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 卓球王国が創刊した17年前の話。
 白黒ページにある卓球ショップが「通販」の広告を出した時に、ある卓球メーカーが仲に入る形で、数人の卓球ショップのオーナーの人たちに呼び出された。「こんな通販の広告を書店でも売っている卓球王国に出されるのは困る。特に割引率を書くのはやめてくれ」と。

 今や、卓球ショップの通販広告は問題にもならない。何せネットショップでの割引競争がすごいからだ。これは卓球市場に限ったことではない。
 先日、ある卓球メーカーの社長と宴席で隣同士になった時に、話を聞いた。「あるネットショップで、メーカーからの出荷価格よりも安く売られているんですよ」。にわかに信じられなかった。以前から、「あるネットショップは利益なしで売っている」という話は聞いたことがあったが、さらにマイナスになっても人気商品を売っているのだ。つまり、例を挙げれば、メーカーから3000円で出荷される商品が、ネットショップで2800円で売られるということだ。完全に赤字になる。

 これは完全に客寄せパンダとして、ホームページにアクセスさせるための策なのだろう。これも商売の知恵と言えるのだろうか。
 ネットショップでの価格競争で、その渦中にいるショップは疲弊していく。独占禁止法での「公正で自由な競争を制限しない」というルールをたてにされると、メーカーはショップに正面から文句も言えず、出荷停止もできない。
 
 これらは不毛な戦いにしか思えない。ユーザーからすれば、安いに越したことはないと思うだろうが、結果として卓球市場が混乱したり、路面店として商売している卓球ショップが少なくなっていくのは決して良いことではない。
 出口の見えないネットショップの戦いだが、一方で、それらの安売りショップと差別化を図り、ユーザーとのつながりを深め、ショップの独自性を打ち出して頑張っているお店もあることを付け加えておこう。