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 3月2日に左第5中足骨疲労骨折という医師の所見を発表し、世界卓球欠場を決めた福原愛選手(ANA)。
 聞けば、昨年秋から痛みを感じ、検査や治療を施していたという。全日本選手権前には休養を取り、痛みがあったものの本人の意志で国内最大のビッグゲームに臨んだ。

 準決勝で敗れたものの、試合後に言い訳をしなかった福原選手。大会直後にレントゲン検査をしたが骨折線は見られず、しかし痛みも消えないまま、1カ月後のレントゲンでは明らかな骨折線が発見された。そこで急遽、関係者、協会との話し合いの末に欠場を決めた。
 一番辛かったのは本人に違いない。大好きな団体戦、地元での世界戦に出られない忸怩(じくじ)たる思いがあった。その様々な影響も考えていただろう。
 昨年1年間は大会を絞りつつ、リオ五輪を見据えて、練習を相当にやり込んでいたという話は聞いていた。筋肉量も増え、動きに力強さが加わったために、左足に負担がかかったとも言えるわけで、それはさらに強くなるための超えるべき壁だったのかもしれない。
 
 いろんな意味で福原選手の欠場の穴は大きい。その大きさゆえに、今まで「愛ちゃん」が卓球界に貢献していた大きさを改めて知ることになった。
 しかし、ピンチがチャンスになることは世の中多い。今回の休養と欠場で福原選手はさらに大きくなる可能性がある。コートから離れ卓球を外から見るチャンスでもあるし、リハビリによってさらに体が強化される例もある。
 大好きな卓球がやれない苦しさを経験することで、さらに卓球への思いが高まり、卓球への考えが深まり、残りの卓球人生を悔いのないように過ごすに違いない。
 
 また、今回、報道陣へのプレスリリースとしてファックスで済ますこともできたのに、会見を行い、自らの口で説明した福原選手も立派だった。会見の冒頭と終わりに、本当に申し訳なさそうに詫びる福原選手の姿は痛々しかったが、彼女はけじめをつけたかったのだろう。
 大丈夫、あなたは今までたくさんの貢献をしてきたのだから、ゆっくり休んでください。
 そして前よりも強くなった姿を見せることを卓球ファンは望んでいる。
 「愛ちゃん、顔を上げて前を向いていきましょう!」
  • 3月3日の会見での福原愛選手