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平成28年度全日本選手権速報

 オークワの顔、山本真理が女子シングルス3回戦で奥下(日本大)にストレートで敗れ、社会人選手生活21年、オークワでの18年の現役生活に、ピリオドを打った。

 昨日の2回戦では目の覚めるような強さをみせた山本。3回戦もキレのある動きを見せたが、フォア表の奥下は山本のナックルを苦にせず、逆にフォアスマッシュを叩き込んだ。それでも山本は3ゲーム目、2-9と大きくリードされた場面からフォアドライブを決めて3本連取するなど、最後まで諦めずにボールにくらいつくプレーを見せた。

 「大桑会長、卓球部の初代のOGなど、皆さんが見守ってくれる中で感謝の気持ちで試合をすることができた。最後の試合は悔しい。でも感謝の気持ちを持ってプレーできたということに対し悔いはない。いつも自分らしくプレーしたいということだけを心がけてきた」。山本は一筋の涙を流しながらも、すがすがしい表情で語った。

 前日の話になるが、77年世界チャンピオンの河野満氏が、世界卓球選手権の金メダルを山本にプレゼントした。山本はこれまで何度か、同じペン表ソフトの世界王者である河野氏に指導を請いに青森まで出向いていた。その山本の卓球に対する真摯な態度に大きく感銘を受けた河野氏が、世界団体優勝の金メダルを贈ったのだ(河野氏は団体で2回、シングルスで1回優勝)。このあまりに大きなサプライズの授賞に、山本と、彼女を支えてきたオークワ卓球部・大塚監督も感涙。「一生そばに置いて宝物にします」(山本)。

 山本は今後もオークワに残り、卓球部を陰からバックアップする。20年以上にわたり、真摯すぎるほど真摯に卓球に取り組んできた山本。長年オークワ卓球部を引っ張り続け、ジャパンオープン和歌山大会ではシンガポール代表のスン・ベイベイを破る金星もあげた。39歳にして筋肉質の体のキレはまったく衰えを見せず、引退が惜しまれるが、今大会もすばらしいプレーを見せて完全燃焼した。本当にお疲れ様でした。

●女子シングルス3回戦
奥下茜里(日本大)8、9、5 山本真理(オークワ)