男子シングルス3回戦、徳島(専修大)に敗れ、続く男子ダブルス4回戦で英田/厚谷(信号器材)に惜敗。これで小野竜也の全日本が終わった。
今大会でラケットを置くことを決めていた小野。観客席からの応援を背に、最後の一本まで諦めず、噛みしめるようにプレーをしているように見えた。敗戦後にダブルスペアの平野が先に涙を流した姿は印象的だった。それだけ小野主将は後輩に慕われていたのだろう。
「連日たくさんの人が応援に来てくれて、感謝しかないです。負けて悔しくないと言ったらウソですが、みんなに応援していただいてプレーできたことは幸せでした。
いろんな先輩たちが引退していって、どんな気持ちになるのかなと思っていたけど、意外と特別緊張することもなく、一日一日を大切にすごしました。本当にいろんな方に声をかけてもらったり、応援してもらったり、ぼくは本当に支えてもらっていたんだなと感謝しています。プレーでお返ししたかったですが、できたかどうかはわからないですが、自分なりに小野竜也を見せたつもりです。寂しいですね。もっと卓球をやっていたいなという気持ちもありますが、やりきったという気持ちもあります。でもすごく楽しかったです」(小野)
ミックスゾーンでは恩師の橋津文彦氏(仙台育英時代の監督)と同期で同じく今大会で引退を決めている水野裕哉(東京アート)が出迎えてねぎらった。
「ぼくの一期生ですから。涙が出ますね」(橋津監督)。
またひとり選手がコートを去る。心優しき主将、本当にお疲れ様でした。