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 近年、世界の卓球界では日本のレベルアップがクローズアップされることが多い。男子の水谷隼から始まって、松平健太、丹羽孝希、そして村松雄斗、森薗政崇。女子では石川佳純に始まって、加藤美優、平野美宇、伊藤美誠などが国際大会で活躍し、ITTF(国際卓球連盟)のホームページなどでも取り上げられることが多くなっているからだ。

 男子では、それらの選手が所属する青森山田、そして海外での武者修行という強化システムが一定の成果を上げていると評価できるし、男子の村松や女子においてはJOCエリートアカデミー(EA)の存在感もじわじわと高まっていることも事実だ。

 以前から、卓球王国ではWEBでも本誌でも、豊富な予算を手にしたEAと地方の強豪校との「強化の二重構造」を指摘したが、マイナス面だけでなく、プラス面も指摘するべきだという声もある。

 もちろん、EAの強化システムは、世界的に見れば中国のジュニア育成システム(国家チーム二軍)やフランスのINSEP(インセップ)に匹敵する、中央に集中させる強化システムだ。2008年に立ち上げたこのプロジェクトも6年目にして徐々に成果を上げつつある。

 一方、EAにとっても、日本のナショナルチームにとっても大きく貢献し、日本の最近の成績に大きく寄与しているのは、練習本拠地である「味の素ナショナルトレーニングセンター」の存在だ。
 東京・北区にあるこの施設は、それまでジプシーのように合宿地で苦労していたナショナルチームの悩みを解決した。
 ナショナルチームの合宿以外でも、日本のトップ選手はここで練習を重ねている。トレーニング設備や体をケアするための設備やスタッフがそろっている「虎の穴」だ。
 ワールドツアーに出発する前も、このセンターで合宿をしてから出発するなど、その活用は非常に有益なものになっている。最近では、地方の強豪チームが選手を送り込んでEAの選手と合同で練習するなど、発展的な使われ方をされている。
 まさに、日本のレベルアップのために、このセンターは大きく貢献していると言える。
  • オープンした頃、09年の味の素ナショナルトレーニングセンターの卓球場