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 日本での「日本選手排斥」の報道の前に、これに関する中国の国内報道は全くない。日本で騒ぎになっていることが、逆に中国のネットで騒がれているようだ。
 中国卓球協会に近い関係者が、協会事務局に聞いたところ、「日本排斥」の報道は寝耳に水の話だった。スーパーリーグを管轄する中国卓球協会は正式にそのようなルールを発表していないし、ましてや外国選手の参戦禁止の通達などは出していないとのこと。しかも、報道が流れる前から中国は国慶節に入っており、協会は機能していない。
 
 現時点でいつからスーパーリーグを始めるのか全く白紙の状態だという。日本ではにわかに信じられないことだが、スーパーリーグの試合方式や日程は全く決まっていないとのこと。今年は全中国運動会という4年に一度のビッグイベントが9月にあった。そのためにスーパーリーグの日程がずれ込むと言われ、かつ10月18日から中国共産党全国代表大会が始まり、そこで国家体育総局の組織、人事が変わる可能性があるので、中国卓球協会も動きが取れないのが実状のようだ。

 つまり、スーパーリーグ自体の開催や日程が決まっていない状態で、スーパーリーグに出場するような外国のトップ選手は、クラブとは契約できないのではないか。実際に、選手とクラブの契約は中国協会も口を出さないのが普通で、五輪があるから参戦させるな、日本選手を警戒するために排除、というような行動は取らないというのが中国協会に近い関係者の見立てであり、協会の事務局の人も「日本排除」を否定している。

 日本の中で「中国が日本を締め出す」というようなマイナスイメージで報道されるのは中国にとっても本意ではない。日中の卓球界は長く友好関係を築いてきた盟友であるのにもかかわらず、中国卓球協会の正式コメントもないまま、あまりにも短絡的で一方的な報道は危険である。このような報道をされることは中国にとっても、両国の協会にとっても何らプラスにはならないだろう。 
 特にTプレミアでは中国からトップ選手を入れようとしているだけに、中国卓球協会を刺激することは如何なものか。 (今野)
  • 2015年のスーパーリーグ・男子プレーオフ決勝の様子