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 18歳の誕生日プレゼントはジャパンオープンでのU21での優勝だった。
 ブラジルのフーゴ・カレデラーノ。正確に言えば、誕生日の前日の優勝だった。
 午前0時を回り、彼の正式な誕生日のお祝いは横浜の焼き肉屋でささやかに行われた。彼の担当コーチはフランス人のジャン-ロネ・モーニーが満面の笑みで、まだ少年っぽいあどけなさを残したカルデラーノを祝福する。その合間にもお祝いのメールが次々届き、その中には元世界チャンピオンのフランスのガシアン氏のものもあった。

 ブラジルのリオデジャネイロ生まれのカルデラーノ。8歳から卓球を始めたが、リオは大きい都市ではあるが、卓球をやる場所も指導者にも恵まれていない。ブラジルは日系人社会の大きいサンパウロのほうが卓球は盛んなのだ。
 カルデラーノの才能を何とか開花させるために、彼が14歳になると両親は遠く離れたサンパウロに寄宿させ、リオ五輪も決まり、国からの援助金も出始めると、ヨーロッパにも卓球留学させるようになった。

ーー14歳までは卓球はあまりできなかった?
「そうだね。だからバレーボールや陸上の走り幅跳びをしていたよ」
ーーそんな中で誰をモデルに卓球をやっていたのかな。
「小さい頃はワルドナーのビデオをよく見ていた。今? いないよ。自分自身だよ(笑)」

 数ヶ月前の世界ジュニア選手権ではベスト8に入ったものの、荒削りでミスも多かった。しかし、今大会、ミスは減り、持ち前の柔らかいボールタッチと強打が炸裂した。決勝の相手は数ヶ月前の世界ジュニアのチャンピオン、張禹珍(ジャン・ウジン/韓国)。その決勝で完勝したし、この半年間で一気に抜き去った。本格的な練習を始めてまだ4年。しかも、それまでバレーボール、陸上競技というスポーツ体験を積んだカルデラーノの驚異的な伸びには目を見張るものがある。
 南米から出てきた大器。8月末からドイツに渡り、オクセンハウゼンとマスターカレッジで練習をする予定になっている。
  • スーパーシリーズではブラジル選手初優勝となったU21優勝のフーゴ・カルデラーノ

  • フランス人コーチのジャン-ロネ・モーニーと、カルデラーノ