフ(準決勝)進出が確定した。
 寧波北侖海天は、前節で2連敗を喫したエース馬龍が苦しみながらも邱貽可とハオ帥を下し、四川全興に勝利。浙商銀行も馬琳がしっかり2点を獲り、江蘇英太青・南体を下した。上海明園-金海洋集団はエース張継科が欠場した山東魯能-中超電纜に快勝。張継科の故障については明確な報道はないが、山東魯能-中超電纜の谷青成監督は「(故障は)以前から抱えているもの。現在治療中で、今後の見通しはまだはっきりしない」としている。プレーオフ進出を懸けた大事な時期にエースの欠場は痛手だ。それにしても今シーズンの超級リーグは故障者が目立つ。

 そして、超級リーグのチーム数が10から8に減らされるため、2チームが自動降格となる今シーズン。下位4チームによる7~10位決定戦で残留/降格が決定するため、中堅チームは7位以下に落ちないよう必死の戦いを続けている。しかし、8位の覇州海潤と江蘇英太青・南体、最下位の海寧皮革城鵬翔の3チームは、どうやら7~10位決定戦へ回ることが確定と言ってよい。
 江蘇英太青・南体は第6節終了時点では3勝3敗だったのだが、そこから5連敗のあと白星ひとつを挟んで4連敗。ダブルスが3勝13敗と大きく負け越しており、2番手の單明杰もシングルス0勝8敗とブレーキになっている。名門・江蘇省チームが甲Aリーグ降格となれば衝撃は大きい。最下位の海寧皮革城鵬翔は、第8節から9連敗と長いトンネルに入っている。終盤戦に入って右ペンドライブ型の陳剣が頑張っているが、やはり戦力不足の感は否めない。
 一方、下位に沈んではいるものの、予想外(?)の活躍を見せているのが覇州海潤。開幕から7連敗のスタートだったが、第9節で山東魯能-中超電纜、第11節で上海明園-金海洋集団を破るなど波乱の立て役者となった。助っ人の李静(香港)とガオ・ニン(シンガポール)はふたり合わせてシングルス1勝13敗と誤算だったが、ジャン(瞻の右側)健、閻安、尚坤と日替わりでヒーローが誕生。言い方は悪いが完全に「寄せ集め」のチームである覇州海潤、超級リーグに残留できれば大健闘と言えるだろう。

Photo上:馬琳(浙商銀行)、「優勝請負人」の復活なるか
Photo中:海寧皮革城鵬翔のベテラン、31歳の陳剣
Photo下:今シーズン未勝利ながら、王皓にゲームオール9本まで迫った李静(覇州海潤)。右ペンドラ3連発です!
☆☆☆ 2009中国卓球クラブ超級リーグ 女子第15節 7.18 ☆☆☆

[北京時博国際 3-2 山東魯能-路安集団]
○丁寧 10、-4、8、8 彭陸洋
 彭雪 10、-5、-8、8、-9 李暁霞○
 曹麗思/彭雪 9、-4、-5、-6 彭陸洋/李楠○
○丁寧 7、4、-8、-4、12 李暁霞
○曹麗思 4、9、-2、4 肖萌

[八一長安医院 3-2 冀中能源-北大方正]
○文佳 5、-9、5、4 馮天薇
○曹臻 7、7、8 白楊
 文佳/木子 -8、-7、-7 白楊/牛剣鋒○
 曹臻 -9、-4、-9 馮天薇○
○木子 8、9、6 牛剣鋒

[山西大土河華東理工 3-1 江蘇中超電纜]
○郭炎 9、2、8 范瑛
○饒静文 8、7、8 姚彦
 帖雅娜/劉娟 -7、-6、5、5、-6 張瀟玉/王シュアン○
○郭炎 6、-13、7、9 姚彦

[遼寧鞍鋼 3-2 広東珠江怡景湾]
 常晨晨 -7、-5、-8 曹幸ニィ○
 侯曉旭 -7、-3、-7 劉詩ウェン○
○楊楊/侯曉旭 5、9、-7、8 曹幸ニィ/周芳芳
○常晨晨 4、8、9 劉詩ウェン
○楊楊 7、-6、7、8 周芳芳

[大同雲崗・雁北賓館 3-1 重慶康徳]
○馮亜蘭 10、-10、-8、8、7 麦楽楽
○武楊 9、8、7 賈君
 李暁丹/李佳 -2、5、-5、-9 麦楽楽/李茜○
○馮亜蘭 7、-7、5、6 賈君

 超級女子第15節の結果は上記のとおり。
 北京時博国際と山東魯能-路安集団の一戦は、19歳の丁寧と彭雪、17歳の曹麗思の「90後(90年代生まれの世代)」3人で戦った北京時博国際が、ベストメンバーの山東魯能-路安集団を下す殊勲の星を挙げた。この試合は、前節の江蘇中超電纜戦で范瑛のカットを打った張怡寧が、右腕の故障を再発させて欠場。しかし、丁寧がトップで彭陸洋を下し、4番でも李暁霞に対し最終ゲーム3-6のビハインドから14-12と逆転。これで丁寧は2007年からの3シーズンで、李暁霞から4勝を挙げたことになる。膝に故障を抱え、トレードマークのしゃがみ込みサービスを使えない中での見事な勝利。北京時博国際の周樹森監督も「三人の選手たちは、緊迫した場面でも非常によく頑張ってくれたし、プレーも安定していた。今夜の彼女たちのプレーは満点だ!」と若手の活躍を讃えた。

 その他の試合では、八一長安医院が冀中能源-北大方正に3-2で辛勝。開幕6連勝で序盤戦の主役となった冀中能源-北大方正だが、第13節から3連敗を喫し、次第にプレーオフ進出が遠のいていく。遼寧鞍鋼はエース郭躍が首を痛めて長期欠場しているものの、2番手の常晨晨が「覚醒」。広東珠江怡景湾戦でも4番で劉詩ウェンをストレートで破り、シングルス14勝7敗の堂々たる成績。「楊楊は非常に勝負強い選手なので、ラストまで回せば勝機はあると思っていた」と谷振江監督も太鼓判を押す楊楊が、見事にラストを締めた。
 一方、ここまで最下位の重慶康徳は、前節に続いてエースの金キョン娥を欠き、同じく降格候補の大同雲崗・雁北賓館に惜敗。どうやら、1シーズンで甲Aリーグに逆戻りということになりそうだ。

Photo上:超級リーグでは「李暁霞キラー」となっている丁寧
Photo下:遼寧鞍鋼の楊楊、シングルス通算5勝4敗と白星先行