様々なサービスに対し、様々な返球方法が考えられる「レシーブ」は、体系的に整理して解説するのが非常に難しい技術である。そのレシーブで、村瀬さんの話は「4つの方法があるよ」と始まった。その瞬間、サービスの時と同じように、渡辺の胸は躍り出した。続いて「角度レシーブ、順回転レシーブ、軸とらえレシーブ、回転はずしレシーブの4つね」という“村瀬ワード”を聞いて、このレシーブ企画が実現すれば必ず成功することを確信。しかも、“村瀬ワード”はまだまだ終わらず、「その前にミスが多い人が気をつけないといけないのが、近打球点と短タッチ、高速スイングの3つ」と続いた。渡辺はニヤニヤが止まらなかった──。
『サービスはマジックだ！』の時もそうだったが、村瀬さんの技のネーミングは、興味を引きつける不思議な魅力があると思う。体系的にまとめられた理論と独自のネーミング。この2つが村瀬理論の人気の秘密と言えるだろう。
そして、13年2月号からスタートしたのが『無敵レシーブ』だ。この企画も、サービスの時と同様に読者人気の高い特集となり、連載開始から約1年後の2013年12月12日にDVDも発売された。
約105分で4,200円（税込み）。内容の濃さ、収録時間を考えると、かなり抑えめな価格設定にしたのは、より多くの選手、指導者に観てもらいたいからだ。レシーブで悩む人は全国にたくさんいると思うが、『無敵レシーブ』を観て苦手意識をなくしてもらいたい。その結果、「卓球がさらに好きになった」という人が出てくれたら、我々王国スタッフも、もちろん村瀬さんもうれしく思う。
レシーブDVDの編集も終わり、あとは納品を待つだけとなった12月上旬に、村瀬さんと渡辺の2人で食事をした。
渡辺は聞いてみた。
「ちなみに、フォアドライブがテーマの時は、どのような説明をするのですか？」
村瀬さんが即答する。
「フォアドライブはね、4つの打ち方があってね──」
村瀬理論は、まだまだ終わらない、かもしれない……。
（文・渡辺友）
無敵レシーブDVD詳細↓
http://world-tt.com/ps_book/dvd.php?lst=2&sbct=0&dis=1&mcd=CZ039
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